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「竜のかわいい七つの子」九井諒子

漫画の紹介。
1冊のみで完結。

九井諒子といえば「ダンジョン飯」だ。
あとは「引き出しの中にテラリウム」が有名だと思う。
「ダンジョン飯」はこのマンガがすごいでも紹介されており、まだ未完で新刊が出るたびに発売日に購入するほどはまっている。
いつか紹介しようと思う。

そもそも「引き出しの中にテラリウム」という作品が、巷で評価されてから知った漫画家。
この「引き出しの中にテラリウム」はショートショート作品集で何度も読み返すほど好きな作品だ。

ここまでいくと、九井諒子中毒といった状態になってしまい、「ダンジョン飯」の新作を待つだけだと辛くなってくる。
他にもないか?
なので、他作品を探していて本作と出会い購入した。

ある程度の長さがある短編がそろっている。
小説でも漫画でも、俺は短編集が好きなんだな。

本作はファンタジーと現実との融合が上手になされている作品集。
この作者、ファンタジーを現実にあることのように書くのが非常にうまい。
ダンジョン飯でもモンスターたちの生態をきちんとロジカルに考察して、こういう生態だから伝説にあるような行動をする、と定義・説明している。
本当にありそうに見せるのが上手なのだ。

本作でも、「人魚」「土地神」「狼男」「超能力」などの、ファンタジー・SF要素がきちんと我々が住む日常と地続きになっているように描かれている。
これが面白い。

狼男は狼男症候群という病気として描かれる、それと向き合う親子の葛藤と絆を描いている。
妹がこどものころから喘息を持っていて、主人公の母親に自分の母親を重ねてしまった。
人魚の話も、海洋生物としての人魚と高校生の交流を描いていて、コミュニケーションが取れそうで取れない別種の生物とどう分かり合えるか、がテーマだと思う。

他にもちゃんとファンタジーな作品もあるのだが、現実にファンタジー要素が入ってくるという趣向の作品をもっと読みたくなる。
と、思ってさらに作品を探したらもう1つ短編集があった。
これも非常に面白い。

ファンタジーに対する新たな切り口、なんで今までなかったんだろうか。。
さすがである。

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