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映画『グリーンブック』【感想・レビュー】

ようやく重たい腰を上げて、
映画感想文1発目を投稿します(´-`).。oO

本日、2度目の映画『グリーンブック』を鑑賞しました。

〈※参照:予告動画〉


初めて観たのは去年の秋頃だったかな?
面白い映画を探そうと、
定期的に映画の予告をチェックしているのですが、
関連動画で流れてきた予告動画を見て、
この映画の存在を知りました。

あらすじをざっくり一言でまとめると、
「不器用なおじさん2人が世の不条理に立ち向かう物語」
かな〜(´-`).。oO

学生時代にアメリカの歴史や文化を
マイノリティーの視点から学んだことがあるので、
当時を思い出して内容が批評に寄ってしまいそう。。

今回は、この映画の好きなポイントに的を絞って
感想を綴りたいと思います。
(※ネタバレを含むので、まだ観てない方はご注意ください。)

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①シャーリーの揺らがない信念

この映画の核となるのは間違いなく主人公シャーリーの生き様だと思います。人種差別が色濃く残る時代に、天才ピアニストとして孤高に活動を続けるシャーリーの強さにもう感服です。その反面、彼のセクシュアリティーや繊細な性格を踏まえて考えると、耐え難い孤独を抱えていたことでしょう。涙を浮かべながら、傷跡を隠すシャーリーの描写でわたしは涙腺が崩壊してしまいました。。もしかすると孤独がシャーリーを強くさせていたのかなあ、なんて思ったり。トニーがカッとなって警官に暴力を振るってしまい拘束された際のセリフがとても印象に残っています。「暴力は敗北だ。品位を保つことが勝利をもたらすのだ。」何があっても自分の信念を貫いて誇り高く生きるシャーリーにわたしは勇気を貰いました。

②世渡り上手なトニーの差別意識の変化

高級クラブの用心棒として数々のピンチを切り抜けてきたトニーは、とにかく処世術に長けた人物だとわたしは思います。映画の冒頭で、配管工事に来ていた"黒人"の2人が使ったコップをトニーがゴミ箱に捨てるシーンがありましたが、明らかに彼らを揶揄していた友人と比較すると、トニーの差別意識はあくまで彼なりの処世術のひとつのように感じました。そんなトニーですが、シャーリーと共に旅を続ける過程で、理不尽な差別を目の当たりにします。いつものようにうまく切り抜けようと立ち回るトニーでしたが、時間が経つにつれてシャーリーとの友情が芽生え始めます。シャーリーが自ら意図して南部でのツアーを決めたことを知り、トニーの同行者としての意識がそこから少しずつ変わっていったような気がします。2度目の拘束の後、同じくマイノリティーとして生きる自分の思いをぶつけるトニーでしたが、初めて本音を露わにしたシャーリーに対して言葉を失ってしまっていました。自分の大切な友人の置かれる状況に居た堪れない気持ちになり、そこで改めて自らの差別意識を再認識したのではないでしょうか。現代の日本に置き換えても、処世術としてトニーと同じように差別的な発言をしてしまうことは少なくないと思います。自ら発する言葉に責任を持ちつつ、わたしは自分の心の声を大切に生きていきたいと強く感じました。

③ドロレスの寛大な心

トニーの奥さんであるドロレスですが、映画の冒頭で配管工の2人に好意で水をあげていたのも他ならない彼女でした。共通言語であるイタリア語で彼らを揶揄するトニーの友人達などお構いなしに、真っ直ぐな心で向き合うドロレスの清さたるや。。シャーリーのツアーへの同行が決まった直後は、正直トニーの身を案じて不安だったことでしょう。実際に何度も危険な目にあっていたので、命に関わる事件に巻き込まれていてもおかしくありません。気丈に振る舞っていた彼女ですが、トニーが無事に戻ってきてくれた喜びは計り知れません。また、クリスマスのディナーでシャーリーのことを揶揄う友人に対し、トニーは面と向かって差別的な発言をやめるよう指摘します。その後に見せた彼の勇気ある発言を後押しするかのような振る舞いがとても印象的でした。思いを言葉にするだけでなく、行動で示すことのできる人間でありたいと改めて思いました。

〈 完 〉                                      
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やっぱいい映画だよな〜(´-`).。oO
そしてこれがまた実話を元にした話なんだよね。。
エンドロールでその後の2人を想像して泣いてしまいました。。

人種差別をテーマに扱っているということで、
もっと重たい内容を想像していたのですが、
コミカルな描写もあり、楽しく観ることができました。

そして何より、登場人物の心情の変化が
とても繊細に描かれていて、
作品の世界観に引き込まれる映画だとわたしは思います。

言うまでもなく、
この先何度も見返したい映画のひとつです。



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