【単巻5冊読書感想㉓】『一汁一菜でよいという提案』『庭に穴ができた』『本当に使える業務マニュアル作成のルール』『星を継ぐもの』『野生ミツバチとの遊び方』
夏バテを乗り切って、なんとか読書を楽しんでいます。
台風7号のお盆直撃が確実になり、予報円の大きさに戦々恐々としつつ、皆様、予定はいかがでしょうか。
ちなみに、わたしは仕事です。
天気だけは如何ともし難いですが、まぁ、そういう時も本を隣に、なんとか乗り切っていきましょう。
というわけで、今回の5冊です。
【1冊目】ちょっと説教くさいかもしれん……『一汁一菜でよいという提案』
図書館で予約してまで借りてきたら、8月にKUになりました。
えぇ………。
そんなこともあります……。
ちょっと遊びに行った帰りに電車で読んだので、なかなかの斜め読みで最後まで。
うーん、結構、思想強めというか、真面目に読んだら説教されている気分になるかもしんない。
料理を全くしない人なので、「え、結局何を買ってきてどうすればいいの?」という気分に。
同じKUなら光文社新書『自炊力』の方がオススメかもしれない。
【2冊目】手放しに面白い!!『庭に穴ができた。ダンジョンかもしれないけど俺はゴミ捨て場にしてる1』
これは手放しに面白かった!!!
あれです、星新一さんの「おーい でてこい」の〈なんでも捨てれる穴〉がガチにあれば、経済界に激震が走るよね、というのをチョー真面目にやった作品になります。
経済知識をしっかり踏まえている作家さんのようで、面白い。
最後は結構駆け足だけど、ジャンルとしてはホラーになるのかな?
結構、描写が淡々としているので、好み自体は分かれるかもしれません。
サーガフォレストなんで、ダンジョンというか異世界系の系列っぽいタイトルになってしまうのは仕方ないかも。
ただ、章タイトル自体はもうちょっとわかりやすくしてくれた方が良かったかも……。
という二点ですかね、気になったところは。
それ以外は、もう、珍しく手放しで面白かったです!!
これ、「1」ってついてるけど、「2」出るんだよねー?
出たら、1巻と購入します!!
よろしくお願いします!!
【3冊目】仕事のための読書『Wordで誰でもつくれる! 本当に使える業務マニュアル作成のルール』
※このタイトルはKU対象ではありません
仕事でマニュアルを作る必要性があったので。
チームを作るほどの人数がいないので泣、そこら辺は参考にできませんが、
実際にWordの機能紹介は大変、勉強になりました。
引き継ぎや、新人への教育などの必要性に迫れて以外にも、業務改善やミス防止、部署間連携にも役にたつ一冊です。
【4冊目】タイトルからして秀逸! 七十年代名作S F『星を継ぐもの』
※このタイトルはKU対象ではありません
学術史のワンシーンを切り取ったような、文字通りのサイエンスフィクション。
淡々と事実の描写だけでも、面白い小説ってあるんだ……。
え?
感動ポイントがずれてる?
いやいやいや。
だって、主人公が宇宙に出るのが最後の百ページですよ。
本の三分の一過ぎてから、地球を出るんですよ?
でも、それでも面白いの!!!
図書館で借りてきたけど、返した時には予約が入ってました。
70年代のSFなのに、いまなお、色褪せない。
ロジック部分が未だに古くなくて、科学関係の本でテンション上げてる読者としては発売当初と同じ興奮を体験できるんですよね。
SF名作にはハズレがないですね〜。
もっとSFも読んでいきたいです。
えーと、積んでるやつから1冊ずつ……。
【5冊目】著者と翻訳者のダブルバッドパンチ『野生ミツバチとの遊び方』
※このタイトルはKU対象ではありません
うーん。
これはですね、翻訳家さんが下手すぎますね。
はい、ここからいつもの愚痴タイムでーす。
ハチを狩るというスポーツの紹介本。
日本では知られていないからこそ、「一般読者は入手困難なので参考文献を削る」前に、タイトルに「ハチ狩り」の文字を入れた方がいいですよね。
蜂の飼育方法ができる以前の人類は、蜂を追いかけて、巣を発見し、巣のある木を切り倒して蜂蜜を採集していたらしい。
だけれど、もちろん、養蜂技術が普及している現代では、わざわざ蜂の巣を破壊する必要性もない。
著者も「巣を見つける」という段階で終わりとしている。
というか、研究のために蜂を追いかけてる方なので、「最後までやったら、流石にこの現代において非人道的じゃね?」という立場です。
ので、「蜂狩り」ではなく「蜂追い」としておいた方がいい。
そういう工夫が、「著者の言いたいことを、そのまま読者に伝える」ことになるはずなんですけどね。
というか、この翻訳者さん……。
「日本には蜂狩りはない」って最後に書いておいて、著者が最初に「養蜂とは違うミツバチとの触れ合いかた」みたいなこと書いてるんですよ。
なんで、用語を『養蜂ハンドブック』だけを参照して見つけようとしてるんすか?
