日本の学校/園への一時編入〜年長編〜
うちの子どもたちにとって、一時編入はどうだったか?
今回の条件
編入先:私立幼稚園。ひと学年2クラス、園全体で140名くらいの規模。他の教育機関を持っている法人ではなく、幼稚園単体の地域に根ざした園という印象。
期間:2週間
この時の一時帰国についてはこちらにも:
子どもの特徴
年長の息子。0〜2才まで日本の保育園通園→(ここからオランダ)peuterspeelzaalという半日×週二日の幼児クラスと一日保育×週二日→4歳になった次の週からオランダ現地小学校に週5日。
*peuterspeelzaalは2歳〜4歳未満児が4時間×週2回通える幼児クラスで安価(以前は無償)、一日保育は就労状況などにより政府から補助が出るが、費用設定としては日本円で1.5万円程度/日かかる。(かなりざっくり説明!年齢や金額は自治体や運営母体等による!)
日本語の支援は・・・自分が継承語教育を頑張っているのか頑張っていないのか、判断できない。
・月に一回、幼児日本語プレイクラブへ
・オンライン日本語レッスンは本人に不向きで、体験のみで中止(まぁ、幼すぎるんだろうね、画面で学ぶには)
言葉の使用状況
・家庭内では父親とはオランダ語・母親とはオランダ語混ざりの日本語・姉とはほぼオランダ語。最近は寝ぼけた時とか寝言はほぼオランダ語だし、本人が気を抜く(?)と母親にもオランダ語のみで話しかけるようになっている。ただ、普段は母親には日本語、という意識が強く、私には日本語の構文にオランダ語の語彙を入れて話す。
例:「このspeelgoed(おもちゃ)、ちょっとパパにlaten zien(見せる)してもいい?」
・友達はオランダ語のみでやりとりする子9割・オランダ語と日本語両方1割・日本語のみのお友達は現地にいない。
・まだ読み書き段階ではないが、絵本の読み聞かせは日本語6割・オランダ語4割(好きな絵本は日蘭どちらの言語でもあり)。
・動画インプットは、youtubeなどを通して聴く&観る動画はほぼ日本語。現地の子どもニュースのみオランダ語で観る。ゲームは日本語8割・オランダ語2割。
本人の認識や特性
お友達の親に、「僕はオランダ語、日本語、英語、フランス語、ポーランド語ができる」と(オランダ語で)言っていた。そして「ワオ!すごいね!」と褒められて喜色満面だった。もちろん、フランス語とポーランド語は挨拶のみ(それぞれ、家庭内で使っている仲良しのお友達がいる)。英語は簡単かつ頻繁に聞く単語は理解していて、親が英語で内緒話はできないレベル。
「自分は日本語ができる」ということを幸い現段階ではポジティブに捉えていて、よく自慢している。
編入へのモチベーション
彼にとっても、幼稚園ってなによ?という話。「2週間、日本で幼稚園に行こうね。」→(息子)「幼稚園には遊ぶものあるの?」→「あるよ。」→(息子)「じゃ、行く。」
話が前後するが、渡欧してから一年後の一時帰国の際には、以前通っていた保育園を訪ねて先生やお友達にも会えた。その時は3歳だったが、「んー、ここでずっと遊んでいなかったから、ちょっと遊びたくなっちゃった。また行きたくなっちゃった。」と考えながら言っていたことが印象的。元々子どもがたくさん集まって遊ぶ場所は好きな方なんだと思う。
園探し
今回の一時帰国は4〜5月だったが、年初から地域の幼稚園にメールや電話にて事情を説明し、受け入れの可否について問い合わせをしていた。
合計、7つの園に問い合わせ、自分の卒園先を含め6つに丁寧に断られた。
通うことになった園は、もちろん費用は払ったが、ご厚意で受け入れてくださったのだと思う。園長先生、先生方、保護者の方々に感謝。
通園あれこれ
自転車で5分程度の距離を送り迎え。滞在先とは幹線道路を挟み、小学校の学区も違うことから、ご近所さんは少ない様子。ただ、他の保護者の方と話す中で、同じ学年でお二人程度は同じ小学校学区にお住まいとのこと。
「もし来年小学校にも編入されたら、また会えますね!」と優しい言葉をかけてもらい、ありがたい。
毎日お弁当と麦茶。母親(私)にとって初めてのタスクだったが、美味しい材料も予備お惣菜も準備しやすい日本なら楽勝。キャラ弁作る訳でもないし。
制服、指定体育着、赤白帽、指定リュックは貸与いただいた(感謝感激)。上履きのみ900円程度で購入(今はオランダの体育の時間の室内履きになっている)。体育着入れや上履き入れは、かっこいいものをばぁば(私の母)が作ってくれた(感謝感激)。本当に、いろんな人にサポートいただいて実現したなぁ。
楽しかったこと寂しかったこと
毎朝、「もう行っていい?」「もう時間?」と心待ちにしていた。本当に行かせてよかったと感じる瞬間だった。
一度だけ、「行きたくない」と言った朝があったので理由を聞くと、「みんなで種を土に入れたけど、僕はそれをもらえないの=(翻訳)前日に野菜の種をプランターに植えたが、収穫できる秋には僕は日本にいない」とのこと。
確かに寂しく感じるだろうなと共感。幼稚園に通う生活が、他のお友達にとっては連続性のあることだけど、自分にとってはそうではない、ということを5歳児なりに感じていたのかな。戻ったらオランダのお庭にも野菜を植えようか、という提案で少し気持ちは上向きに。
年齢としても、本人の性格としても、すぐに慣れて初日から仲の良い子を作ってサッカーなどをしていた様子。先生方やお友達にもたくさん名前を呼んでもらっていた。
今後・・・!
あまりに自然に溶け込める様子を目の当たりにして、小学校低学年のうちに一度は編入させたいな、という気持ちがむくむく。
言語としては、編入前には話さなかったような、多少こなれた日本語を使うようになった。
例:「このポケモンカード、やすっ!("安い"の”い”を端折る)」
あと、日本語ひらがなにも少しは興味を持ったかな・・・?
彼はかなり幼い時に言語環境が変わったので、4歳頃から明らかにオランダ語優位。日本語は母語としては確立していないんじゃないかな。
という状況なので、日本語学習の方針はどうしよう。継承語として多少なりの愛着を持って欲しいな。日本語の会話環境にストレスがない程度だといいな。親の希望ばかりだけど、彼の長い人生、日本や日本語も自分の一部だと思ってくれるといいな。
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