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本屋が減った香港 日本とは違う事情

今日は私が住む香港で感じたことを書いてみようと思う。
まず、世界中で本屋というものが減っている。
本を読みたければAmazonで買えばいい、Kindleで読めるから本屋に行く必要はないという人も多い。私の知人のアメリカ人はAmazonのKindleの読み放題で毎日一冊新しい本を読んでいると話していた。

私も香港で日本語の本を読む時はKindleで済ませている。日本に一時帰国しても本屋で軽く話題の本を見るだけで、後でKindleで買ったりすることがほとんどだ。
正直日本で本屋が減ってもKindleがあるから別にいいと思っているくらいだ。(一部電子書籍化されていないものや学術関係の本は一時帰国時や日本人の知人を介して買ってもらうことはあるが、それも本屋ではなくAmazonで買うことが多い)
実際本が好きという人の中には私のように本屋に行かず電子書籍で済ませている人もいるのではないだろうか。

が、私が住む香港は少し事情が違う。
日本でも報道がされていると思うが、香港も少しずつ「中国化」されており、数年前まで比較的自由出会った香港も締め付けが強くなっており、本屋だけでなくネットや報道も規制されるようになった。
当然、本や雑誌もそれなりの圧力があり閉店に追い込まれた本屋もたくさんある。日本でもネットのニュース記事になったほどだ。(香港では報道されていないが、それだけ報道も規制されているということだろう)

そんな話があるか、と思われるかも知れないが、香港はここ数年で中国化が進んでおり中国の中の香港になってきている。
アジアの金融センターともいわれ、香港には世界中な企業のアジア拠点になってきたが、撤退が相次いでいる。
インターネットでも規制があり、日本でもおなじみのTikTokは香港では使えなくなった。LINEはかろうじてまだ使えるがいつか使えなくなる日が来ると思う。

そんな香港で起こっているのは言論の自由や報道の自由が脅かされ、外国の書籍が簡単に手に入らなくなってますます中国化しているということ。
その結果、圧力をかけられた本屋は閉店に追い込まれていること。
ネットの規制でそのうち電子書籍で自由に本を読むこともできなくなるかもしれないということ。

日本では本屋なくても別に困らないと思っていたが、香港では本屋が減ることで少しずつ窮屈な世界に閉じ込められようとしているのが垣間見える。
完全な中国化されれば、私も香港人の主人ももう香港にはいられないと思っている。
日本のように本が売れなくて本屋が潰れるならまだいい方。単純に日本の本屋というビジネスが時代にあっていない。
しかし香港は本屋というビジネスにも政治的な圧力がかかっていて、好きな本を読むことも、自由に本を出版することすらできなくなってきているのだ。


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