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【単巻5冊読書感想73】『ただいま神様当番』『東京都同情塔』『イモムシの教科書』『魚の自然誌』『それでも世界は回っている』

 図書館に行ったら、カウンターで揉めてる。

 ってことが、ときどーきあります。

 年に数回、遭遇するかな。

 大体、週1は行くけど、大抵「予約借りるだけ」とか「本棚からピックアップするだけ」とか、滞在時間数〜十数分がデフォなので、あんまりないんだけどね、そういうこと。

 「持ち込み資料をコピーさせて欲しい」という利用者さんに、「図書館法で禁止されているから」って対応してて、「法律見せてみろや」って流れになってたのね。

 うん。

 図書館法には著作権法の例外規定で「図書館資料のコピーは許す(=それ以外はそもそも著作権違反だから)」としか書いてないのね。

 著作権法とか図書館法とか、よっぽどわたしが代わりに説明しようと思ったけど予定があったのでその場を後にしました。

 「図書館のコピー機なので、図書館資料の印刷に限らせていただきます」で断るのがスマート。

 もし、そこでゴネられるようだったら、館則とかに前もって書いておいてそれを見せるという手順がいいと思う。

 というようなことは、全部この図書館の本で学んだので、なんかなーと。

 それで、図書館資料ならコピーできる(それ以外を図書館でコピーしちゃったら図書館が著作権法違反になっちゃう)だから、手持ち資料と同タイトルの所蔵がないか調べる、っていう譲歩もあると思うの。

 利用者さんも職員さんも、お互いに気持ちよく図書館ライフを過ごせるのがいちばん。

 なんとかならんかなーとモヤモヤした出来事でした。


 さて。

 前置きが長くなりましたが、今回の五冊はこちら。 



【1冊目】人気なのはわかるけど、自分にはヒットしなかった『ただいま神様当番』

 前々回かな、読んだ『お探し物は図書室まで』の作家さんです。

 うん。

 人気なのはわかる。

 連作短編で、他のタイトルとも緩く登場人物が共通してて、読後感、明るい。

 でも、ギリギリのところを生きてるわたしには「普通の登場人物」でさえ眩しく見えて。

 なんか、「いい感じのセリフ」が説教くさく感じちゃって。

 いや、完全にわたしのメンタル、感じ方の問題なんだけど。

 「明るさに浄化される」っていう方もいるだろうけど、「自分の汚いところが明るみになって辛い」ということもあって。

 あんまり、相性が合わないんだなーと思いつつ。

 まぁ、次は読まないかな、と思います。



【2冊目】文学、どういうテンションで読めばいいのかわからない『東京都同情塔』

 文学でした。

 まぁ、芥川賞受賞作だから、当然なんだけど。

 言葉狩りとか、人権とか、そういうのがいくつくところまで、というか変な方向へ曲がっていったらこうなるよね、という日本。

 コロナ禍でオリンピックが強行された世界線、といえば、何となく「うへぇ」感が伝わるかなと。

 結構、わざと「わかりにくい」構成にしていて、その中で何を感じるか……を問うような小説。

 うん、文学ですね。

 ちなみに、わたしは「うーん、わからん」と感じました笑



【3冊目】タイトル、主語がでかいよ問題『イモムシの教科書』

 主語がデカいっていうか。

 生物学者さんじゃなくて、写真家さんが「教科書」と題すのはちょっとタイトルに偽り有りじゃない?

 生物学者さんじゃないので、個別のイモムシの生態に分け入ってるわけではない。

 ので、なんか期待外れでした。

 あるあるですよね。

 なんかこんなことばっか言ってる気がします、最近の生物学系タイトル。

 「主語がデカい」と意外と専門家ではない方が書いている説はあるかもしれない。

 その道の学者さんなら、正確さに拘ざるをえないので「アゲハ幼虫から見る生き物の世界」とか対象を限定するか、一般向けでも「葉っぱを食べ、鳥に食べられ イモムシだって一生懸命生きている」とかいうタイトルになりそう。

 ということで、今後の書籍探索の指標が一つ増えたかなと。

 人間、転んでもただでは起きずに学ぶのだ、というところでしょうか。



【4冊目】生物の概説はもうほとんど知ってるかも……『魚の自然誌 光で交信する魚、狩りと体色変化、フグ毒とゾンビ伝説』

 続けて生物学系のタイトルです。

 うん。

 大抵のことは、知ってた。

 ていうことはですよ、興味を満たそうと思ったら、生物学の体系的な知識を入れていくか、論文なんかで個別事例を漁るか、っていう方向になるのかもしれない……。

 『ハキリアリ』みたいな本がもっとあったらいいんだけど、あんまりないよね、あそこまでの本は……。

 体系的な知識となると、高校の化学も生物もパッパラパーなので、そこから勉強しなきゃいけないと思うんですよね。
 物理も、全くの無関係というわけにはいかないだろうし。
 ミクロの世界の昆虫とか、植物の造形とか。

 でも、いま、経理・総務のことを勉強しなきゃなんですよね。

 いや、本を読む時間を減らせばなんとかなるんですけど……。

 そこらへん、趣味と趣味のバランスって、難しいですよねー。

 でも、「なんとなく全部知ってる話」を何度も読むんだったら、ガッツリ勉強せい、という話で。

 うん、要検討……。



【5〜7冊目】吉田篤弘さんローラー中『それでも世界は回っている』

※1・2巻のみKU対象

 吉田篤弘さんローラ中です。

 で。

 9月。

 なんと、Kindle Unlimited、3冊対象に!!!

 え、マジで狙ったようなタイミング。

 この記事読んでくださってる?

 じゃなきゃ……運命ですか!?

 ということで、「とりあえず読んで!!!」とおすすめしまくってます。

 とりあえず読んで。

 上中下も単巻扱いにしてるんで、今回も三冊ですが、単巻ということで。

 さて。

 いちばんの「青」いインクを求めて、叔父さんと旅にでる主人公の話。

 心の通じ合った女の子を、心につれて。

 ちょっとファンタジー入った不思議な世界観。

 そして、癒される。

 それはもうね、吉田さんの十八番なんで、いちいちかき立てるようなことじゃないです。

 言葉にできない魅力があるので、とりあえず一章読んでほしい。

 そしたら、三冊読み終わってるから。

 で。

 三巻目は残念ながらKU対象ではないので、図書館で借りてきたんだけど。

 吉田さんの本って、装丁がすごく可愛いの!

 手のひらサイズで、夢がたくさん詰まっているような装丁。

 電子書籍では、それ、楽しめないよな……と。

 紙本のメリット、ひとつ、発見。

 これだけ本を読んでいて、まだまだ発見があるの、楽しいし、嬉しい。



 さて、今回はこんなところで。

 皆さんにもいい発見のある読書との出会いを願って。



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