予防接種を打てなかっただけなのに泣いた

今日、娘の予防接種を受けに行ったのだけれど、結果的に受けられなかった。帰り道、ベビーカーを押しながらバレないように泣いた。

何があったのか、記録としてnoteに書いておこうと思う。

はじめに前置きしなくてはいけないこととして、
「私は器用な方ではない」「今回のことは自分のせいだ」という前提がある。あくまでも自分の心をスッキリさせるために書く。

まず、私は最近東京に引っ越してきた。引越しの片付けも、今までなら2~3日で終わっていたものが、娘といっしょに生活しているだけで半月近くもかかってしまった。

ようやくもろもろの役所の手続きも終えて一息ついたときに、
「あ、予防接種行かなくちゃ」ということに気がついた。

1歳を超えたら打たなくてはいけない予防接種がいくつかあるのを忘れていたのだ。

慌てて近隣のクリニックを探して電話したけれど、前回打った分の途中から予防接種の計画を一緒に立ててくれるところは見つからなかった。前に住んでいた地域では、すべてクリニックのスタッフの方々が親身になって一緒に計画を立ててくれたのでギャップを感じたけれど、「途中からだと難しいのか…」と納得して、次に打つ予防接種は自分で決めて予約した。

これが先月頭のことだ。

それから少しして予約日になり、娘を連れて初めてそのクリニックに行った。けれども、前の乳児検診が長引いているということで1時間半くらい待つことになり、家からクリニックが離れている私は、娘の晩ごはんの時間が近づいていること+まだどのくらい待つのかわからないこともあって、その日はキャンセルした。

その時に、念のため次回の予約方法と持ち物を確認したところ、「ネットで予約して、母子手帳と診察券を持ってくればいいですよ」と言われたので、慌ただしく診察券だけ作り、家に帰ってきてすぐに次回の予約をとった。

そしてやっと訪れた予防接種日が今日だった。

「インフルエンザが流行る前に予防接種打っておかないとね~」なんて娘に話しかけながら余裕を持ってクリニックに到着し、母子手帳と診察券を出す私。しかし、受付の女性が一言。

「問診票は?」と。

「問診票ってなんですか…?」とおそるおそる聞くと、東京では予防接種のときに必ず行政から届く問診票を持っていく必要があるらしい。前の地域ではなかったので全く思い至らなかったのだけれど、受付の女性の方が逆にぽかんとしていた。

「問診票がなければ今日は受けられません」と言われ

「そうですか…。じゃぁまたインターネットから予約すればいいですね…」とつぶやきながら、ふと涙が出そうになったので慌てて頭を下げてクリニックを出てきた。

娘をベビーカーに固定しながら、溢れる涙を抑えきれなかった。

私は何をやっているんだろう?

帰り道、歩きながら涙の理由を考えていた。

まず、引っ越してきてからずっと、今までの地域でのやり方と違うことに戸惑っていたのだと思う。行政からの郵便物だってたくさん届いていたから、そのすべてにしっかり目を通していれば問診票だってすぐに見つけられたかもしれない。でも、「問診票なんてものはない」という自分の思い込みでそれをしなかったことが情けない。

それと、「予防接種に行ってきた」という一言で終わる行動の中に詰まっているたくさんの ”準備” が全部無駄になってしまったという気持ち。予防接種の時間に合わせて昼寝中の娘を起こして、途中でぐずらないようにおやつを食べさせ、着替えさせて、自分も化粧して着替えて、おむつ・汚れたとき用の着替え・麦茶・財布は持ったか?確認して、さぁ行こう!と出てきたのに。

そしてなにより、また娘に予防接種を受けさせてあげられなかった。
病気をせず元気でいてくれたらそれでいいのだ。だから、予防接種をきちんと受けさせるなんて最低限の親の役目。なのに、それすらまともにできないなんて私は…なにやってるんだろう?

そんな気持ちに駆られて、涙が溢れてしまったのだと思う。

受付の人が「問診票が必要ですよ」と一言教えてくれたら良かったのに、と怒るのは簡単だけれど、私は自分がやるべきことをすべてやった上で、それでも不手際があったときにそういう感情を抱くべきだと思うから、あくまでも私個人の責任だと思っている。この涙も、悔し涙。

結局、帰り道は涙を拭いて、娘に「短いお散歩だったけど楽しかったね~」「次は絶対受けられるからね!」と明るめに声をかけながら家についた。

そして、膨大な行政からの書類の中から問診票を探し出して、三度目のインターネット予約をして、いま旦那の帰りを待っている。

旦那に話を聞いて欲しい気持ちがなくはないけれど、今日は金曜日で旦那は飲んできているだろうし、ほろ酔いでいい気分の旦那にこんな複雑な女心を聞かせるのも酷なので、「あ、そういえば今日色々あって予防接種受けられなかったよ」としか言わないのだと思う。

それでいいのだ。
明日からはまた新しい楽しい日々が始まるのだから。

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