いや、養蜂にないでしょ、蜂追いに関する語彙。
で、なんで、そこで諦めて「自分で造語を作る」っていう結論になるのか。
せめて、プラスでミツバチに関する日本語のレビュー論文をいくつか読んでから諦めてほしい。
で、造語を使うとなっても、せめて初出の時に注釈入れるべきでしょ。
「勝手に造語」してるんだから、日本語訳前の英単語も添えて。
用語リストまで作っておくとなお良いですが、そこまでは求めないから。いやでも、こういう科学系のタイトル、用語リストあることも多いけどね。
で、まだ信じられないことがあって。
参考引用文献を削る。
わけわからん。
なんで、図書としての価値を下げるようなことをわざわざするわけ?
「一般読者は入手困難だから」じゃなくて、「文献の裏どりをする時間がなかったから削りました」あたりが真相じゃないかな。
まぁ、そこらへんの「基本的な翻訳リテラシーどうなってんだ」問題もあるんだけど、
中身の翻訳自体も下手で、一文の意味がすぐに取れなかったりとか、「なんでわざわざそういう翻訳する?」っていうのがあって。
例えば、「〜であろう」とか、「may be」の和訳なんだろうけど、通常これ、である調なら「〜はずである」とかにしない?
「しばらくすれば、ハチの行手が見えてくるであろう」ではなくて「しばらくすれば、ハチの行手が見えてくるはずである」みたいな。
これくらいの短い文なら、別に意味が取れるんだろうけど、文章が結構長くなるとどうしても。
語尾「〜であろう」。
え? であろう? えーと??????
ってなってしまう。
こんな末尾の文章に出会ったの、数年越しとかそれ以上かも知んない、意味がスッと頭に入ってこなーい……。
っていう文章が続くんですよね。
キッツイですわ……。
興味のある生物学系のタイトルで、180ページとかだから、「一時間もあれば読めるな」と思っていたら、何時間かかったと思います?
二時間半ですよ、180ページに。
そもそも、著者さん自体が「同じトピックを繰り返す」傾向があるので、翻訳者さんだけが悪いわけじゃないんですけどね。
「あれ、これ前にも読んだぞ、しかも一回じゃない。これ、三回目、下手したら四回目くらいじゃないか。60ページくらいのハンドブックとして構成した方が良かったんじゃないか、この内容」ってな具合でして……。
ハチ狩りの内容も、餌と箱を用意。花によってきているやつを箱に捕まえる! 餌を見つけてくれたら、仲間を呼んでくるぞ。絵の具で個体識別をしつつ、往復時間を計ろう。ハチの行手を見据えられたら、そちらに徐々に移動し、往復時間が短くなったら根性で周辺の木を探そう。
みたいな感じだし。どんな餌〜とか、どんな箱〜とかはやっぱり、ノウハウだから、情報としては大事だとは思うんだけど、180ページかけてやることと思えない。
というか、マジでハチ狩り促進するなら、ハンドブックの方が良くない?
ハンドブックなら片手に野外へ出れるしさ。
考えれば考えるほど、著者さんにしろ翻訳者にしろ「読者へ伝える努力」が行方不明な一冊であった。まる。
それでは最後に。
皆様の読書ライフの充実を祈って。
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