『古今和歌集』でAIアート㉛〜よみ人しらず〜
訳:更級の姥捨山に照り輝く月を眺めていると、どうにも心を慰めることができない(引用:『100分de名著 古今和歌集』 渡部泰明著 NHK出版)
「月の光でざわめく心」という詠み手の心情に触れたときに、真っ先に出てきたのが「影絵風の絵」という発想でした。
静かだけど、押し寄せてくるような悲しみ。
月があまりに明るくて美しくて、居ても立っても居られなくなるような衝動に駆られている人を描こうとしたら、あらゆる配色が雑音になるような気がしたんです。
なので、なるべく月がはっきりと綺麗で、そして衝動に駆られて走る男の姿が映し出されているこの絵は、イメージにぴったりです。
どうにも堪えきれない思いを迸らせながら走る彼は、足元の山肌に足を取られて思うように前に進むことができません。
それが彼のもどかしさを増幅させ、さらに気持ちが急いてくる。
それでさらに足を取られていく。
星の光は彼の流す、汗か涙か。
明るい月だけが、彼を見ている。
「影絵風の和歌絵」いいですね。光で影を落とすことで描かれる影絵と、三十一文字で世界を表現する和歌とは、ひょっとして相性抜群かもしれませんね。
今日の絵の「レシピ」です。
影絵のような絵、大きな月が左上、小さな山が左下、小さな星が散りばめられている、慌てながら走る男の後ろ姿
A silhouette-like picture, with a large moon in the upper left, a small mountain in the lower left, and small stars scattered throughout, showing the back of a man running in a hurry.
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