コーチング起業した理由は…『決断の元を取りたかった』からでした。
起業をしようと思ったのは7年前のこの時期でした。
やかましく鳴いている蝉の声が鈴虫に変わり、過ごしやすくなったこの時期が来るといつもあの時のことを思い出します。
今この文章を書いているのは朝の4時。変な夢を見て寝汗びっしょりで起きたので、久しぶりに文章を書いてみようと思います。
『起業』の世界に飛び出す前の話
僕が起業をしたのは、起業をしたかったからではありません。
あの時期の僕は人生で一番と言っていいほど苦しい環境にいました。自分の考えていることを理解してくれる人がいない。誰に何を言っても裏目に出る。
どうして今までこんなに頑張ってきたのに、こんなことになってしまうんだろう。
僕は起業する前、ちょっと特殊な仕事をしていました。スポーツ選手です。会社の名前をつけて大会に出ることが仕事でした。
社会人として「フレッシュマンの立ち振る舞い」を求められながら、同時にプロとして自分のパフォーマンスに責任を持って競技に取り組まなければいけませんでした。
真面目すぎる僕はこの2面性をうまく保つことができなかったんです。
大きなプレッシャーのかかる試合で最高のパフォーマンスを発揮する時のアスリートのメンタル状態は少し特殊なものがありまして。
「世界で一番自分が強い」と信じて疑わない姿勢を持ちつつ、なおかつ背伸びせず、自分のやってきたことを信じ、リラックスをして、自分と世界との境目が曖昧になっていく感覚。
自分が動いているのかはたまた世界に動かされているのかがわからなくなるような、俗に言う『フロー』の状態に入らなければ高いパフォーマンスは出せません。深い集中がもたらす没頭。
僕も何度か経験があります。
社会人アスリートをしている時の僕は心身のバランスが全く取れていませんでした。だから勝てない日々が続きました。
どうしてこんなことになっちゃったんだろう
勝てない自分にどんな価値があるのか。自分を責めるのでもっと勝てなくなりました。勝てなくなったからもっと練習量を増やしました。
そうすると仕事でミスが増えました。「さすがに勘弁してくれるかな」と上司に言われると、もっと辛くなりました。
だからなんとか結果で恩返しをしようともっともっと練習しました。
今度は練習すればするほど下手になりました。自分の動作の良さが消えて、全く動きが噛み合わなくなりました。
そんな状態で試合に出ると、もっともっともっと勝てなくなりました。勝てなくなったので恩師との関係も悪くなりました。
勝てないアスリートの自分に会社がお金を出してくれていることが申し訳なさすぎて、会社の人の前では「今すごく調子がいいんで次の試合はいけそうなんです!」と笑顔で嘘をつきました。
今度は言葉と心が離れていきました。
そして7年前の夏、決定的な出来事が起きました。
指を怪我したんです。
狂気の世界で生きていた
ちなみに今でも関係者は当時の怪我のことを誰も知りません。誰にも言わなかったからです。というか言えませんでした。
あまりに根詰めて練習する僕を見かねた友人がリフレッシュのために連れて行ってくれた川遊びで、ターザンロープに飛び移った勢いで右手の中指が変な方向に曲がっただなんて、言えるわけがない。
もし今度僕と会うことがあったら、右手の中指を見てみてください。少し変な方向に曲がったままになっています。握っても中指だけちょっと浮いてるんです。
なぜなら病院に行かなかったからです。病院に行って診断がついてしまえばまず間違いなく次の大会には出られないから。
曲がった中指をキュッと戻して割り箸でギブスを作って固定しました。怪我を隠すためにグラウンドに行く時はお手製ギブスを外して。
今考えると冷静な判断ができてなかったなと思います。
が、そのくらい追い込まれた精神状態で日々を過ごしていました。
今後一生中指がうまく機能しないことよりも、来月の大会に出ることの方が大事。まさに狂気ですね。
そんな狂気じみた世界に7年前の僕はいました。
いや、この言い方では語弊がある。狂気じみた世界を7年前の僕は作っていました。
全部自分で作ったとしたらどうする?問いかけてきたコーチ
自分で作っていたことに気づいたのは、ライフコーチとの対話がきっかけでした。
「今の現実も全部あなたが作ったとすれば、これからどんな世界を作るかもあなたは選べることになるんだよ」
僕はこの言葉を藁をもすがる思いで信じました。
今の現実は全部自分が作った。なぜ?どうしてこんなに報われない世界を自分でこさえたの?
