宇宙からの訪問者
訪問者の題材をもとに記事を書かせていただきます。
◯場所はとある市営住宅1階
《登場人物》
・僕…留守番代行サービスのアルバイトをしている。年は20代
・スーツを着た男…整髪料でビシッと髪の毛をまとめている。身なりもきちんとしておりエリートマンの様相。灰色のアタッシュケースを持っている。
・白衣の初老の男性…突然現れた初老の男性。知的な匂いを感じる。眼鏡をかけている。
【シナリオ】
ピンポーン
チャイムを鳴らす音が聞こえる。
ここはとある市営住宅の一階。
僕はとある家の留守番をすることになった。
「留守番代行サービス」
このサービスを始めてから早半年になる。
最初は不審がられたこの仕事も、今では
ありがたいことにリピーターが続出している。
「金銭または高価なものが万が一紛失した場合にはそれ相当の代金をお支払いします」
留守番代行サービスを利用してもらう前に、このような同意書を用意したのが良かったのかもしれない。
しかし、今回の客は変わっている。
先方の指示ではダイアルロックのポストから合鍵を取り出して、部屋の鍵を開け留守番をすることだったのだがー…
ガチャリと扉を開けた瞬間、
僕は自分の目を疑った。
そこには無数のよく分からない通信機材が積み上げられていて、ひとつのコックピットのように改装されていたからだ。
部屋中からピピピピ…と無数の怪しげな音が聴こえてくる。
「ここはなんなんだ…?」
そう思うかいなかピンポーンとチャイムを鳴らす音が聴こえた。
ガチャリ…扉を開けるとそこには頭髪を整髪料で整えたガタイのいい1人の男が立っていた。
スーツ姿でビシッと決めており、一見仕事のできるエリートマンのようにも思えた。
男は僕の容姿を舐めるように上から下まで一瞥したかと思うと、
「中に入らせてもらう」と低い声で呟き
僕が用件を聞く前に靴を脱ぎ、スタスタと部屋のなかへと入ってしまった。
「あのぉ…それでご用件は?」
僕はどうしたら良いか分からず正座をし、その男に用件を尋ねてみた。
「ここで待ち合わせをしている。
特段これと言って話す必要はない」
そう言われて気まずい空気が部屋の中を流れた。
するとピンポーン
またチャイムの音が鳴った。
今度は誰だろう…訝しげに扉を開けると、
今度は白衣を着た初老の男性が立っていた。
眼鏡をかけており、知的な匂いがする。
「あの…どちら様ですか?」
そう言い終える間もなく、初老の男性は靴を脱いでまたスタスタと歩いて行ってしまった。
これで来客は2人。
スーツを身に纏ったガタイのいい男と
眼鏡をかけた白衣の初老の男
この2人が並ぶ異様な光景に僕は居たたまれず、
「ちょっとそこまで買い物に行ってきますね」
と席を立とうとした。
するとそれを聞いたスーツ姿の男はおもむろに男が持っていた灰色のアタッシュケースを開けた。
そこにはよくわからない蛍光の緑色の液体が注射針と一緒に詰められていた。
「やばい…!!!逃げないと…!!」
危険を本能的に察知し、ガタガタと玄関の扉を開けようとするも開かない。
なぜだ…
男は機材のボタンを押しマイクに向かって
「こちらコードU+1F728・地球応答願います…」
ピピピピザーーという機材の音が聞こえる。
すると向こうから
「ピピピピ…ザーーナンダ用件ヲオシエロ」と
機械的な音が聴こえた。
「こちらコードU+1F728地球。ただいま捕獲者1名確保。今から実験始めます」
「ピピピピザーーリョウカイ。タノシミニマッテイル」
やられる…
「我々はニビルから来たものだ。悪いようにはしない。少し体液をもらうよ」
白衣の男はビニール手袋をして、何かの準備に取り掛かっている。
そして2人はアイコンタクトをすると、逃げようとする僕の身体を押さえつけ注射針を僕の身体に刺しこんだ…
プーププー
「危ねぇな!しっかり前をみろ!!」
車のクラクションを鳴らした男が怒鳴ってくる。今日はいい天気だ。
そうだ、僕には使命がある…
ボクの仲間を増やすんだ。
この地球という惑星をより豊かなものとするために…
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