住宅の話②オランダでの住まい
noteの「#住宅購入」記事は実に参考になった。同い年くらいの方がどんな検討を経て、どのような優先順位をつけて最終的にどんな選択をしているのか、ドンピシャな情報はぼかされていたとしてもそれぞれのストーリーから学ぶことがたくさんあったように思う。そこで、国際結婚をしている私たちの住宅歴(日本賃貸→日本マンション→オランダ居候を挟んでオランダ戸建て)を振り返ってみる。
引越しと日本のマンション
オランダに引っ越すにあたり、日本のマンションの選択肢は三つ。
・売る
・貸す
・売らないし貸さない
忙しすぎて売却活動ができなかったこと、親族が住む可能性が20%くらいあったこと、大事な人の結婚式のために数ヶ月後に一時帰国を予定していたことから(滞在先の確保として)、経済的には最もマイナスとなる「売らないし貸さない=そのまま」という状況で日本を飛び立つこととなった。時々、母が風通しと郵便物確認に行ってくれていた。
*結局、家族全員がCOVID19に罹り結婚式参列目的の一時帰国は直前にキャンセルとなり、オンライン参列。
オランダで居候
「両親が子育てを手伝ってくれるよ」「歓迎してくれるよ」「大家族で楽しいよ」などなど、夫が勧めるまま、渡欧してすぐ夫の実家に居候させてもらった。これは、この引越しにまつわる諸々の決断の中で、最も大きな間違いだった。義実家とは(おそらく自分の実家とも)、同居しない方が良い関係を保てるはず。
採用されなかった私のプラン:夫が夏にオランダに行って仕事を始め、一人で義実家に居候しつつ住居とその近くの学校/保育先を決める→私が日本から船便を出す→私と子どもたちがオランダに引っ越す
採用された夫のプラン:船便を義実家宛に出して学校/園は日本から申し込む→家族みんなで引っ越す→義実家に住みつつ新居を市内で探す→義実家から出る
最後は「家族は離れるべきじゃない」「一人で子育てしつつ引越し準備しつつ仕事をするのはobentoには無理だと思う」という意見に押されて夫プランを呑んでしまった(何度も言うけど大間違い)。
オランダの住宅事情
色んなところに多々書いている通り、オランダは全国的に慢性的に住宅難で大きめの街は特にひどい。賃貸も購入も倍率が高くて、個人で動いていたら内見すらできないことが多いらしい。
このような事情から、私たちも内見予約や金額交渉を全て任せられる仲介人と契約を結んだ。確かに見たい物件は仲介人さんを通して全て内見できたし、住宅探しを9月に始めて10月には購入物件が決まったので、お世話にはなった。ただし、最終的に決まった物件は、仲介人さんを通さなくても買えたのではないかと思う。
探していた時の条件:
・夫が会社まで自転車通勤できる距離(max.20km)
・子どもたちの学校/保育先まで自転車で行ける距離(max.3km)
・寝室が3つ以上
・大幅なレノベーションをしなくてもすぐに入居できる
住宅探し
rijtjeshuis(長屋スタイルの住居)①
床面積140㎡程、3階建て3ベッドルーム、活気のあるお買い物エリアまですぐだが、家自体は住宅地の道の突き当たりに面した静かな立地。最初に購入した居住者が30年以上住んだ上で初めて売りに出した物件とのことで愛着を持って何度かレノベーションした様子が分かる家。
夫:お風呂がない(シャワーのみ)のはobentoには辛いんじゃない?
私:こぢんまりとしたいい雰囲気のお家だけど、壁を隔てて隣に車修理工場があるのが気になる(実際には騒音はほとんどなし)。学校まで少し遠いかな?
→入札せず。すぐ売れて市場から無くなった。
rijtjeshuis②
130㎡程、3階建て3ベッドルーム。立地が素晴らしく床面積の割に強気な値段設定。市の中心部(騒がしい方ではなくおしゃれなお店が多い中心部)まで歩いていける距離ながら、デッドエンドになっているため居住者の車しか入らない道に面した落ち着い住宅街。かつ、周りはほとんど1920年代の住宅だが、この区画のみ2000年代に建て替えられておりオランダの基準では新しい。クラシックな街並みを残した地域にたまたまできた新しいお家。中庭は南向き。
夫:このサイズにこの値段は払いたくない。
私:どこに出るのも便利そうで・・・(立地が良すぎて住みたいが、夫が言うことも納得できる)。
→入札せず。すぐ売れた。今でもこのエリアはいいなと思う。
一軒家①
250㎡程、2階建ての5ベッドルーム。とにかく家も庭も広い。ちょっと手直しが必要な印象。
→見学予約を入れていたら、見学前に売れた。見ないで買う人もいると言われた。
rijtjeshuis③
160㎡程、3階建ての3ベッドルーム。1年前に建ったばかりの人気新興住宅地。機能は最新で全室床暖房、ヒートポンプ、ソーラパネル、ランクの高いシステムキッチン、などなど。人気過ぎて見学予約が締め切られていたけど、仲介人さん経由だと見学できた。すぐ近くに散歩道が整備された森があり、おしゃれな再開発地域ながら自然も身近。
夫:いいね。
私:いいね。
→提示額を上回る金額で入札したが落とせなかった。書くまでもなくすぐ売れた。
買ったお家
最終的に購入した家は、190㎡程、5ベッドルーム・位置は条件通り・予算はややオーバーの戸建て。現地の人にはあまり人気がない地域にある広めの家、ということで市場に比較的長く残っていた物件。
10月に仮契約、年を跨いで1月初旬に決済+引渡し。
今回の家の持分は、私15%(キャッシュ)+夫85%(キャッシュとローン)。
非オランダ人としての購入
日本の賃貸拒否やローン非承認のような、オランダにて外国人である私が共同所有者になることに関する問題は、私たちの購入にあたっては全くなかった。
決済&引渡しの際、公証人同席のもと契約の説明がなされるが、オランダ語を解さない場合は通訳をつけなくてはいけない。共同所有者のどちらかがオランダ語話者でも、つけなくてはいけないらしい(パートナー間でも詐欺がありうるためと言われた)。私たちは、私のために英蘭通訳を依頼した(40分程度で€300+交通費とのことだったが、彼女が自転車で来たので交通費ゼロ)。オランダ全土でこの場面で日蘭通訳ができる人は二人いるらしいが、設定費用は倍以上だった。
私のオランダ銀行口座にほとんどユーロがなかったため、自分の持分を払うために親から一時的にお金を借用する方法を取った。なぜかと言うと・・・
日本の口座から直接送金できるかと思ったら、時間ラグが生じるので不可。
日本の自分の口座からオランダの自分の口座に送金した上で支払いできるかと思ったら、本人が日本にいない場合は手続きが煩雑?不可?だったので諦めた。
上記を経て、日本の親の口座からオランダの私の口座に為替変換を含め送金してもらい、決済。契約にあたっては念の為借用書(親から私)の英訳も提出。
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