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ミシュランのシェフ達②

ミシュランのシェフ達①のつづき

最初にこのレストランを訪れてから約3年後。

またまた私はレストランの仕事に失望していた。

どんなに一生懸命頑張っても一向に認めて貰えず出世競争は完全に圏外。

同じ時に入社した私より技術のない同僚が私の上司になり威張り、

怒鳴り散らす毎日。

レストランのキッチンは役職が少しでも上のものには逆らえない

システムのなかで私は悔しくて隠れて何度も涙を流した。

転職も色々考えてチャレンジするが今より良いポジション、

給料が得ることは皆無。

どちらを向いても行き詰まり精神衰弱した私が取った行動は

全てのミシュランレストランに手紙と履歴書を送る

という奇想天外、謀略無人な行動だった。

地元の小さなホテルにすら全く相手にされない状態の頃なぜ

こんなことが出来たのか。

おかしくなっていたとしか思えない。恥知らずだったと思う。

もちろんどこにも相手にしてもらえるわけがない。

手紙は心を込めて一番良い紙を使い、封筒も手触りの良い一番

高級な物を購入。

一世一代の大勝負のつもりで出した手紙であるがたぶん手紙と履歴書は

目も通されず破かれゴミ箱に投げ捨てられたであろう。


ただ後日、一件だけに連絡が来た。

それが3年前私が初めて行ったあのミシュランレストランだった。

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