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祝・サブスク解禁!個人的ZARD全アルバムランキング

前書き

この曲はみんな知ってると思います。

はい。アーティストはみなさんご存じZARD(こと坂井泉水)。

ZARDは1991年にデビュー、1993年に「負けないで」が大ヒット、その後も名探偵コナンやスラムダンクの主題歌を担当するなどJ-POPの第一線を走り抜け、2007年にボーカルの坂井泉水さんが逝去。

自分は2001年の生まれで、ZARDを聴きだしたときには既に坂井さんはこの世にいなかったのですが、当時中学生の自分はドハマり。以前の記事でも書いた通り、自分のルーツを形成しているひとつのアーティストであることには間違いありません。あと、坂井さんのビジュアルもね。「負けないで」は若干ノイローゼですが。

それにサウンドにも80~90年代の洋楽のサウンドの影響が見えて面白いんですよね。最近ホール&オーツにハマっているのですが、聞いていると「ん、これZARDで聞いたのと似たサウンドだな。ここにルーツがあったんだな」と思う瞬間がよくある。

というわけで最近「聞き返したいな、でもCD実家に置いてきちゃったしなぁ」と思っていた矢先、

きましたね。9月15日、ZARD全曲、サブスク解禁。

これはとても嬉しいことです。というのも、2016年に4枚組のベスト盤が出て以降の事務所ビーイングの売り出し方が、個人的には気に入っていなかったから。このへんのグチは書きませんが、「後世に残したいなら、まずサブスク解禁だろ」と思っていたので、ニュースを聞いた時とても嬉しかった。

前置きが長くなりましたが、今回は個人的なZARDの全オリジナル・アルバムランキングを紹介します。サブスク解禁ではじめてZARDを聞く人へのオススメアルバムランキングと読み替えてもらっても構いません。自分は当時生まれてないかZARD知らないかだったので、当時の評価がどうだった~なんてことは知りません。

対象作品は現在サブスク解禁されているオリジナル・アルバム、計11枚。ベストアルバム、セレクション盤は外します。アルバム・ジャケットの画像をタップするとSpotifyのアルバムページに飛べるようにしてあります。

11位~4位

第11位 君とのDistance(2005)

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残念ながら個人的ワーストになってしまったのは、最後のオリジナル・アルバム「君とのDistance」。個人的に、この前作「止まっていた時計が今動き出した」あたりから坂井さんの歌い方の変化が見えてきて、特徴でもあったよく通る高音が全盛期ほど伸びなくなっているのがちょっと辛いのですが、それが前作以上に出てしまったような一枚だと思っています。声質が変わるのはしょうがないにしても、シングルにもなっていた「星のかがやきよ」「夏を待つセイル(帆)のように」など、高音で歌うメロディーをいつも通り作っていたり、壮大なアレンジにしたり、声が出にくくなっていたことがより分かりやすく聞こえてしまって辛い。そのためか発生しているコーラスの重ねがけもその印象を助長してしまっているように感じます。前作でも同じようなことは思ったものの、残念ながらこっちの方が重症に感じたのでこの順位となりました。

サウンドとしては打ち込みビート主体で、生ギターやストリングスが絡んでくるものの、前作ほどのギミックがあるわけでもなく。「かけがえのないもの」はファン投票上位にきていたし、個人的に原曲が好きな「Last Good-bye」のセルフカバーがあったり、一応「夏を待つ~」なんかはコナンの主題歌になってたり(コナン映画には合っていると思います)、素材としては悪くなかっただろうに、残念。一番好きな収録曲は「I can't tell」。


第10位 Good-bye My Loneliness (1991)

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最後のアルバムの次は、もろThe Policeのデビュー曲から始まる1stアルバム。おそらくこの時点では制作陣も坂井さん本人も、まだ坂井泉水というボーカリストをどう活かせばいいのか掴み切れていなかったんでしょうね。結果、大袈裟なコーラスが導入された「愛は暗闇の中で」、ハードな「恋女の憂鬱」、力強い女像が見える歌詞の「女でいたい」に見えるように、サウンド面も歌詞面も現在のZARDの世間一般のイメージとは離れ、どことなくありふれた、ダークな一枚という印象に。

でも、曲順に見られるアルバムの流れ、という点ではそんなに悪いアルバムではないと思います。デビュー曲に始まり、アップテンポな「愛は~」「恋女の憂鬱」、そのまますぐに緩急をつけた「Oh! Sugar Baby」。このアルバムの収録曲は6曲だけなので、この曲数で、言わば”短期決戦”的な流れをつけてまとめることに関して言えば成功していると思います。他の時期と比べてしまうと歌詞にもサウンドにも見劣りしてしまう部分はどうしてもありますが、だからと言って嫌いな1枚というわけではないし、坂井泉水という大器を扱い切れなかったところは今では微笑ましく聴こえる、コアなファンなら聞く価値はある一枚という立ち位置に自分の中では落ち着いています。一番好きな収録曲は「恋女の憂鬱」。


