北風を背に受けて 銚子→館山追い風サイクリング
追い風が季節を連れてくる。
ということでロードバイクのオフシーズンだというのに、千葉県・房総半島の北から南まで、寒空の下をずばっと走ってきた話です。
房総半島ー太平洋岸 - ルートラボ - LatLongLab
関東最東端から関東最南端まで走ってだいたい180km。
ちょっと短縮したいなあという時は、最南端付近・房総フラワーラインあたりを走らないようにすると10~20kmぐらい調整できます。でも走ってて一番楽しいのはフラワーラインなんだよね……。
このnoteにしては珍しく電車スタートです。会社から帰宅後、速攻で自転車を担いで東京駅に来ています。冬の日の長さを考えると1日で180km走るなら日の出直後にスタートしたい!=前泊したい!ので、前日に銚子入りしてしまう計画です。
時刻は18時半ごろ。特急しおさいに乗車。
21時前に銚子に到着。誰がどう見ても銚子。わかりやすい。
ここから宿まで自走してしまっても良かったのですが、ちょうど銚子電鉄の最終電車に接続していたので、そのまま乗り継ぎます。
レトロ感がたまらない。
銚子電鉄と言えば、いにしえのネット住民の方は聞き覚えがあるのではと思います。最近でも"月曜から夜ふかし"で「電車の売上よりもぬれ煎餅の売上のほうが圧倒的に高い鉄道会社(煎餅屋が鉄道"も"やっている状態)」と取り上げられていたりしました。
当時の写真。自分もなけなしのバイト代でぬれ煎餅買ったり電車に乗りに来たりしてました。懐かしいのう。よぼよぼ。
思い出に浸ったあと、犬吠駅で下車。本日の宿である犬吠埼温泉ぎょうけい館さんへ。
おそらくほぼ全ての部屋がオーシャンビューという強い宿なんですが、建物の前から関東最東端・犬吠埼灯台を間近に眺められるのも非日常感があってよかったです。(自転車も建物内・エントランス付近で預かって頂いて、良い宿でした。ありがとうございました。)
この日は温泉に入って即就寝。
関東の夜明け。海にちらほら見えるのは漁船かな。
東の空は水平線付近だけ雲がかかっていないという不思議な状態だったので、太陽様は日の出終了と同時に雲へin。
犬吠埼灯台。一般公開されていて歩いて登れる灯台ですが、当然こんな時間に開いているわけもなく。写真を撮ったらさっさと本格的に走行開始です。最初は銚子の市街地を抜けて九十九里浜方面へ向かいます。
九十九里は36kmだった……?
この銚子から九十九里浜方面に抜けるまでの間が、全行程でいちばんアップダウンが激しい区間なので気合で走ります。
防風林がすごい形に。風→→ 車の通行↑↑ で削られた感じですかね。
ほどなく走って九十九里のエリアへ。このあたりは海岸沿いにずっと自転車道があるんですが、どうもネット上の情報を見ていると砂溜まりで路面状態が悪くロードバイクでの走行には適していないように見えたので回避。。
実際こういう看板も見かけたのでちらっと見に行ってみるんですが……
オフロードですね、という。千葉県のサイトを見てみると約60kmほど海岸沿いにサイクリングロードが存在していることになっているんですが、ちょっとロードバイクで走るのは難しそうに見えます。オフロード仕様なら楽しいのかもしれない。
そうこうしているうちに上総一ノ宮を過ぎて山がちなエリアへ。
トンネルが連続して細かいアップダウンが出てくるのがいやらしい。
それと同時に景色がぐっと良くなってきました。九十九里あたりは平坦で信号少なめな代わりに海が見えない道がえんえんと続いていたので、この変化はうれしい。
九十九里の方は例えるなら「微妙な郊外を走り続けるオロロンライン」みたいな虚無な雰囲気がありますね……。楽しく房総半島を走るだけなら、上総一ノ宮駅から出発でも良い気がします。何しろ東京駅から上総一ノ宮まで特急で1時間20分くらいなので、銚子とかよりも圧倒的に近いです。
サーファー多し。
しばらく海沿いを走って、タンタン麺と朝市で有名な勝浦に到着。せっかくなので400年以上続くという朝市の沿道をのぞいてみます。
残念ながら時間帯が悪かったのか、お店は出ておらず閑散としていました。
実は数年前に房総半島を走ったときに勝浦で一泊しているんですが、その時はちょうど年の瀬の繁忙期?で、正月飾りやお餅、野菜などを売るお店がたくさん出ていたので本当にタイミングによるんだろうなーと思います。
何やってんだろこの人(2014年の自分)……。
とりあえず勝浦をぐるっと周ったあと、再び南下を開始。
と思ったんですが、すぐにこの看板を見つけて急減速。そうだ。旨い魚が食べたい。
海鮮丼。地元の漁港から直接仕入れたお魚を使っているそうです。景色抜群の席で、美味しくいただきました。
今度こそ南下開始。ちょうど空も晴れ間が多くなってきて、海沿いの楽しいサイクリングといった雰囲気がにじみ出ています。
坂が少なくなってきたなー、と感じたころにフラワーライン入り口に到着。今回のルートで一番の快走路が始まります。ちなみにここでフラワーライン側に入らず道なりに走ると館山方面へショートカットできちゃいます。
沿道にソテツだかヤシだかが植わっていて南国風味。
車も少なくて走りやすい道をしばらく行くと、遠くに灯台が見えてきました。関東最南端・野島埼灯台です。
東京湾の目印になる大切な灯台で、明治2年に運用を開始したそうです。
最南端。旅行する人はなぜ端っこが好きなのか。
目的地に到着して日も傾いてきたので、ささっと館山まで走ってしまいます。
館山の市街地に入って、もうそろそろ駅かなーというあたりで「ピーナッツソフトクリーム」という大きな看板を発見。そういえば千葉名物っぽいもの食べてなかったしソフトクリームが美味しそうだし、ということで方向転換。今回はよく看板に誘われますね。
なぜひと口食べる前に写真を撮っていないのか。ピーナッツの控えめな甘みと香りが絶妙な美味しさでした。
こちらのお店は店頭にロードバイク用のラックがあり、実際何人かロード乗りの人が休憩に立ち寄っていたので「サイクリング中の人ウエルカム!」なのかもしれません。まあ、自分も実際ソフトの看板に吸われたしね…。
寄り道を経て館山駅到着。ギリギリで特急が出てしまった時間だったので、駅前のバスのりばから高速バスを使って帰宅することにしました。
チケット売り場の方も心得ているのか、スムーズに自転車・手荷物料金について案内いただき、「バスには1度に4台まで自転車が乗せられます(あふれた場合は乗せられません)」と解説してくださいました。
4台はなかなかシビアなので、複数人で走る時は特急利用を前提にした方が良いかもしれませんね。
冬の短い日を最大限活用した房総半島縦断サイクリングでしたが、長距離走ることにこだわりがないなら、館山周辺にピンポイントで遊びに来るのでも楽しいと思います。
何しろ、このルートを冬に走ることの最大のメリットは「常に北風=追い風が吹いている」というところなので、冬場にとにかくいつもより楽に長距離を走りたいという時(どんな時だ)に全力でオススメです!
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