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不思議な話・・・夢。part2

前回の続き・・・。

ありえない事実

季節は夏。水面に照らされる光はまぶしいほどに輝き、風は心地よく吹いて、森は清々しいほどに緑だった。普段町中に住んでいるせいか、全てが爽やかに感じた。
神社の鳥居が見える階段から見上げた時、嫁が言った。

”ここだ。この階段の上の鳥居に赤い服の女性が私を待っていた。”

一瞬、この先に本当に待っている人がいるかもしれない・・・。と心に期待と不安がよぎる。

階段を踏みしめるように登ると、徐々に神社の境内が姿を現す。

”・・・。間違いない私はここにいた・・・。”

その神社はそこそこ名の知れた神社なのかもしれない。寂れた雰囲気はなくきれいな境内、社務所には人もいる。参拝客も数人おり、社も大きく立派だった。しばらく嫁はブツブツ言いながら境内をあちらこちら歩き回っていた。しばらく声はかけない方が良いと思い、私は私で行動した。

神社の境内からは山々が見渡せ、眼下には先ほど訪れた川がよく見えた。

すごく心地よい・・・。夏の暑さに心地よい風が吹いていた。

しばらくして嫁は私に近づき、

”この神社は元々あの川にあった筈だ”と言った。

お参りを済ませ、社務所に向かい宮司らしき人から声をかけられた。

”どちらから?”

正直にここに来た事情を話した後、恐る恐る聞いてみた。

”あの~この神社って元々下に流れている川にありましたか?”

”あー案内読みました?”

”・・・・。”

この神社は元々下の川に立っていたらしい。ダムの建設の為、神社は今の山の上へと移動されたそうだ。ダムの建設の際、村がダムの底に沈み、多くの方が亡くなったと知る。

勿論嫁は神社の境内も知っていた。どこに何があるのか。

何か縁のようなものを感じ、また不思議な気持ちになった。

余談だが後日、私たちは2回この神社に来ている。
1回は嫁がもう一度行きたいと言い、
2回目は息子が、”夢でこの神社の川で龍を見た”と言ったからだ。

2回目に行った際、私たちは神社本殿の中に飾られている、龍の絵を見た。

言うまでもなく、息子が見た龍の夢のその龍だった。

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