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リカバリーサンダル本当にいいのか?

みなさんこんにちは。理学療法士の成田圭佑です。


今日は、最近よく耳にするようになった【リカバリーサンダル】について、理学療法士の視点から解説します。

はじめに

リカバリーサンダルはクッション性に優れており、衝撃から足を守ることができます。また後述する特殊な機能から足の疲労軽減や回復をサポートしてくれます!

……とは言うものの…本当なのだろうか?

どんなタイプがあるか?
どんなメーカーがあるか?
基本的なリカバリーサンダルについて知りたいのであれば
他の記事で十分です!わかりやすい記事を引用します。

今回私が皆様に知って頂きたいことは、
【いつ使うのか?】
【勘違いしてないか?】です!

役割

・リカバリーサンダルをずっと履いていて良いの?
・リカバリーサンダルを履くと足が楽なので歩きやすい!
・怪我をしたからリカバリーサンダルを履いて過ごしています。

いろいろな疑問や意見があるかと思います。

そもそもずっと履いていていいものなのか?…

答えはずっと履いていてはいけません!
そして、怪我が治るまでの期間の代わりの靴にはなりません!
治したければ、サンダル履いて歩くより休んでください(笑)。
そして、専門家に相談してください。

ずっと履くものと勘違いをしてしまう人が多いので、これは是非知っておいてほしいことです。

ヘックの最初の方の記事で靴の選び方や、靴の履き方を書かせて頂きました。

私個人としては、靴をとても大事に思っています。悪い靴は身体を悪くし、良い靴は身体が良くなる方向に助けてくれます。

近頃、クリニックやスポーツ現場で活動をしていると、足の状態の悪い人がとても多いです。

足の機能とサンダルの機能

扁平足、外反母趾、内反足や、シンスプリント…
足には上記のよう怪我を罹患しないように様々な機能が備わっています。

代表的な機能が
①クッション作用
テコの原理を応用した②推進(前に進む)作用です。
※その他にもたくさんの機能がありますが、ここでは2つを紹介しました。

この2つの機能が正常に働くことで効率の良い歩きができます。

しかし、長時間のウォーキングや運動により、筋肉が疲れてしまうと、この2つの機能は少しずつ低下します。
そんなタイミングで登場するのが、このリカバリーサンダルです!

■クッション性の補填

踵が床についた瞬間には衝撃があります。

本来であれば衝撃から守るためのクッションの役割をする組織が踵にはあります
また踵の骨(関節)を微妙に動かして、衝撃を干渉させたり、筋肉で上手にブレーキを掛けたりします。

クッション性の優れたサンダルではこれらの機能を代わりに担ってくれるので、足の機能の必要性が無くなってきます。
安心/安全という言い方もあれば、足のクッション性が衰えてしまうという懸念もあります。

■推進力の補填

本来であれば足(足関節)は上図のように脛骨(けいこつ)といういわゆる「スネ」が足首の上を前に倒れるようにして、前に進みます

しかし、アウトソール(靴底)がアーチ状になっているリカバリーサンダルでは、この足の機能の必要性が少なくなります。

もしこの2つの機能を補填してくれるリカバリーサンダルを常に履いてしまうと、足がするはずであった仕事を奪ってしまうことになります。

回復どころか、より怪我しやすい足へと導いてしまう可能性があるのです。

リカバリーサンダルの正しい使い方

結論は
リカバリーサンダルは長時間のウォーキングや運動の後の帰り道や、どうしても引き続き歩かなければいけない状況での

これ以上、疲労させて怪我したくない…。

という場合に使います。

決して、歩いて回復する物というわけありません。

大人しく休んで、ストレッチやマッサージしてる方がマシです(笑)。

使い方を誤ってこれ以上足が悪くなる人が、増えないことを心より祈っております…

もし命名するなら…

私たちが歩き方や姿勢改善目的で作るインソールの方がよほどリカバリーだと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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