第9位 もう探さない(1991)

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9位と8位はどっちを上にするかギリギリまで悩みました。そして9位になったのはこの2ndアルバム。1stの反省を活かしたのかは知らないが、コーラスを抑えて明るいキーボードも交えた表題曲からは、数年後一時代を築く礎が着実に出来てきていることが伺えます。一方でビジュアル面は迷走を続けたのか、恐怖すら感じる暗さのジャケットに。中学生の時に中古で手にしたんですが、「え、怖」とすら思いましたもん。

他の曲はと言うと、「素直になれなくて」のように、前作からのハードさと大袈裟コーラスを減らした抜けの良いボーカルがいい具合に噛み合っていて、2ndの時点である程度の方向性を示すという点では成功した一枚だと思っています。歌詞の方も柔らかくなって(その方が合っていると思いますし、実際この後ヒットしたテイストに近い)、1stより売り上げが上がっているのも納得。バラードの「いつかは…」も、1stのバラード「It's a boy」より良いと思っています。楽曲面では大きな進歩が見られつつも、一世を風靡するヒット曲までは少し足踏み。ビジュアル面ではまだ…といった言わば「あとひとつ部品があれば爆弾が出来るぞー」的な一枚ということでこの位置に。余談ですが、このアルバムだけバンドメンバーの写真がCDの歌詞カードの中にあります。一番好きな収録曲は「ひとりが好き」。


第8位 時間の翼(原盤2001、リアレンジ2021)

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サブスク解禁前にこのランキングを作っていたら最下位になっていたアルバム。というのも、現在サブスクで公開されているのは2021年に全編リアレンジを施した一枚で、原盤の方は水増しのリミックスが2つも、おまけに表題曲は未完成のまま収録、(今聴く分には問題ないが)ほとんどがその時点での既発曲、といった問題作。30周年ということで、廃盤になってしまったこれをなんとかしたいという思いがあったんでしょう。サブスク解禁と同時に発表されたリアレンジ盤ではこの問題点が全て消えているので、その状態で順位をつけなおしたらこの位置になりました。そもそも主役が10年以上前にこの世を去っている作品をリアレンジすることの意義は?という問いはありますが、一旦置いておきます。

このアルバム、これまでのZARDで主体だったバンド・サウンドから一気にに転換、当時台頭していた打ち込みベースR&B楽曲に挑戦しています。これを「らしさが失われた」と見るか、「新しい挑戦」と見るか。僕は前者寄りです。「痛いくらい君があふれているよ」のラップ調の部分などは、個人的にはちょっと求めているのとは違う。それでも曲で見れば「Get U're Dream」「世界はきっと未来の中」…と良いのが揃っているので、問題点さえ無くせば最下位脱出はまあ間違いないと思っていましたが案の定。

一方でリアレンジは賛否両論だと思いました。もしこれをアルバム1枚として聴くなら賛、単なる曲の集まりと見れば否です。全体的にデコボコしていた道を、リアレンジによって平坦に慣らしたような。それによって改善された「この涙 星になれ」のような曲があり、アルバム通して一貫性が出たのも事実ですが、ただその慣らしによって、「お・も・ひ・で」「世界はきっと未来の中」辺りにあった良さが消されていたのも事実。この2曲、個人的にはあのオリジナル盤のカラッとしたアレンジの方が好きです。特に後者は原盤のバージョンによって、シングルでの無理やりR&B路線からロック・チューンに良い変貌を遂げていただけに。

自分はアルバムをアルバム1枚として通して聴くタイプなので、まあその2曲については私怨だろうと思うことにして、前者の見方をしてこの位置に。よく考えたら今からZARD聴く人は原盤の前にこちらを聴くことになるわけで。そういう人には十分オススメです。じゃあ従来のファンは?と訊かれたら、従来ファンでも十分聴く価値はあるよ、と答えます。特に表題曲の「時間の翼」、完成版は次作に収録済みなのでリアレンジ盤でどうするのかと思っていたら、アルバムのエンディングとして有効な展開にしていた。これは良い方向に行ったと思いました。一番好きな収録曲は「お・も・ひ・で」。


第7位 HOLD ME(1992)

