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「暑くて暑くて読書量激減⤵️」 8月に読んだ本 & 「ブレッド・トレイン」感想付き

夏は大きらいです。暑いから…。
日本は温帯性気候ではなかったっけ? もはや亜熱帯だよね💦
今年は気温だけでなく湿度も高かった💦💦💦

湿度は体力とやる気を奪います。
ここのところ月20冊くらいのペースで読んでいたのに、8月は15冊❗️
えっ〜と、何してたんだっけ😥?

そういう時は収穫も少なかったのですが、まずは小説部門の感想から。

小説

・『春のこわいもの』  川上未映子
・『春、戻る 』   瀬尾まいこ
・『夜が暗いとはかぎらない』   寺地はるな
・『古本食堂』   原田ひ香
・『鳩の撃退法 (上) 』   佐藤正午
・『すしそばてんぷら 』   藤野千夜
・『マイクロスパイ・アンサンブル』   伊坂幸太郎
・『鳩の撃退法 (下) 』   佐藤正午
・『作家ソノミの甘くない生活 』   群 ようこ
・『砂嵐に星屑』   一穂 ミチ


1冊目は、『春のこわいもの』。
「川上弘美」さんだとばかり思っていたら、「川上未映子」さんだった。
川上未映子さんの作品は『乳と卵』以来。あの時の衝撃はすごかったなぁ〜。
当時の文章よりも一文が短く、わりとフツーになっていました。

とはいえ内容はかなり衝撃的。特に「あなたの鼻がもう少し高ければ」(ちなみに短編集です!)は、日本語とは思えないほど意味不明な単語が並んでいます。

「だから、来るなら、顔ちゃんとしてから来てほしいんだけど」
「なんでブスのまま来てんの?」

「あなたの鼻がもう少し高ければ」

ううう…。都会の女子たちはこんな過酷な世界で生きてんの?辛すぎる。

川上未映子さんは海外で人気の高い作家さんらしいのですが、この独特な若者ことばをどんなふうに翻訳しているのかと、そちらが気になりました。

大好きな寺地はるなさんのはずなのに、★ひとつ。

閉店が決まった「あかつきマーケット」のマスコット(=ゆるキャラ)”あかつきん”が突然失踪したところから始まる。これもまた連作短編集。

これを読んでいたのが8月上旬。暑くて暑くてきっと脳みそもとろけていたのだろうと思います。読んでも読んでも登場人物の名前が入ってこず、いったいなんのことだかさっぱりわからなかった。

なんだ、このあかつきんって。

読書メーターでの評価は悪くなかったので、この評価は私の体調によるものだと思います。でも、表紙のあかつきんがなんかかわいくないでしょう?


今『三千円の使いかた』で大人気の原田ひ香さんの新刊です。
ちなみに『三千円の使いかた』は図書館で70人待ちだったのであきらめて、しばらく様子見です。

こちらは、8月の小説部門で唯一★5つでした。

美希喜の大叔父が神保町で営んでいた古書店を大叔父の妹、珊瑚が相続する。美希喜は母親の厳命を受け毎日珊瑚の元へ通う。
という神保町でのおいしい話とユニークな古本の話が盛りだくさんの一冊です。

とにかくうらやましい。
読みながら、私の身内に神保町にビル1棟と古書店を持っているような人いないかなぁ〜と、詮無いことばかり考えていました。

そしてまた「大切な誰かのことを思いながら1冊を選ぶ」というのも読書の醍醐味だなと思いました。


図書館でハードカバーの上下巻だったのだけれど(重量のある本や上下巻の本は、基本的に借りません)、映画化されていたので、おもしろいに違いない!と借りてみました。 それでもこの暑い中読むんだから失敗はしたくないなぁ(何をもって失敗なのか、図書館本なのに…)と、読む前にいつもはしない他の人のレビューを覗いてみました。

