【神様のボート】究極の愛
著者 江國香織さん
超有名作ですが、初めて手に取りました。
さすが江國さん…江國ワールド。
淡々と進む中で、綺麗な情景が目に浮かびます。
あらすじ
自由奔放な母の葉子と娘の草子は旅がらす。
二人の生活を、二人の目線から交互に描かれています。
平凡な日常、現在と過去を行ったり来たりしながら、葉子と元夫の桃井先生のこと、そして草子の父で葉子の愛した、あの人との思い出。
葉子は一つのところにとどまらない。
東京から逃げるように暮らす。
━神様のボートに乗ってしまったから。
葉子と草子の十数年間を覗いたような気持ちになりました。
幼い草子が成長していき、葉子のもとから巣立っていく。
—すぎたことはみんな箱のなかに入ってしまうから、絶対になくす心配がないの。すてきでしょう?
狂気的な葉子は草子の寝顔を見てあの人のきれちいな額の骨を思い出す。
娘の草子も抱きしめられて背骨を褒められる度、パパの代わりに抱きしめられてる気がすると感じる。
幼い頃から生きづらかった葉子が、あの人に出会い草子を生み、自分を偽ることなく生きやすさを求めていくように感じました。
自由と不自由はよく似ていて、ときどき私には区別がつかなくなる。
感想
直接的な言葉ではなく、葉子とあの人との愛を描いています。
しかし初めから最後まで葉子さんは本当のことを言っているのか、不器用さゆえ、あえて苦しい道を進んでしまう。
最後はハッピーエンドだったのかわからない終わり方ですが、たくさんの心に刺さる言葉がありました。
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