自分に問いかける日々の中で、僕は自分の幸せについて考えるようになりました。
果たしてこの戦いの日々の先に幸せはあるのか?と。
そして答えが出ました。僕は幸せについて真剣に考えていなかったと。
中学生の時よく聞いていたポルノグラフィティの歌で『幸せについて本気出して考えてみた』という曲がありまして。
僕はこれをやらなくてはいけないと。
僕の場合はここで歌われている「小僧の自分が想像してたより大したことなかった」とは逆でした。
なぜこうなってしまった、と自分を責めても仕方がないので、僕は考えました。幸せについて本気出して。
そして気づきました。
他人の期待に応える人生をやめにしなきゃいけない、と。
僕が起業をした理由
僕が起業をしたかったのは、人生をやり直したかったからなんです。
今まで生きていた場所でこのまま生き続けたら、今まで生きてきた生き方をそのまま死ぬまでやることになると思った。
今まで頑張ってきたこととどこかで区切りをつけないと、そのくらい深い部分の問題だと感じた。
だから新しい自分になりたかったし、そのために必要なのは「今まで手に入れてきた栄光」を手放すことだった。
本当にその考え方が正しかったかどうかはわかりません。
僕はありがたいことにたくさん期待されていたので、「辞めたい」と言ってスッと辞められたわけではありませんでした。
7年経った今でも心に刺さって抜けないような言葉も各方面から飛んできて、その度に「自分の決断は正しかったのだろうか」と不安になりました。
でも、ここで勇気を出さなければ今の状況は一生つづくかもしれない。そう考えると前に進まずにいられませんでした。
もし今日この課題と向き合わなければ、明日になるともっと向き合うことが難しくなるかもしれない。
今日辞めるのは難しい。でも明日辞めるのはもっと難しい。
今はまだ若くて結果も出てないから「結果がでないからって逃げるのか若造めが!」と言われるだけで済むけれど。
もしここで結果を十分に出してしまった後なら「これだけ頑張ってきたのに辞めてしまうの?もったいないよ」と優しく諭されてしまうかもしれない。
僕にとっては厳しくこき下ろされるより優しくされた時の方が後ろ髪ひかれてしまうだろう。
今向き合うのは大変だけど、人生単位で考えたら絶対今が一番イージーなんだ。そしてどうせ向き合わなくちゃいけない課題なんだ。
自分にとっての幸せが何かって。
遅かれ早かれ手放すのなら、そのタイミングは1秒でも早い方がいい。年齢は1日でも若い方がいい。
だったら今しかない。今辞めよう。
そうして10年以上いたスポーツの世界を飛び出しました。当時の仲間にも、世話になった昔の恩師にも、誰にも相談せずに音信不通になりました。
理解してくれるとは思わなかったからです。
そして理解を求めるのも違うと思いました。一人で勝手に「立つ鳥跡を濁さず」を意識した結果、本当に急に消滅した選手になりました。
(あれから7年経って最近は当時のことを知っている人と話す機会がちらほらあるのですが、みなさん口を揃えて「お前!生きてたのか!どこで何してたんだ?!」と言われます。
高校時代の恩師は教頭先生になっていて、「絶対怒らないから連絡ちょうだい」と人伝いに伝言が来ています。本当に怒らないですか…?)