するとかなり手厳しい評価。まどろっこしい、周りくどい、話が進まない、などなど。
あ〜😩見なきゃよかった。

でもニセ札が登場するまでは読もうと、とりあえず読み始めました。
確かに周りくどい。表現が周りくどいだけでなく、時間の進み具合も遅々としている。なるほどこういうことか。イライラする。
時系列があっちゃこっちゃで、同じ場所をずっとぐるぐるしている感じ。

ただ、津田と沼本店員とのやりとりや、女優倶楽部の女子たちとの噛み合わない会話がおもしろかったのが唯一救いでした。どことなく伊坂幸太郎ぽくて楽しめたんだけど、それ以外の場面がね、まどろっこしい。

酷暑の中10日くらいかけて読了。ようやく下巻へ。
しかし、160ページでギブアップ❗️

重たいし(物理的に)話の展開が見えないし、限界でした。
結局「鳩の撃退法」ってなんだったんだろう。帯に書かれた絶賛の言葉が恨めしい。
そして逆に映画への興味が湧きましたね。読みたい本が後ろにずらっと控えていることでもあり、今回は断念しましたがいつか映画を見てみたいです。結末も知りたいし。


一穂ミチさんはお初の作家さん。BL作品が得意らしい。ぜんぜん知らんかった。

こちらはテレビ局で働く人々の連作短編集。
40代の独身女子アナ。50代の報道デスク。20代のタイムキーパー。30代のADの4遍〈春〉〈夏〉〈秋〉〈冬〉。

ゲイの由朗を好きになった結花。ルームシェアしているのにまったく見込みなし。由朗がゲイであることをカミングアウトしない理由を聞かれて

「正しさっていたたまれへん気持ちになる。明るいところに引きずり出される感じがするから。…自分の間違ってる部分をえびの背わたみたいにぴーってこそげとられる感じ」

〈秋〉

表現がすてき。大阪弁が深刻さをうまーくカモフラージュして、しなやかな強さを感じる。
〈冬〉の結末もいい! おすすめです。

ところで、この頃”連作短編集”ブームがきているんでしょうか? 『作家ソノミの甘くない生活 』に担当編集者の言葉として読者レベルが下がっているとありました。出版不況のご時世でもあり、買って読んでもらうには分かりやすくする必要があるのかなぁと思ってみたり。

連作短編集は章ごとに主人公が入れ替わったりすることも多く、作品に立体感が出て構成としておもしろいとは思います。ただ、私も含めて読者に同じ主人公で1冊読み切る力がなくなってる気もするんですよね。どうなんでしょうか🙂

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さてノンフィクション部門は4冊しか読めませんでしたが、小説部門よりは実りが多く、4作品とも楽しく読みました。

■ ノンフィクション

・『アフロ記者が記者として書いてきたこと。退職したからこそ書けたこと。』  稲垣えみ子
・『経済学の名著50冊が1冊でざっと学べる 』   蔭山克秀
・『親子で育てる ことば力と思考力 』   今井むつみ
・『ヨーグルトの本』   向井智香

稲垣えみ子さんは朝日新聞社でデスクなどをされていた方です。彼女が朝日新聞に連載していた「ザ・コラム」の記事などを中心に書籍化されました。

私は子どもの頃からかれこれ50年朝日新聞を読んでいます。なのに朝日新聞が「リベラル」「反戦」「護憲」を標榜しているということを、この本で初めて知りました。朝日は反体制ぽいなとは思っていたのですが、会社として情報をそういう切り口で記事にしているんだと今更気付いた(いや、再確認した?)わけです。

池上彰さんのように、何紙も新聞を読んだりしないので他紙と比較することもないですしね。目から鱗でした。

といっても、堅苦しい内容ではありません。福島原発事故から始めた節電生活、離れて暮らす母親、大阪の都構想(もはや懐かしい話題)などの話が中心です。

橋下徹氏についても、ええっ〜て驚いたのですが、やっぱり節電生活のインパクトはすごいです。

朝日新聞には5アンペア生活をしていた記者が他にもいたように思うのですが、こういう突き抜けた人が多いんですかね?
2016年4月時点で電気代月200円を切ったとあります。最終的に残った家電は4つ…

