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タコハイ片手に異次元育児へくだを巻く

長女のブーが結婚式のビデオを持ってきた

馬子にも衣裳。何は無くとも笑顔
こいつはやたらとビデオ映りがよい

次女のフー曰く
「こんな笑顔できないっ!絶対にひきつっちゃう!」
「もう結婚式なんて出来ないっ!」

…まずは相手をしっかりつかまえないとね

長男のウー曰く
「おいらもミラコスタで結婚式しよう~」

…まずは働いて稼がないとね


こんな平和な毎日が流れているけど、ブーが生まれたときはヒヤヒヤだった

出産に立ち会ったおおかみ、ブーが出てきたら
「ぎゃあぁ~」
と泣くものだと思ってた

お医者さんがコクヨの事務バサミみたいなんで、出口を「パチン!」と切る
すると一気に、にょろろろんと、まみどりなブー爆誕

おジャ魔女ドレミのマジョリカみたいに、緑でまんまるだった

けど、泣かなかった

看護婦さんが慌ててあかちゃんベッドに移し、背中をドントンドン

記念すべき、この世での第一声は

「エロゲロエロ~」

…おもいっきり吐いてた
おおかみの脳裏に、タコチューハイで二日酔いの悪夢がよみがえる

そして吐き終わると、弱々しく泣きだした
泣いたら顔色が、パァッと真っ赤になった
タコなのよ、タコ。お湯に入れるとパァッと赤くなるタコのように

タコが言うのよ、へその緒が首に巻きついてたって
今でこそ笑い話だけど、酸欠で障害とか残っていたら…

おおかみ家は運よく、ロト7きゃりーぱみゅぱみゅで10億円くらい運よく、五体満足なこぶた3匹を授かった

とはいえ、何もなかったわけじゃあない
ママぶたは死産と流産を経験してる

死産のときはエコー画像で背骨の周辺に異常が見受けられ
「産まれてきたとしても、障害を背負っていたかも知れない」
と医師に告げられた


ママぶたの妊娠中、いろいろなことを考えた

その中の1つが
「あかちゃんかママのどちらを助けますか」
という究極のシチュエーションだ
マンガやドラマの見過ぎカモしれないけど…

妊娠前、おおかみは「絶対にママを助ける」と決めてた
あかちゃんは次があると…

けれど、エコー写真を見て、心臓が動いているのをみて、考えが変わった
「このあかちゃんは、世界で1人だけのあかちゃん」
という当たり前のことに気づいた

そのくらい、親になる前のおおかみはタコだった

そして気づいたら、どちらも選べなくなった
究極のシチュエーションが訪れずに、本当にたすかった


あと、「出生前診断」

当時は太い針をブッ刺して羊水をとる、という物騒な方法が主流だった
でもそれで助かった。迷わず診断しないことに決められた

決めると、不思議なことに覚悟らしきものができた

今のように血液だけで…とかだったら、当時のおおかみだったらやっちゃったかもしれない

今のおおかみは絶対にやらない
知ったところで結論は一緒

こんな悩みが発生する要因の1つは、障害児が生きにくい社会であることだろう
障害児が小学校に受け入れられないニュースを見たりすると、苦しくなる

公の機関、義務教育の現場でそんなのありか?
補助の教員の予算ぐらい…議員でも何でも無駄を削れば…


世間知らずなタコおおかみですら、この程度は考えた
かしこい人々は、もっともっと思い悩むだろう

こどもを持つことの不安の種は、お金以外にも山ほどある


出産一時金や児童手当を増やすことを「異次元の少子化対策」という人がいるらしい

い‐じげん【異次元】
①異なる次元
②日常的な空間と異なる世界

広辞苑無料検索より

次元どころか、「お金」という同じベクトルを大きくすることが異次元?
しかも「出産費用」という逆方向のベクトルが大きくなることで、ほぼ相殺されたり…

こどもをつくることの不安はお金という1次元だけじゃあない
生まれくるこどものことを考えたら、それを心配する親のことを考えたら、他に何次元でもあるだろう


「おむつは保育所で処分」を厚生労働省が推奨したのは、いちおう別次元かな

たしかに、お金とは別の保育ベクトルだけど、すんげぇマイナスをちょっとプラス方向へ動かしただけ。まだまだ超マイナスだ
少なくともプラスのベクトルにしないと、異次元政策の1つとは言えない

保育士1人あたりのこどもの数を半分にするくらいは、サッサとやらないと

今の基準じゃあ、安心してこどもを預けられないことは、子育ての経験のある大人ならわかるだろう


子育ての次元はたくさんある
その次元で構成される空間上のベクトルも数多あまたある

「お金」ベクトルだけを論じて「異次元」って…言葉の遊びにしても、こどものほうがセンスあるよね

こどものほうが、よほど気の利いた、キラキラしたこと言うよ

梅の季節♪

うちのこぶた達はみな、声がムダに大きい

電車の中で
「どうしてみんなねてるの~!」
と叫んだり…

狸寝入りの人々がいっせいに”ピクッ!”と動いてたな

年配の、気難しそうな寿司屋の職人さんに
「まじぃ~」
と真顔で訴え…

お子様サービスで、ご飯にイクラをのっけて出してくれたのにな

温泉では
「あ~!からだに絵がかいてある~!」
と感動し…

幼児なりにヒジョーに的確に状況を言語化してる

親は、もう、「タコがねぇ~言うのよ」と、遠い目でM78星雲に思いを馳せるしかない

あ、キラキラではないか…
キラキラなのもあったんだけどなぁ~

温泉でて、タコハイ飲んだらぜ~んぶ忘れちゃったよ♪


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