【単巻5冊読書感想⑯】『恋愛中毒』『15秒のターン』『テントウムシの島めぐり』『鍋が笑う』『全肯定奴隷少女』
さて、今回の5冊です。
今回は、結構、日本人作家が多め。
【1冊目】あー、やっぱりこの作家さん合わないかも……『恋愛中毒』
※このタイトルはKindle Unlimited対象タイトルではありません
『プラナリア』を読んで、全く合わない作家さんだなーと思った記憶が。
2019年の読書なのに、いまだに強く覚えているんですよねー。
同じ作家さんだと気付かずに、文庫版の表紙に惹かれて手を取ったんですが。
短編よりも長編が好きなので、まぁ、面白くない、ってことはなかったんです。
ジム・トンプソンに傾倒した青春時代を送ってきたんですよね、自分。
だから、「最後は破滅だー!!! どう身を滅ぼすんだー?」ってワクワクしながら読んでたら。
救いのある最後だったんですよ……。
こ れ ち が う 。
共感する部分もあったし、続きが気になる展開ではあったんですけど、なんかなー。
うん、やっぱり合わない作家さんなんだろうな。
そういう作家さんも、いるよね。
【2冊目】かつての青春の作家さん『15秒のターン』
※このタイトルはKindle Unlimited対象タイトルではありません
『ほうかご百物語』の感想でも書いたんですが、電撃文庫と過ごした青春時代がわたしにもかつてあったんですよ。
(ちなみに、ジム・トンプソンにハマったのが高校時代、電撃に出会ったのは中学時代です)
電撃文庫magazine「ぐっとくる話」で、峰守ひろかずさんと紅玉いづきさんを知って、双方にハマって。
『ミミズクと夜の王』のあの熱さ。
あれが、忘れられない。
他を読んでも、なんか違うが積み重なる。
なので、なかなか、この作家さんの最近出版されたものは読んでなかったんですよねー。
でも、図書館の書架に並んでる著者名を見て、懐かしくなって。
つい借りちゃった。
うーん。
やっぱり、なんか違うんだよな。
もう亡くなってる作家さんなら、「この時期のは合わないなー」で済むんだけど。
次が出版されるわけで、今度こそ期待に叶うものかもと思っちゃう。
現行の作家さんのこういうの辛いですね。
【3冊目】テントウムシから見えてくるもの『テントウムシの島めぐり: ゲッチョ先生の楽園昆虫記』
※このタイトルはKindle Unlimited対象タイトルではありません
著者さん自体が何をしている人なのか分からない、ところからして面白い。
終盤。
えっ。既婚なの!? という驚きがあったり。
ていうか、Wikipediaに「現在、沖縄大学学長」って書いてあるんだけど。
ええーー!? 嘘でしょ、そんなにエライ人なの!?
さて、一般人(「虫? 苦手だけど……。えっ、好きなのアリエナイ」という標準的な人を指す)が、「可愛い」と思うテントウムシ🐞
けれど、虫を追いかけ回す虫屋にはあまり人気がないテントウムシ。
大学で教育過程で理科を教える著者が、教材としてテントウムシに目をつけ、どっぷりテントウムシにハマっていく……。
面白かったー!!!
一気読みですよ、一気読み。
テントウムシを主題に、自然環境の変化とか、外来種のこととか、世界が広がっていく感じがとても面白い。
生物好き、虫好きだけでなくて、「虫は嫌いだけどテントウムシなら……」みたいな方にも読んでほしい一冊です。
【4冊目】童話的SF『鍋が笑う』
KUのSF小説を探していたときに見つけたタイトル。
古本価格が高騰している、朝日ソノラマ文庫の『鍋が笑う』から、表題作の中編を収録した電子化タイトルです。
ここら辺の事情はあとがきで書かれているんだけど、このあとがきも日本SF文壇エッセイみたいな感じで面白かった。
近未来社会で、「鍋が笑う」からリコール回収してこい、と言われたブラック企業サラリーマンが、喋って動く鍋たちを回収しにいくおはなし。
童話的な、絵本みたいな。
設定はSFなんだけど、どっちかというとすこしふしぎ系のお話。
イラストも再録されてるんだけど、これが、可愛いの。
日本SFはあんまり読まないんだけど、もうちょっと読んでいきたいな〜、と思いました。
ちなみに、KUのSFを探した記事はこちらになります。
【5冊目】ラノベファンタジーで久々にアタリ!!『全肯定奴隷少女 1回10分1000リン』
どういう異世界系だ……?
と、思ってたら。
切り口が面白いファンタジーでした笑
異世界系ではないです。
世界観が、結構、いい。
冒険者の設定からして、結構、独特で面白い。
人の感情、善と悪が具体化してしまうから、それを教会で蓋をして、教会から冒険者がダンジョンに潜り、悪として顕現する魔物を倒し、善として顕現する宝物を獲得する、という。
駆け出し冒険者のレンが、全肯定奴隷少女を見かけるところから始まる。
彼女は、1回10分、ちょっといいランチの値段1000リンで、全肯定してくれる。
どうしてそんなことをしているのか、彼女は何者なのか。そのあたりもちゃーんと描かれてるんですよ!!
いやー……。
久々に読んだよ。2010年以降のファンタジーで面白いやつ!!
でもねー問題がねー。
終わりが「続き読むよな!?」みたいなネタ振ってからのオチなのに。
続きが出てないの!!
あーもう。
そうきますよね。
うん。
やっぱり、完結済みラノベシリーズ読もう。
それでは最後に。
皆様の読書ライフの充実を祈って。
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