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1stには「サウンドが違う」、2ndには「ビジュアルが違う」と散々文句を垂れてきましたが、全てが解決したのがこの3rd。転換点となったヒット曲「眠れない夜を抱いて」に始まり、全体的にサウンド面は2ndをより親しみやすく進化させた感じ。ジャケットの方も「眠れない~」のシングルからこのアルバムにかけて「彼女をどう映せばいいのか」制作陣が掴んだらしく、まあ歌詞と共に随分柔らかくなりました。恐らく今日の世間一般のZARDのイメージを大ヒットより一足先に確立した一枚だと思います。「眠れない~」はオリコン2位でMステにも出て、このアルバムはミリオン。シングル曲少ないし、1曲1曲の強さで言うとどうしても以降のアルバムに分があるのでこの位置になってはいますが、ファン投票1位で僕も好きな人気曲「あの微笑みを忘れないで」の存在など、支持されるアルバムの部類に入る一枚でしょう。その後の一時代を築く上での土台が完成したアルバムとして、定番作を履修し終わったら次に是非勧めたい。順位的にも、このあたりから好きなアルバムゾーンに入っていきます。一番好きな収録曲は「あの微笑みを忘れないで」。


第6位 止まっていた時計が今動き出した(2004)

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執筆前の予想を良い意味で裏切ってくれた2004年作。序盤だけ聴けば「時間の翼」からの打ち込みR&B路線はそのままなのか?と思いますが、後半あたりからバンド・サウンドが復活を遂げます。そしてここでのバンド・サウンドとは、90年代に彼女たちが一世を風靡した、あのブリッジミュートでザクザクビートを刻んでいくようなものの焼き増しではなく、きっちり転換が図られているのが分かるサウンド。そこに打ち込みビートと上手く融合していて、「時間の翼」からの進化を感じます。「愛であなたを救いましょう」のイントロなど、「これZARDか?」と笑ってしまいました。全盛期のZARDサウンドを求めている人には物足りないと思いますし、実際かつての自分はそうでしたが、今聴くと意欲作であると感じましたね。一応表題曲ではかつてのサウンドに挑戦しているようなのですが、このアルバムの中で聴くとそれは新鮮で安心感があるポイントに。前作の「時間の翼」辺りから坂井さんの体調に問題があったらしく、リリース・ペースも若干下がったらしいのですが、復活作と言っていいと思います。「君とのDistance」で言及した通りの声問題は若干あるものの、個人的にこの躍進が嬉しかった(リアルタイムでは聴いてませんが)ので贔屓をしてこの位置に。一番好きな収録曲は「悲しいほど 今日は雨でも」。


第5位 永遠(1999)

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1999年リリース、8枚目のアルバム。表題曲はシングルにもなっている、ZARDイチ壮大なバラード。「My Baby Grand~」然り「運命のルーレット廻して」然り、これも人気曲が勢揃い。このアルバムは特にバラードやミディアム・テンポの曲が冴えているアルバムだと思います。ZARDは1999年に事実上の初ライブを船上で行っているのですが、そこでもこのアルバムから印象深い2曲、「遠い星を数えて」と「フォトグラフ」が披露されていますし、制作陣の愛着が伺えます。

このアルバム、ZARDのオリジナル・アルバムの中で「時間の翼」を除いて一番収録曲数・時間ともに多い(長い)一枚で、特に中盤の「新しいドア~」以降あたりでその反動が来てる印象があったのが惜しい。単体で聞けばいい曲なんですよ。でも、バラードが特に目立つこのアルバムに入れるには若干多いと思いました。なんだかんだ言いましたが、シングル曲の「息もできない」や人気バラードの「少女の頃に戻ったみたいに」が入っていたりと、これも十分に良い一枚。一番好きな収録曲は「遠い星を数えて」。次点で「WAKE UP MAKE THE MORNING LAST~」と「フォトグラフ」。好きな曲の多さで言えばこれはかなり上位。


第4位 揺れる想い(1993)

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ZARDのアルバムNo1の売り上げ枚数(220万枚以上)を誇る1枚がこの位置に。怒られそうなのは分かってますが、個人的なランキングなのを忘れないでいただきたい。僕だって執筆前はこれorとあるもう一枚でトップ争いをすると思っていた。

さて、このアルバム、「負けないで」「揺れる想い」という代表曲を引っ提げてます。強い。僕はこの時まだ生まれてないのですが、きっとこのアルバムあたりから帝国を築き上げていたのではないでしょうか。ファン投票で上位に入った曲も多く、人気が伺えます。

