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伝説のつるぎ 大熊健司
2024年3月15日 00:16
月明りだけを頼りに、私は極寒の波止場を前へ前へと進んでいった。雨こそ降ってはいなかったが、吹き荒ぶ風はあまりにも強く、一歩一歩踏みしめながら歩みを進めた。始めの頃はあまりの寒さに身震いが止まらなかったが、今となっては最早、寒さを通り越して痛みさえ感じるようになっていた。波止場の先端に到着したところで、改めて辺りを見回してみたが、私以外に誰かがいる気配はやはり感じられなかった。ここら辺は夜釣り