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「ウォッチャーズ」ディーン・R・クーンツ

モダンホラーというジャンルがあるらしい。
定義はよく知らないが、スティーブン・キングや本作のディーン・R・クーンツ(以下クーンツ)が代表的な作家らしい。
「ミザリー」という映画を金曜ロードショーで見てから、一時期スティーブン・キングにはまった。
書評なども読み、モダンホラーというジャンルがあることを知る。
海外小説って翻訳が自分に合わなかったりすると読むのに体力がいる。
でも当時は若かったのか、キング作はほぼほぼ読みつくしてしまい、手を付けたのが同ジャンルの作家であるクーンツの作品だった。
読んでみて気づいたのだが、なんとクーンツ作品は疲れないのだ。
なぜかと言うと、クーンツ作品は基本的にハッピーエンドだから。
どんな作品も最後は主人公が救われる、恐怖はあるが安全な恐怖、ジェットコースター・お化け屋敷みたいなもんだ。
なので安心して読めるのである。
結果がわかっているからといってつまらないということはない。
それだけストーリーが魅力的なものが多かった。

この作品、大体のあらすじを言うと、
研究所から逃げ出した知能の高い犬(ゴールデンレトリーバー)、逃亡途中に出会った主人公の男性と交流を深め、さらにもう一人の主人公となる女性との仲をとりもつなど、犬と人間が深い絆を築いていく、ドラえもんとのび太のような異種交流。
そんな中、もう1匹逃げ出した、こちらは醜いモンスター。
モンスターは犬を憎み、出会う生き物達を引き裂きながら追跡していく。
主人公2人と1匹がモンスターと立ち向かうとともに、自身のトラウマとも立ち向かうという物語。
なんで映画になっていないのか謎なぐらい、エンタメ要素を詰め込んだ良作、しかもハッピーエンド保証型。
犬好きには特におすすめです。

こっからは愚痴なのだが、一時期アカデミー出版の超訳シリーズというのがが売れまくった時期があるのを覚えているだろうか?
通常の翻訳だと上述したような、合う合わないがあったりするのだが、超訳は原文にこだわらず読みやすくしたもの、と認識している。
※間違ってたらすみません。。
これがヒットした。
うちの母も読んでた。読みやすいって。
そんなアカデミー出版がクーンツの権利を買い取った。
超訳を否定するつもりはないのだが、映画も字幕で見て役者の声を聞きたいと思う「オリジナルが大好き派」な自分としては超訳者の手心が入った小説に何か違和感を感じてしまい、以降のクーンツ作品を読むのをやめてしまった。
このウォッチャーズも新品では購入することが出来ず、古本屋サイトをめぐってようやく買えた。
良作ぞろいの作者なのでもったいない状態が続いている。。

ただよくよく考えると、小説が映画化された時って脚本家や監督の手心が加わって完全原作通りとはいかないけど、楽しんで見ているなぁと。
超訳だなんだ気にせず読んだらいいのかもしれない。
葛藤。

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