前述の大ヒットシングルを差し置いても、捨て曲無しのキラーチューン祭り。シングルにもなっている「君がいない」「In my arms tonight」、正統派J-Popバラードの「You and me (and…)」、ご機嫌な「Listen to me」。などなど。というか今聴きなおすと、「Season」にはどこか80年代アイドルっぽさを感じた。もちろん僕は80年代を生きていないので、偏見にしか過ぎないが。

で、ここまでのアルバムがこの位置にいる理由ですが、前述の通り曲のひとつひとつが強すぎる&明るすぎて、なかなか一息つける時間がないように感じるからです。これは「時間の翼」と同じように個人の聴き方かもしれません。僕はアルバム単位で聴くことが多く、そうしたらこうした不満点も出てしまいますが、とにかくシングル曲や良い曲をいっぱい聴きたい、という方にはこのアルバムは1位になると思います。曲の強さで言えばこのアルバムが(脳筋的な意味で)一二を争うのは間違いないので、例えばベスト盤を聴き終わったZARD初心者の方に勧めるにはとても良い一枚になると思います。一番好きな収録曲は「I want you」。

余談ですが、「負けないで」って(何のことかは言いませんが)やっぱりこれ確信犯ですよね。純粋なこころを持っていた当時中学生の自分は少なからずショックを受けたものですが、今聴き比べると笑っちゃいます。自分は音楽においては(余程でない限り)模倣バンザイだと思っているので笑って終わりですが。


3位~1位

第3位 OH MY LOVE(1994)

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いよいよトップ3の発表で、第3位はこちら。大ヒットした前作に次ぐ5枚目のアルバム、「OH MY LOVE」です。これもミリオン…というか、ZARDは3枚目の「HOLD ME」から6作連続でアルバムがミリオンいってます。人気がすごかったというのもあるんですが、やっぱりポンポンミリオンセラーが出たくらいにCD売れてたんだなぁ。自分はそのことに驚きです。

本題に戻って。甘酸っぱい表題曲に始まり、このアルバム収録のシングルへ…それが「きっと忘れない」「もう少し あと少し…」「この愛に泳ぎ疲れても」なんですが、後ろ2つはなかなかに湿度が高い。1stや2ndほどではないにせよ、「負けないで」「揺れる想い」にあったようなカラッとした明るさではなく、若干の暗さを纏ってます。

それがアルバム全体として前作以上に楽曲の幅の広さを生む結果に。単純なアレンジで言っても、男声コーラスの入った「雨に濡れて」、ピアノ・バラードの「I still remember」や「あなたに帰りたい」、どのアルバムにも必ず一曲はあるアップテンポの「If you gimme smile」、そして一転アコースティックを基調にカラッとした「来年の夏も」、と多彩。もちろんシングル曲ではZARDカラーが存分に出ていますし、アルバム曲で多彩な面を見せてくれる。それが良いと思ったので、結果大ヒットした前作を抑えてこの順位になりました。一番好きな収録曲は「来年の夏も」。この曲、リストのラ・カンパネラを参考にしたらしいピアノソロがとても良いので、トップクラスに好きです。

ファンの方ならここまでに出ていない2枚がもうお分かりでしょうが、1位はどちらでしょう。さて、2位は…

















第2位 forever you(1995)

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この記事執筆にあたって全てのアルバムを数年ぶりに聴きなおしたのですが、印象が変わったアルバムその2です。正直、収録曲が大人しめのものが多いので、割と平坦な一枚だったなぁ…なんて思っていたのですが完全に間違い。1996年リリースの6枚目。

今作ではアルバムの流れをかなり考えたんじゃないでしょうか。アルバムの1曲目と言ったら今までは「不思議ね…」「揺れる想い」「Oh my love」と、シングル曲や表題曲(それも強めの)で固めてきたZARDですが、ここではシャッフル・ビートでいきなり歌始まりの「今すぐ会いにきて」となかなかに新鮮な幕開けとなっています。人気曲の「ハイヒール脱ぎ捨てて」、3曲目にはかなり自身のことを歌っているバラード、「forever you」と、一息ついたような序盤の流れはかなり自分好み。そして配置を考えられたシングル曲の「あなたを感じていたい」の後は「気楽に行こう」「I'm in love」と盛り上がりゾーン。全体的に明るい曲が多い…という点では「揺れる想い」と似ているのですが、流れでいったらこれが一番だと思います。

「揺れる想い」「Oh my love」…とZARDヒットの目まぐるしい歴史を振り返る上で、給水地点のような…心地良い公園のベンチのような、自分にとってはそんな、個人的にも好きな一枚になりました。一番好きな収録曲は「今すぐ会いにきて」。


第1位 TODAY IS ANOTHER DAY(1996)

