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鳥渡した秋の味覚
つい先週迄夏服で過ごしていたのが嘘の様に秋の日和が續いております。
もう10月も終わり、愈々以って寒さの到來を豫感させます。
今まさに清秋の頃でございますが、時同じくして秋の味覺はまた一段と食卓を彩っているのであります。
そこで今回はそんな秋の味覺の一つを樂しんでみる事に致しました。
今宵の主役はキノコであります。
最近は一年を通じて市場に流通しているので今一つ地味な印象ですが、秋こそキノコの美味しい季節だと思っております。
そこで古い料理の文献にあった「舞茸酒」で今夜は一献味わってみる事に致しました。
まず、名前からして材料はこの舞茸であります。
それなりに良い品物をそれなりに値引している時に賈いに行くと、いさゝか良い氣分になるものです。
日々の賈い物はこうして樂しむものだと思っております。
まず、この舞茸を適當な大きさに裂いて塩を振ります。
(余談ですがこの塩のラベルはクラフト紙に印刷した自作です。上手く寫っていませんが、ちゃんと英語で「NaCl・塩化ナトリウム」と書いてあります)
その塩化ナトリウムを散布せるグリフォラ・フロンドサをこの様に火で炙ります。(グリフォラ・フロンドサとは舞茸の學名)
暫くして斯くの如くグリフォラ・フロンドサが良い色になって香りが出てきました。
そしてそれを熱燗の中に入れてしまいます。
鳥渡時間を置いて味と香りを充分に酒に染み渡らせます。
こういう酒器は持っていると何かと便利で面白いのです。
普段はイワシやコマイなんかを炙って骨酒の様にして戴いておりますが、時には炙ったキノコでも面白い酒が出來るものでございます。
尚、急須や土瓶でも代用出來るかと存じます。
熱燗が良い色になってきました。
お相手の煮魚と一緒に戴きます。
折角カセットコンロを出したので、ついでにシシトウなんかを炙ってみます。
自作の囲炉裏テーブルは今日も大活躍です。
勿論、酒に浸した舞茸も後でちゃんと戴きます。
すぐとなりに醬油差しのひょうちゃんが待っております。
昨今にわかに寒くなって參りましたので、こうした晩酌で軆を温めたいものです。
實は私はキノコが好物なもので、普段は見かけない色々な食べられるキノコを食べてみたいと思っております。
チョコレート菓子でも迷わず「キノコ」の方を選びますし、子供の頃は「キノコを食べると大きくなる」と信じていたものでした。
鳥渡した秋の味覺に今日はキノコを樂しんでおりました。
…今年こそキノコは舞茸でありますが、去年は………
…ま、來年は頑張りましょ………。
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