元を取るには『起業』しかない
僕が起業をした理由は、起業をしたかったからではありません。
自分の全てを手放して、手放したものにふさわしい人生を送ろうと考えた時に、選択肢が『起業』しかなかったからです。
もし僕がスポーツ選手を辞めて「他の就職先を探そう」となった場合。
僕はその時勤めていた会社で「引退後は社員としてバリバリ活躍してもらうから研修もちゃんと全部受けてね」と言われていました。
だからもし他の就職先を探すのであれば、当時の会社に「競技者は引退するけどそのまま社員として雇ってくれ」と言った方が100倍マシだったのです。
激しい会社ではありましたがそこでやっていける自信はあったので。全国から180人くらい集まる新人研修でMVPに選ばれたこともあります。
どこに行っても「お、今年の1番の子ね?」と言われるくらいの知名度はありました。
そして僕は長年「スポーツをやるところまでやったら先生になるんだ」と思っていましたが、これもできない。
綺麗な辞め方ができなかったので、もし僕が競技場に残れば周りの先生や僕の教え子に迷惑がかかると思いました。
そして何よりそのまま現場に残れば「手放した」ことにはならない。
中途半端にすがり続けるのは自分が愛した競技にも失礼だと思ったのです。
と、すると。今回の決断で僕が手放したものに『相当するもの』を手に入れようと思うと、結構派手なことをしないと割に合わないわけです。
うーん、どうしよう。俺、何が欲しいのかなあ。
考えました。そして答えが出ました。
『起業』です。
この決断を笑って振り返れる自分はどんな生活をしている?
起業して、仕事や会社に縛られない人生を送って、自分のやりたい時にやりたいことをして、なおかつお金も不自由しなくて、僕のことを好きでいてくれる人とだけ関われる世界。
そんな世界が実現できたら、「あの時手放してよかったな」と思えるんじゃないか。
そんな考え方で「起業しかないか!」と思い立ち、起業をしました。
できそうだからやったわけじゃないんです。決断の元を取りたかった。
今自分がやってしまった取り返しのつかないことを正当化している未来の自分を考えました。
そうすると「起業して自由な人生手に入れるしかないじゃん」と思ったのです。半ば使命感です。
自分の決断を良かったと言えるものにするための。
少し、7年前の僕に語りかけてもいいですか。
7年前のなおとへ
あれから丸7年経ちました。僕の起業生活も8年目です。
なおとくん、よくぞここまで生き残ってこれましたね。あの時の決断の元は十分すぎるほど取りましたよ。
当時のあなたは信じられないかもしれませんが、お前はまりやちゃんと結婚して、来月で2歳になるこどもがいます。
そして2ヶ月後には次の子が生まれます。
驚くことなかれ、今お前は月に20回サウナに行き、1年間で6回関東に遠征に行き、酒を飲むためだけに日帰りで大阪に行き…
お前とキャッチボールをするために飛行機に乗って会いにきてくれる人がおり、北は北海道から南は沖縄まで全国各地にクライアントがおり。
そんなことをしながら得た稼ぎで家族を養っています。
妻に給料も払っています。
そしてお前は毎日飯を作り、こどもと公園に行っています。
児童館に行くたびに職員のおばちゃんから「日頃からこどもと関わっている人の絵本の読み方をしているわね」と絶賛されて気分が良くなっています。
褒められることが好きなところは当時から変わりませんね。
多分今のお前はAndroidを使っていますね。何ヶ月後かにお前はiPhoneを買います。ドラマでしか聞いたことない駅、池袋駅近くのauショップで。
一切のデータ移行をしないまま連絡帳全部リセットして、マーシーとお揃いのiPhone7のプロダクトレッドを分割払いで買います。
そして今僕はiPhone15Proを使っています。15から7を引いたら8ですね。時が経つのは早いですね。
あの時の決断が大きかったからこそここまでこれた、というのはまごうことなき事実です。
23歳のなおと、お前は本当によくやった。よくぞ決断した。決断できるというのは力ですよ。
ちなみにお前の未来の奥さんはこの間こんなことを言っていました。
「私が大事な決断で正しいものを選べたことある?ないでしょ?だから大事なことはあなたが決めてよね」
「私は文句は言うわ。意見はちゃんと聞いて。でも真に受けないで。うちのことは全部あなたが決めて。私は間違うから。いいね?」
『決断力がない』ことをこんなに胸を張って言える人初めて見たァ…という気持ちになっている最近の僕ですが、何が言いたいかっていうと、お前の武器は決断する力だと言うことです。
自分の長所、わかったね?