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というわけで1位は1996年リリースの7枚目、「TODAY IS ANOTHER DAY」でした。執筆にあたってアルバム全部を聴きなおす前から『1位は「揺れる想い」かこれだろうな』と思っていました。聴いていくうちに他のアルバムは予想から変動を重ねるも、このアルバムは1位に居続け、そのまま防衛。

このアルバム、もちろん3rdで築いて継続してきた土台の上に、「OH MY LOVE」からの2作で見られた曲アレンジの多彩さ、「forever you」で見られるような落ち着きすらあるアルバムの流れ、そしてその中に若干足りなかった一発(=ヒット曲)の強さがちゃんと入っている、今までの良いとこどりをして物足りなさを補完したアルバムだと思います。ここで言うヒット曲とはもちろん、「負けないで」「揺れる想い」に次ぐ売り上げを持つ「マイ フレンド」、そして最近ファン投票で「ファンが選ぶ好きなシングル表題曲ランキング」1位になった「心を開いて」ですね。強いでしょ。おまけにFIELD OF VIEWに提供したヒットソングのセルフカバー、「DAN DAN 心魅かれてく」「突然」「君がいたから」もある。

アレンジの多彩さを見せてくれるのはミディアム・テンポの「君がいたから」、The Beatlesみを感じる遊び心溢れる「LOVE~」、そして「forever you」のように内省的な歌詞・テンポの「眠り」、ホーンが際立つ表題曲の「Today is another day」。このアルバム、セルフカバー曲が比較的多い(12曲中4曲)のでシングル曲と相まって発売時点では既発曲が多かったはずなんですが、「時間の翼」ほどあまり文句を見かけないのはやはりアレンジが良い&そもそもの曲が強いのと、他のアルバム収録曲で十分勝負できているからじゃないでしょうか。アルバムジャケットも今までのものとは一線を画す見た目で、坂井さんがチラッとしか映ってないのですが、その風景と色味がこのアルバム全体に見られる爽やかさを引き立てているように感じます。文句なしに好きな1枚です。一番好きな収録曲は表題曲の「Today is another day」。セルフカバー多いことで「それが1位なのはどうなの…」と思う人もいるかもしれませんが、自分は別に良いと思っています。


後書き

というわけで、個人的なアルバムランキングを書いてきましたが、もしあなたがZARDをこれから聞いてみようと思うのなら、まずはベスト盤をオススメします。もちろん上のランキング上位のアルバムを聞いてもらっても良いのですが、やはりZARDは音楽チャートで一時代を築いたアーティストなわけで、まずはその軌跡を辿ることが必然的に良曲紹介になる。ベスト盤も何枚もありますが(これ事務所の悪い癖ですね)、

入口にオススメなのはやっぱりこれかな。いきなり4枚組を聞け、というのもやりすぎな気がするので、まずはこれを聞いて、もっと聞きたいと思ったら、特に気に入った曲が収録されているオリジナル・アルバムに手を出すのが良いと思います。

ZARDってあまり次世代のアーティストへの影響、という文脈で語られることはない印象のアーティストですが、個人的な思い入れが大いにあるので、今回こうしてサブスクが解禁され、大々的に聴かれる機会が出来たのは非常に嬉しいです。是非彼女たちの音楽に一度触れてみてください。
















おまけ

ZARD Cruising & Live ~限定版ライブCD~ (2000)(※サブスク無し)

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ここまで読んでくれた方におまけ。ZARD唯一のライブ盤の紹介を。1999年に豪華客船パシフィック・クルーズ号で行われたZARDの事実上の初ライブを音源化したものです。付属CD-ROMでは変なゲーム(もう昔のことであまり覚えていない。小さくて丸いキャラが出てきて、船の中を探し回ってライブのパスを探すゲームだったはず)が遊べ、クリアするとこのライブの映像が見られました。ディスクのスペック上今のPCでは動作しないことも多く、救済措置としてなのか、2016年発売のベスト盤の特典にこの映像の期間限定視聴シリアルコードがついてきましたね。

このライブ盤、選曲・曲数ともに整っていてかなりいい出来だと思っています。代表曲はしっかり抑えた上で、「フォトグラフ」「遠い星を数えて」といった良バラードがかなり効果的な位置にあるし、演奏も良い。収録アルバムやシングルバージョンがアレ(前述)だった「世界はきっと未来の中」も序盤でキラー・チューンとしての存在感を放っている。これ、サブスクから外されちゃったみたいですが、もしあなたがZARDにハマったのなら聞く価値は十分にあります。頑張って探してね。

それにしても昔好きだったアーティストを今もう一度聞き直すのって新鮮で楽しいですね。またこういうの書けたらいいな。



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