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三体 読書感想

「三体」を読み終えました。

SFワールドにどっぷりつかることになるのだろうな、と思って読み始めたのですが、筆者が中国人であり、中国の歴史をもとにしたシーンから始まります。世界史に疎い私は文化大革命のこともこの本で初めて詳しく知りました。毛沢東は聞いたことある、というくらいの知識です。
1960年代、70年代の中国の改革の様子は初めて知りました。そのころの日本の様子もあまり詳しくは知らないけれど、戦後だから経済発展の途上で比較的平和だったのではないかと思っています。70年代は高度経済成長期のイメージがあります。私の母や父が生まれた時期だなあ、小さい頃なのやなあ、と思っています。

三体の中ですさまじかったことの一つは、天体物理学者、葉文潔(女性)の人生です。物語を通して彼女の大学卒業したてくらいの年齢からおばあさんになる、人生の終わりの方までが描かれており、彼女の壮絶な人生、暮らしの描写がとても良いです。読み進めてしまいますし、自分のライフステージ(これからの人生)を考えるきっかけにもなりました。
もう一人の主人公、汪淼(男性)は物理学者でナノマテリアルを開発しています。彼は読者と同じ視点で、不思議な事件やVRゲーム「三体」の謎を見破ろうとしています。彼が体験する怪奇現象、ゲームの中の世界もこの本の醍醐味です。読んでいただけるとわかるのですが、ゲーム内の様子は地球での人類の歴史に似た部分が多く、社会が発展していく様子は勉強になります。内閣府が出している、Society 5.0 のことを思い出しました。

VR空間で温度まで体感できる技術が生まれたらゲーム世界の楽しみ方はどうなるんだろう、と思わせられます。
汪淼と徐々に絆を深めていく史強(男性)も魅力的なキャラクターで、近所のたくましくて強いおっちゃん、という感じです。多分あなたの周りにも彼のようなたくましい男性または女性がいるでしょう。学問的な知性を持つ人ではなく、生きていくために頭が切れるような、人生経験豊富な感じの頼もしいキャラクターです。

コンピュータのことも三体世界のことも、中国のことも人生のことも、人の色んな悩みや思想、希望の見出し方などが読めばわかります。

地球外知的生命体も地球人と似たような感じ、なのかな。。。?

素粒子の研究も宇宙の研究ももっともっと進んでほしいな、とより一層思います。
本当に地球外知的生命体と通信がとれたときに備えて。。。


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