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鬼滅の刃聖地・東京の秘境、奥多摩サイクリング

「お前も自転車 (ロードバイク) 乗りにならないか」
「ならない」
「見れば解る お前の自転車 ママチャリだな
 そのチェーン 削られている 交換の時期が近い」

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奥多摩~丹波山温泉 - Ride with GPS

はい。ということで、今回は鬼滅の刃主人公、竈門炭治郎の実家であり1話の舞台のモデルになったと言われている東京都の西端・奥多摩にある雲取山周辺を走ってきました。
JR武蔵五日市駅をスタートして、都内のロードバイク乗りの間では超有名な「檜原都民の森」までひたすら登ったら、ざっと下って多摩湖に到着。雲取山の麓にある丹波山温泉で汗を流して、そのままJR奥多摩駅でゴールというコースです。

RidewithGPSだと獲得標高2365mとか言ってますがGarminの実測だと1800mくらいだったので、登りも常識的な範囲に収まっていると思います。


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お昼近くにJR武蔵五日市駅に到着。都心部からだと快速で概ね1~1時間半ぐらい、中央線の立川駅で乗り換えてからが長い。

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土日休日ともなると、イベントでもやってるのか?というぐらい大量のロードバイク乗りが集結している駅前ですが、この日は平日だけあって閑散としていました。

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↑ある日の武蔵五日市駅前。本当にロードバイクだらけです。

さっさと輪行をといたら走り出します。

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檜原街道をひたすら西へ、まずは都民の森を目指します。周囲を山に囲まれてのどかな雰囲気ですが、駅が近いだけあってまだまだ人里です。

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分かってはいたんですが、春先に何かと話題になる"あの木"がすごく多いですね…心持ちか、空が黄色く霞んでいるような気がしてきます。恐ろし。


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檜原村の中心部を過ぎると、急に山が深くなってきました。

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梅の花。シーズンですね。

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こちらは蝋梅。

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集落と集落の間隔もだんだんと長くなっていき、集まっている家の数も少なくなってきます。

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田舎の味とは…。

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かんづくり荘。築300年の古民家を使った宿だとか。お蕎麦が美味しい。



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数馬という集落を過ぎたところで、唐突に奥多摩周遊道路の看板が出現。まったりライドはここまで、本格的なヒルクライムの幕開けです。

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盛り上がって参りました。

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今まで周囲を囲んでいた山々が少しずつ視界の下へと移っていきます。この日の最高気温は都心部で22度と4月並の暖かさだったので、ペダルを踏むとがんがん汗が出てきます。楽しい。

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ヨシ!

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檜原村の中もそうでしたが、林業や材木系の工場が非常に多いです。特産のひとつなんでしょうか。杉の木を中心にばんばん切ってもらいたい。

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奥多摩の山々が遠くまで見渡せます。

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都民の森到着ー。この日は休館日だったので目の前をスルーしましたが、美味しいお団子が食べられる売店やレストランの他、木工や野鳥の観察ができるイベントスペースもあったりします。炭焼きの体験もできるので、あなたも今日から炭治郎です。

雰囲気的にここが頂上なのでは?と錯覚してしまいますが、実はもう少し登りが続きます。気をしっかり持って走っていきましょう。

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都内の道路唯一の1000m超え地点だけあって、残雪が見られます。おおざっぱに計算すると麓より5度ほど気温が低いはずなので、日陰に入るとさすがに寒いです。

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風張峠に到着!標高1146m、都内の道路最高地点なわけですが、小さな碑と小ざっぱりとした駐車場があるだけです。
ここから奥多摩湖まで、500mほど一気に下ります。

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あっという間に奥多摩湖の湖畔へ。

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湖の向こう側に見えるのが鷹ノ巣山~雲取山の山系、鬼滅の刃聖地ですね!(ずいぶん漠然とした聖地だ)
炭焼きの仕事はそれほど集落から遠くないところでやるはずなので、劇中の描写を考えても、意外とこのあたりからすぐ先の山の中が「炭治郎の家」な気がします。

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そんな雲取山方面を右手に見つつ、まずは国道411号を甲府方面へ。こんな山の中で「青梅街道」って書かれるとなんか違和感がありますね…都内で青梅街道って言ったら超交通量の多い大通りのイメージですし。

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湖岸の山に張り付くように広がる集落。迫力があります。

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雲取山登山口。炭治郎が炭を売りに来ていたのは宿場町のようだったので、もしこのあたりから山に出入りしていたとすると、西へ向かって山梨県は丹波宿か東に向かって東京都氷川宿、とかでしょうか。今は奥多摩湖に沈んでしまっている温泉街(鶴の湯温泉)もあったはずなので、意外とそのあたりかもしれません。

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こ、これはただの市松文様と麻の葉模様の幟だから…何も関係ないから…!

