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90秒で読む!コンサルタント「読書日記」(第44回)

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「経営の失敗学」(菅野寛著 2018年4月)

本書は、長年BCGで数多くの企業の経営支援をしてきた筆者によるビジネスの成功確率を上げる方法をまとめたものである。筆者によれば、「成功をパターン化できないし、他社の成功をモノマネしても成功しない。逆に、陥りがちな共通の失敗は多く、ある程度パターン化できる」という。

存在しない「成功の必勝法」よりも、「失敗例」から、どのあたりに地雷があるかを明確に意識して、丁寧に地雷を避けてビジネスを行なえば、「失敗しないビジネス」ができるはずだ。

ビジネスは同質化競争に陥れば、利益が限りなくゼロに近づいていき、ゆっくりと死んでいく。勝ち残るためには、他社と違うこと、異質化を行うことが必要である。ところが、異質化はリスクが高く失敗する可能性がある。どうやったら、失敗する確率を引き下げることができるか。まずは、陥りがちば失敗のパターンである地雷を踏まないようにすることである。

筆者の指摘する失敗のパターンとは、「何も考えずに実行してしまう」「そもそもの出発点としての論点がずれている」「顧客が求めている価値を提供していない」「実行に際しての徹底度が足りない」など、当たり前のことではないかと思われることばかりである。しかし、この「地雷」を踏んで、倒産したりした企業が数多くあることを実例を交えて詳しく解説している。

ビジネスは一部の天才でないと成功できないものではない。当たり前の正道をしっかりと実行する強い意志があれば、ビジネスはできるのだ。

本書は、ビジネスに挑戦している全ての人々への力強いエールである。


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