電灯  ラジオ  パソコン  携帯電話

だそうです。今はどうなんでしょう?この灼熱地獄をエアコンなしで東京で暮らすのは、命懸けだと思うのですが😞

ただ、これだけ自然災害が続くといつかこの生活が私たちの現実になるかもしれない。ここまでしないと地球は冷やせないんじゃないかと本気で不安になりました。

この手の本は邪道だろうと今まで読んだことがありませんでしたが、今さら一つずつ読む気力も体力もなく手を出してしまいました。確かに「ざっと」学ぶにはいいんじゃないかな? お得感がある。

興味が持てたのはやはり現代に近いものです。バングラデシュの経済学者(ノーベル平和賞受賞)ムハマド・ユヌスが作ったという貧困層向けの銀行の話。経済学をちゃんと実践に生かすところがすばらしい。

当たり前ですが、これを読んだからって何も分かりません(私は…)。こういう偉い学者さんがいるんだなぁ〜ってことくらい。
偉い学者さんに、是非ともこのインフレと円安をなんとか乗り切って欲しいです!


「ゆる言語学ラジオ」の水野氏激推しの今井むつみ先生の本です。こちらで既に予習していることもあり、とても読みやすかった。

これは、母語が育つ乳幼児期から抽象的な言葉を使い始める小学校中学年くらいまでの子どもを育てる両親向けに、子どもの言葉の力をどう育てていけばいいかを伝える本です。

この本で「9歳の壁」というものを初めて知りました。小学3〜4年性になると色々な教科に抽象度の高い内容が出てくるので、生活の中だけで使われてきた日常の言葉だけでは理解が追いつかなくなるらしい。それに対して親ができることは、子どもが自分で推論して発見できるように手助けすること(「足場かけ」)と絵本の読み聞かせ。読書の習慣がいかに大事かを改めて知りました。


これはすごい本です❗️
著者の向井さんは、先日安住紳一郎の日曜天国でゲスト出演されてました。そこで紹介された本を図書館で発見したので、さらっと眺めるつもりで借りてきました。

初めの印象は、字ちっちゃ❗️そしてものすごい情報量❗️それなのについつい熟読してしまう。向井さんの熱量にやられてしまう感じです。

そして、故郷の広島のチチヤスが日本で初めてヨーグルトを販売したと知り、嬉しくなりました。宮島の近くにチチヤスプールがあって、子どもの頃は夏休みに連れてってもらったなぁ〜。今はもうないんだろうな😞

日本中にこんなにご当地ヨーグルトが存在することも目から鱗でした。なんと奥深い世界。植物性ヨーグルトも食べてみたいわぁ。


とまぁ暑い暑い8月はこんな感じで乗り切りました。みなさま、お疲れ様でした。

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ところで、9月1日にブラピ主演の『ブレッド・トレイン』を見てきました。伊坂幸太郎の『マリアビートル』をハリウッドで映画化というので、とても楽しみにしていたんです。
15R指定にちょっとビビりつつ、確かに殺し屋の話だからそうだわなと思う。「これは『マリアビートル』じゃない!」「これは日本じゃない!」とひとりツッコミを入れながら苦々しく見ました。


でも鑑賞後、伊坂氏が

「想像以上に、小説のアイデアを使ってくれていることに驚きました」

KADOKAWA文芸WEBマガジン

とコメントしているのを読んで、あくまで別世界、ファンタジーなんだと理解しました。ファンタジーにしてはグロいけどね。

日本高速鉄道”ゆかり”ってなんだ?ふりかけか?とか、それは蜜柑じゃなくてオレンジでしょ?とか、音楽もなぜここでこの選曲?とかツッコミポイントをリスト化したいくらい。
この映画は日本で受け入れられるでしょうか、楽しみです😊

読書レビューとは関係ありませんでした。
でもどうしても言いたかったので…。

ではまた👋


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