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丹波川沿いの道は川沿いというよりも「川近くに高架を通した道」のようになっていて、意外と登りとアップダウンが多めです。

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少し山側に目をやるだけで分かる山の深さよ。

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第 一 村 人 発 見 。

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無視されました。


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約10kmほど走って、道の駅たばやまに着きました。自転車ラックが5箇所ほどあったので、かなり自転車フレンドリーな道の駅ですね。
昼ごはんを食べずにぶっ続けで走ってきたので、たまらずレストランへGo。

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鹿肉カレーに鹿ゴロッケをパイルダーオン。(このネーミングはゴロっとしたコロッケだから…?)シンプルに美味い。ちょっとかために炊いてあるご飯がカレーによく合う。
どうやら猟の状況によって鹿肉の入荷に変動があるらしく、自分が立ち寄った時は"鹿そば"が欠品になっていました。

カレーでお腹を満たしたあとは、もう一つのお目当てである温泉へ。道の駅から吊橋を渡った対岸側にあるという、なかなかアクロバティックな立地。

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この建物近くにも駐車場・自転車ラックがあるので(写真左下)、盗難が心配な場合はロードバイクで直接こちらに走ってきてもいいかもしれません。

ちょうど15時の5分ほど前に券売機でチケットを買おうとしたところ、フロントの方から「あと5分待ったほうがいいです!300円引きになります!」とアドバイスをいただけたので、入湯料は600円でした。ご親切にありがとうございます。

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お湯の方は、広々とした大浴場にしっかり露天風呂まであって、何より空いていたのが最高でした。奥多摩エリアだともえぎの湯や瀬音の湯が有名ですが、芋洗い状態だと休むものも休めないですしねー。
商売っ気がないのは若干不安でもありますが…。

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風呂上がりにバニラソフト。うまい。うまい。

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売店で鬼滅グッズも売ってました。ご当地キャラだからね!!


温泉で汗を流し終えたら、陽が落ちないうちに帰路につきます。

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日没時刻よりも早く太陽が隠れてしまい「空は明るいけど周囲は暗い」という山の中特有の状態になります。この陽の光の貴重さと少しの恐ろしさは、本当に街中とは別世界だなと実感してしまいます。

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すごい地名だ。

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再び奥多摩湖に戻ってきました。比較的開けた場所だけあって太陽の光がまだ届いています。ここまで来れば、ゴール・奥多摩湖駅はすぐそこです。

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と、ここで意外なものを発見。多摩川の上流端、ということは事実上多摩川の起点でしょうか?ここから101km先に羽田空港と大鳥居があるんだなーと思うと、なんだか感慨深いものがあります。


ここから奥多摩湖駅までは橋とトンネルの連続地帯です。短いトンネルが多いとはいえ、これだけ連続するとライトはつけっぱなしが安心。

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峰谷橋。

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夕陽が山を照らして、深い影が作られています。

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大麦代トンネルを迂回して湖岸側を走ると、小河内ダムの本体が一望できます。大麦代トンネルは長いうえにずっと坂が続くので、自転車なら小河内ダム・水と緑のふれあい館側の道を走るのが無難ですね。

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ひたすらトンネルを抜け終わったら、JR奥多摩駅に到着。まさに「人里に戻ってきた」感じ。駅前で輪行袋にセットしたら、1時間に2~3本の電車に乗って家路につきました。

都心部からちょっと足をのばすだけで、街中とはまったく違う空気が流れている奥多摩。聖地巡礼とあわせて、ショートトリップにおすすめです。
ちなみに国道20号線と違って「走っているのは土木用のトラックかスポーツカーか、バイクか自転車か」みたいな状態なので、都内から甲府・山梨方面に自転車で走りたい時はこちらの方が走っていて楽かつ安全かもしれません。

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