vol.2 資金調達の種類（借入、増資、補助金等）

資金調達の「選択肢」を知る

「よし、資金調達を進めるぞ！」と意気込んだ田中さん。まずは、どんな方法で資金を調達できるのかを知るため、インターネットや本を使って情報を集め始めました。しかし、調べていくうちに彼は気付きます。「資金調達って、思ったよりたくさんの方法があるんだな…」と。

田中さんは銀行融資だけをイメージしていましたが、実はそれ以外にも多くの選択肢があることがわかりました。借入だけでなく、増資や補助金、さらには投資家からの資金調達も可能なのです。これらの選択肢を正しく理解することで、自分の会社に合った最適な方法を選ぶことができるようになります。

銀行からの借入

田中さんがまず目にしたのは、最も一般的な「銀行融資」でした。銀行からお金を借りるという方法は、昔からある資金調達の基本です。手続きは少し複雑そうですが、金利も安定しており、多くの企業が利用しています。

田中さんは、佐藤さんにこのことを相談してみました。
「銀行から借りるのって、難しいのかな？」と尋ねると、佐藤さんは笑いながら答えました。「確かに、初めての時は緊張したよ。でも、しっかり事業計画を立てて、信頼できる財務状況を示せば、銀行は意外と前向きだよ。」

「増資」で会社の力を引き出す

次に田中さんが目にしたのは「増資」という方法です。増資とは、外部からの投資を受けて資本金を増やすこと。佐藤さんも一度、増資を経験したことがあると言います。

「増資は、投資家や株主にお金を出してもらって、その代わりに会社の株を分ける仕組みだよ」と佐藤さん。「自分の会社の一部を他の人と共有する感覚だから、最初は抵抗があるかもしれないけど、資金を得られる代わりに事業が大きく成長する可能性も高いんだ。」

田中さんは考えました。「自分の会社をもっと成長させたいけど、誰かに自分の会社の一部を渡すって、ちょっと複雑な気持ちだな…」増資には、成長の大きなチャンスがある反面、オーナーシップの一部を手放す覚悟が必要なことも学びました。

補助金や助成金のチャンス

「増資は少しハードルが高そうだけど、他にいい方法はないかな？」と田中さんが探していると、目に入ったのは「補助金」や「助成金」でした。政府や地方自治体が企業をサポートするために提供する資金は、返済不要という点で魅力的です。

「この補助金なら、新しいソフトウェアの導入費用に使えそうだな！」と田中さんは興奮します。
佐藤さんも以前、助成金を使って事業を拡大した経験があります。「助成金は申請が少し大変だけど、使えればかなりお得だよ。返済不要だし、資金のプレッシャーも少ないからね。」

田中さんは早速、補助金や助成金の公募情報をチェックし始めました。申請書類の準備や、要件を満たすために細かい書類が必要なことがわかりましたが、もし採択されれば、資金調達の大きな一歩となるでしょう。

ベンチャーキャピタルとクラウドファンディングの可能性

最後に田中さんが目にしたのは、最近よく耳にする「ベンチャーキャピタル」や「クラウドファンディング」という方法です。

ベンチャーキャピタルは、急成長が期待される企業に投資してくれる専門の投資家たちのことです。佐藤さんも「もしあなたの事業が将来性のあるビジネスモデルなら、彼らに投資してもらうのもアリだよ」とアドバイスしてくれました。ただし、急成長を期待されるため、投資家との関係性や短期的な成果を求められる場合もあるという点を、田中さんは慎重に考える必要があると感じました。

また、クラウドファンディングは、インターネットを使って大勢の人から少しずつ資金を集める方法です。「これなら、僕のデザイン会社のファンを集めて、サポートしてもらえるかもしれない！」田中さんはアイデアを膨らませます。クラウドファンディングは、資金調達だけでなく、会社や商品の認知度を高める手段としても注目されています。

まとめ

田中さんは、この日、多くの資金調達の方法を知りました。銀行融資や増資、補助金・助成金、そしてベンチャーキャピタルやクラウドファンディング。それぞれの選択肢にはメリットとデメリットがあり、自分の会社にとってどれがベストかをしっかり見極める必要があります。

「次は、具体的にどうやって資金を引き出すかだな」と田中さんは、新たなステップに向けて動き始めました。

次回は、事業計画書の作成方法について、田中さんがどのように準備を進めていくのかを詳しく紹介していきます。