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娘の名前をつけるときに考えたこと

僕の名前は「直人(なおと)」と言います。本名です。母は僕に「素直でまっすぐな人に育ってほしい」と願いを込めてこの名前をつけてくれたそうです。僕は自分の名前が大好きです。いつも自分のことを深く見つめ直す時は「自分の気持ちにまっすぐに生きられているか」ということを考えます。

そんな僕にも去年娘ができました。名前は「明莉(あかり)」と言います。呼ばれたら嬉しくなるような名前にしたくて、妊娠中の妻と何度も寝る前に会議をして決めました。出産前にはほぼ「あかり」で決まっていたのですが、実際に生まれてきた子供の顔を見て「あかり顔ではなかったら別のにしよう」と話し合っていました。

生まれたその日は感動の涙でぐっちゃぐちゃだったので「あかり顔かどうか」を判別する余裕はなかったのですが、初めての面会に行った時に「うん、あかり顔だね!」ということで、めでたくうちの娘には「明莉(あかり)」という名前をプレゼントすることにしました。

「あかり〜」と名前を呼ぶたびに嬉しい気持ちになります。なんたって響きがいい。あかりちゃん、と呼ばれるたびに振り向く娘を見ると幸せな気持ちになります。僕たちにとって大切な存在である娘のことを、大切な人たちが「あかり」と呼んでくれる。こんなに幸せなことはないなって思います。

「あかり」という名前の決め手は『音』でした。僕も自分の名前である「なおと」の音が大好きです。「直人」という書いた感じも好きですが、「なおと」という響きが特に好きで、仲の良い人には名前で呼んでほしいです。「おはなし屋なおと」と名乗ったのも正解でした。「なおとさん」「なおとくん」と呼んでくれるからです。自分の名前が好きなのです。だから娘にも呼ばれて気持ちいい名前をプレゼントしたいな、と思いました。

妻とはいつも「名づけ成功したね!」と話しています。何をもって成功とするのかそこの定義は曖昧ですが、僕たちが考えうる全ての名前の中で一番しっくりくる音を3文字に込められたと思います。あかり。これからもたくさんの人から呼ばれて、愛されて、この世界をたくさん楽しんでほしいと思っています。

名前というのは不思議なものです。自分のアイデンティティの核になっていく。親からもらった「なおと」という名前が泣かないように、これからも自分に正直に、素直でまっすぐ生きていきたい。僕は自分の名前が大好きです。

娘にもいつかそんなふうに自分の名前を大切に思ってくれる日が来たらいいな、と父ちゃんは願っています。名前は一生で一番自分に投げかけられる言葉だから。

「あかり」と呼ばれた君が、呼んだ君の大切な人が、幸せになりますように。そんなイメージをしながら父ちゃんと母ちゃんは君の名前を決めました。

娘の名前を一生懸命考えることで、僕も自分の名前がもっと好きになりました。こうやっていろんなことを経験しながら、自分がすでに持っているものの価値を知っていくんだね。育ててるようで育てられてるよ。子育ては学びの連続だなあと思いました。おわり










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