これからもいろんなことを決めなくちゃいけないと思う。最近もひとつ大きな決断をしました。
でも決断をした時っていうのは、不思議と新しい風が吹くもので。
挑戦しているけれど新しい風が吹かないってことは、何か決断しなければいけないことが、きっとあるんだろうね。
決断してフッ…と吹いた風に乗ってどこまでもいこう。
自分の足で一歩一歩、歩くことも大事だけど。
時には風に乗って軽やかに移動することも大事なんじゃないかな。
語りかけ、終わります。
もしも今、先延ばしにしている決断があるのなら
最後に。こんな文章を最後まで読んでくれたあなたに、せっかくなのでちょっとだけ質問を投げて終わろうと思います。
最近調子どうですか?うまくいっていますか?
うまくいってる?オーライオーライ。調子がいいに越したことはないですからね。そのまま波に乗っていい感じに生きていければ最高ですね。
もしうまくいっていないよって人がいたとしたなら、自分にこう問いかけてみて欲しいんです。
「何か決断しなきゃいけないことを先延ばしにしてないか?」って。
僕は起業の世界でかれこれ7年生きています。人の人生に深く関わらせてもらって、『人生が大きく変わる瞬間』にも何度も立ち合わせてもらっていて。
大きく人生を変える前には、その変化がふさわしいと言えるような大きな決断があります。
なにか決断することを先延ばしにしたまま、人生を変えることはできない…とは言いませんが、僕を含めた僕の周りで『決断を先にせずに大きく人生を変えた人』は今のところ一人もいません。
先に人生を変えて安全な道を整えてから進みたい、というのは人間の性であり仕方がないことだと思うのですが。
でもこの世界の仕組みはそうはなっていないようです。先に決断しないと物事がうまく進まないようになっている。
「起業して稼ぎたい」と言っている人が「実は会社を辞めたかったけど勇気が出なかったんで先にお金が欲しかったんです」というパターンは何度も見てきました。
僕の経験上、ここでの正解は(正解なんてないんだけれど)「先に会社を辞めて生きていく覚悟をする」が正しいように感じます。
実際に辞めるかどうかはあまり問題ではなくて、「遅かれ早かれ自分は会社員以外の生き方をする」という覚悟ができた人から目の色が変わってくる。
覚悟ができていないから会社も副業もどっちつかずになってしまう。行動してイケるかどうか判断する前に、先に決めてしまえばいいんですよ。
辞める日付とか先に決めちゃってもいいですよね。そうすると自分に残された時間がわかるので、「やらざるを得ない」状況を作ることができます。
あのね、人間はね。あなたが思っているよりずっと怠惰なんだよ。
やらなくても困らないことは絶対やらないの。だからね、「やらないと困る」状況を作れる人が、強いの。
僕は自分のビジネスで家族を養っているので稼がないわけにはいきません。そしてクライアントさんに生き様を売ってしまっているので適当に生きることはできません。
もう後に引けないから進むしかない。それが覚悟というものではないでしょうか。覚悟は決断から作られます。と、いうことは…?
決断しなければいけないことにケリをつけましょう。それがなんなのかはあなた自身が一番知っているはずです。
見ないようにしていたものをまじまじと見る作業は辛いかもしれません。ね。いやだよね。
「そんなこと聞かないでよ」って思うよね。「それを言ったら終わりじゃん」って感じるよね。
そう。終わらせる。決めて、断つ。
曖昧にすることも大事だし全てに白黒はっきりつける人生がイイとは僕も思わないけれど、だけど白黒はっきりつけないと前に進めないこともあるんです。
嫌だよねえ。でもさ、今日より来年の今日が幸せだったら、いいじゃん。遅かれ早かれ区切りをつけるならさ、早い方がいいじゃん。ね。
いつか必ず死ぬことを忘れるな、ってね。
これも何かのタイミングなので、この機会に「自分が向き合うべきもの」と向き合ってみてはいかがでしょうか、というご提案でございました。
長々とした文章に最後までお付き合いいただきありがとうございました。何か感じることとかあったら公式LINEで送ってね。文通しましょう。それでは。
またね〜
追記 横浜でオフラインイベント(9/20)をやりました!
いや〜!楽しかった〜!!思い出写真載せます。きてくださったみなさま本当にありがとう!また遊ぼうね〜!!
(今回の写真はゆめさんに撮影していただきました!いい写真をたくさん撮ってくれてありがとう〜!!)
YouTubeでもこのイベントのこと話したよ。見てね
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