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お年寄りの食べるを考えろ

こんにちは!
埼玉県で介護福祉士をしている大西です!

今回のテーマは「お年寄りの食べる」

今自分が現場で働いていて、考えさせる機会が多くあります。

その中でも、「食べる」という事の難しさを感じています。

もしかしたら介護の中で一番難しいんじゃないか?

そんな食べる事について書いていきます。

それでは第23弾、よろしくお願いします。



その人にとっての食べるとは?

食事を摂る、しっかり食べる事が出来る人にとっては日常的な行動ですね。

食事を前にして、口に運んで、よく噛んで、飲み込む

僕たちが自然にやっている流れですよね

食事介助になるとどうでしょう?

基本的な流れは変わらないはずですが、やはり大きいのは「人による介助」が必要になっているところ。

僕たちは自分のペースで食べたいだけ食べれます
(当たり前ですよね笑)

でも食事介助ではこれが当たり前ではありません。

本当難しいです。

その人にとっての「食べる」を考え続けなければなりません。

その人にとっての「食べる」とは?

「栄養」として?
「楽しみ」として?

「生きていく」為には食べる事は大切で切っても切り離せないですよね。

一つの例を通して「食べる」という事を考えていこうと思います。



言葉が全てではない

ある一人のお年寄りがいました。

僕が出会った頃は一人でしっかり食べていましたが、ある時期から食事を残すようになりました。

「もう食べないの?」

「???」

「ひと口食べてみる?」あーん

「美味しいねぇ」

食べさせてみると、食べるのです。

僕たちは「食事が認識出来ていないんじゃないか」と考え始めました。

それでも促してみたり、手に持ってもらったり、会話したりしながら、自分で食べるという事を良しとしていました。

そして、一時体調を崩した事があり、ますます自分での食事が減っていきました。

段々と、食事を介助する事が増えてきました。

『出来ない』事が増えて
『手伝う』事が増えて

本人の「食べたい」が減っていった気がします。

余裕の無い介護現場。

意思の疎通は「食べるか、食べないか」

そのうちその人は、嚥下は悪く無いのに固形物が口に入るとえずいたり、吐き出したりするようになりました。

食事形態はミキサーやソフト食に。


これは『僕たちがその人の食べたい』に気づけなかったからだと思います。


その人は何を聞いても「大丈夫よ」

と言います。

家族に好きな食べ物を聞いてもなんでも食べる人だった、と。

しばらく、飲み物は飲めて、ミキサー食やソフト食を食べれるだけ食べる、という生活が続きました。

口に入って来た物を噛まずに、転がすようにして飲み込む。

すんごく嫌そうな顔するんです(笑)

そりゃそうだよね、美味しいわけがない。

僕、基本的にはペースト否定派なんですが(もちろん状態による)
自分に出来ること、発信出来ること、また考える事が足りていなかった事。


今考えると本当に悔しいです。

更に食事の摂取が少なくなって来た時、改めて「食べる」という事について考えてみようよ、と発信し始めました。

故郷の味やハッキリした味が良いんじゃないか?
漬け物とかは?

なるほど、なるほど。

僕は夜勤の時にこっそり山形の「だし」やタクアン、野沢菜などを持って来ました。(その方は山形出身で漬物が好きらしい)

ちょうどその人はお部屋食の指示があり、僕は「ラッキー♪」と思い、そそくさとお部屋にミキサー食と漬け物たちを持っていきました。


一つずつ見せながら「たくあんだよ」「だし買って来たよ!!」

食べてみる?

そうだねぇ

ほい、あーん

ううう〜ん、辛いねぇ(笑)もぐもぐ

あ、ごめんごめん(笑)おいしくない?

美味しいよぉ〜!

そっか、よかったー!!

主食はミキサーでしたが、今まで固形物は食べれないと言われてたひとが、もぐもぐ噛んで食べたんです(笑)

すっごく感動しました。

また食べれる可能性があるんじゃないか?


その人は今は入院していますが、深く考えるきっかけになりました。


僕達はもっと考えなければなりません。

その人の言葉の意味や、感じている事を。

お年寄りに出来ることを一つ考えた、きっかけとなる話でした。


今回も読んで頂いてありがとうございます!!

また次回もよろしくお願いします!

未来を創る介護福祉士 大西



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