「玩具修理者」小林泰三
この世界観をみんなで共有していろんな作品を作ればいいのに、という設定の作品がある。
以前紹介した「十二国記」シリーズ。
あの中華風ファンタジー、本編で出てきていない国がまだたくさんある。
それらを舞台にした作品が読みたい。
以前紹介した「魔界都市新宿」シリーズ、これもいろんなキャラに暴れて欲しい設定だ。
他にもスターウォーズの世界など、SFやファンタジーではもっと広がって欲しい、もっと深く知りたい世界がたくさんある。
世界的に成功した設定と言えば、クトゥルフ神話だろう。
クトゥルフ神話、ラグクラフトというアメリカの作家が、他の作家仲間と作り上げた架空の神話。
なんかタコみたいな気持ち悪いクリーチャーの神様が、世界を創造したというような話。
その神様達が出てくるホラー小説が有名。
日本でも、世界中でもこのクトゥルフ神話をモチーフにしたフィクションが多数存在する。
本作は短編2編のホラー小説。
表題作の「玩具修理者」がクトゥルフ神話をベースにしている。
内容はこんな感じ。
子供たちしか知らない謎の玩具修理者、彼はどんなおもちゃでも元通りに直してくれる。
簡単な人形から複雑なゲーム機まで。
ただ、どこか異様なのは子供でも感じる。
それは本当の直し方じゃないのではと。。
子供たちは、おもちゃ以外の修理も依頼する。
例えば死なせてしまった猫だったり。
でも直った猫はというと。。。
そんな玩具修理者に少女は直してほしいものを持っていく。
それは死なせてしまった弟。
いったいどうなるのか。
怖い。
これがデビュー作というからすごい。
そして毎度のことだが、これは角川ホラー文庫。
この文庫全部読みたい。