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なぜ伊勢神宮は外宮から参拝なのか、会社に例えてみた

コロナ禍で時間があったときに「日本人なのに自分の国のことを知らないのも、どうしたものか」と、日本についての学びを始めた。

その際に日本には八百万の神様がいるがその代表が天照大神であり、その神様を祀ったのが伊勢神宮ということを知った。
会社に例えると「株式会社・日本の神様」にはたくさんの神様が在籍しているが、社長は天照大神で、本社は三重県伊勢市にある、という感じだろうか。

伊勢神宮の話をいろいろ聞き、4年前1人夜行バスに乗って行ってみた。そのときは伊勢のお作法にあまり慣れておらず、いろんな疑問を持ってまた1人夜行バスに揺られて帰ってきた。

その後、伊勢在住の方々とご縁ができたこともあり3回ほど参拝に行った。そのたびに伊勢への知識がアップグレードされ、だいぶ伊勢について詳しくなった(つもり)なので、この記事ではお伊勢参りでよくある疑問「なんで外宮から回るの?」を、会社に例えながら書いていこうとおもう。

伊勢神宮は外宮と内宮の2つの神社から成っている。行ったことがある方ならお分かりになると思うが、この2つは車で20分と結構距離がある。
多くの方が「まず外宮から」と伊勢市駅から参拝されたことと思うが、なぜ外宮→内宮という順番なのか。それは誤解を恐れず例えると「社長の人柄がいいから」というアンサーになる気がする。

内宮には日本を代表する神様「天照大神」が、外宮には日本の食べ物の神様「豊受大御神」が祀られている。内宮は社長室・外宮は社長専門のキッチン的な立ち位置のようなものだろうか。

外宮では毎日、朝と夕方に天照大神へのお食事を奉納している。それもサ〇ウのご飯をレンジでチンとかではなく、火おこしから始めてお釜で焚き上げたご飯を筆頭に、手間と時間をかけてつくられたお食事である。

35度を超えるような真夏日も台風の日も、年末年始関係なく1500年の間一日も欠くことなく、国を守る神様へのお食事が神官の皆さまによって供されてきた。

偉い人や成功している人というのは謙虚な方が多い。「自分の会社がうまくいってるのは社員や取引先のおかげ」と周りへの感謝の気持ちを常に忘れない。

自分は以前ほんの少しだけ偉い人の秘書をさせてもらっていた際、少数ではあるが秘書だからとろくに挨拶もしないお客さんに会うことがあった。

しかし偉い人はそういうところをしっかり見ていて「うちの秘書をバカにする=自分をバカにする」というマイナスの認識を持っているように感じた。逆に秘書にも丁寧な対応をしている人は、偉い人の覚えも良かったように思う。

話を外宮に戻すと、天照大神(社長)は毎日自分の食事を供してくれる外宮の神様に、非常に感謝の気持ちを抱いている。そのため参拝者には「まず私ではなく、私によくしてくれている者に挨拶してきてください」というスタンスを取っているらしい。

だから外宮に行かずいきなり内宮に来るのがよくないのは、現代の会社に例えると秘書やアポ取りの際にお世話になった人への挨拶もすっ飛ばし、いきなり社長室に乗り込んでくるようなものらしい。
きちんと外宮から参拝した人は神様から「外宮にも行ってきてくれたのね、ありがとう」という目で見てもらえるそうだ。

現代ではやれコスパタイパと生産的であることがもてはやされるが、日本を代表する神様が「まず私のために心尽くしてくれる者たちのところに行ってください」と、感謝の気持ちを第一にしていると聞くと、なんだかホッとするものがある。

ちなみに私は天照大神のお食事についてずっと「外宮から内宮の神様のところへ、人がお食事をお運びする」と思っていたのですが、正しくは「内宮から外宮へお食事をしに、神様が自分で移動してやってくる」という認識だそうです。

そりゃあ神様だからなんだってできるだろうけど、神様ってそんなカジュアルに移動できるんだ・・社食に行く社長さんみたいだなあと思ったりしました。(不敬)


伊勢神宮の近くにはおかげ横丁など、食べ歩きが楽しい場所もたくさんあります。一生に一度はお伊勢参り、いかがでしょうか。







今日もお疲れ様でした。
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