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GIGAスクールで教育をどうしたいか(市への提案と回答)後編

先日、流山市で開催されたタウンミーティングにICT担当の白澤が参加をしてきました。
タウンミーティングでの提案と市からの回答を今回はご報告します。(前編ではありたい姿について説明をし、後編で当日の提案内容と、市からの回答について書いています。)

学校や教育委員会に地域のICT専任者を入れて、ハイブリットスクールに

GIGAスクールでのありたい姿や、ハイブリットスクールについては前編で書きましたが、今回の提案はそれをかなりブレイクダウンした内容です。学校がICTを導入するにはいろいろな壁を克服する必要があるからです。

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現時点での課題

まず前段の課題感についてご説明します。流山市では来年度から一人一台タブレット端末が配布されることが決まり、教育委員会や学校は既に動き出しています。
1)受発注業務の課題
ICT関連の業務全般を担う学校教育担当部署へは通常教員の方が転属されます。専門性のないところで採択などの業務を行わなくてはいけません。
効率化を図ることができるはずのICTですが、実は手間がかかってしまうものが導入されてしまうなど、すでに問題が他の自治体でも出てきています。

2)アドバイスできる専門家や仕組みの不在
先日行った各学校の先生方からのヒヤリングでも、授業で使う場合のノウハウや、こども等へのサポート、保護者の方への講座など、利活用、ノウハウ、経験値の不足と、アドバイスを受けられたり情報共有ができるネットワークがないという課題が出てきています。

3)保護者のICT知識不足によるリテラシーの問題
以前休校期間中に、保護者の方へのアンケートを実施しました。総数ですが、こちらは1000件を超えています。
その中には、ICTの知識を知りたい、どう子供達に教えたらいいかわからない、トラブルがあったらどうしたらいいかわからない。などという回答がありました。
また、先生方もICTリテラシー向上が測れると、新しいことにチャレンジしていくのに理解が深まりやすいと話しをしていました。

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提案内容:ICT専任者の導入

上記の課題を見ると、場所も人も違う課題があり、山積しているように見えますが、地方自治体の学校教育関係部署へ地域のICT人材を専任で投入をすることで大きく前進させることができます。
専門人材がいると、ノウハウのハブの機能をこなす、アドバイザーとして各学校の環境向上を支援する、保護者などへ行う講座の講師をおこなう、と学校の周りで起きている事象をひと繋ぎに捉え対応することができます。

少子高齢化の中では、少ない予算の中(とはいえ数億の金額が動く事業ですが)効果を最大化する仕組みを考えなくてはいけません。

名称未設定のデザイン (8)

市からの回答

当日は、オンラインタウンミーティングだったこともあり、事前に質問内容を伝えることができました。そこで、回答は市長から教育担当課の方に変わってありました。
話しの冒頭に、流山では流山版GIGAスクール構想を作っている旨が説明されました。続いて具体的にどのように進んでいくのかについても回答いただきました。

1.協議会の発足
東京理科大の教授が顧問として参画し協議会を設置、その上で流山のICT教育について議論されるようになる。

2.GIGAスクールサポーター制度の採用
文科省が勧めている学校のICT関連の支援をするサポーターの制度があり、流山市でも率先してその枠組みを使い、各校にサポーターを導入する。

3.ハイブリットスクール化
履修状況(成績)及び、心の育ちに関して数値化、見える化をしてハイブリット化を勧めていく。

上記の内容を聞いて、休校期間中より、教育委員会、流山市に働きかけていた内容が形を変えてですが、実現できていることに手応えを感じました。

「教育環境を良くすることで、子育て世代の住民満足度があがる」

事前の提案で、「先進的な取り組みができ流ことによって、子育て世代の住民の満足度があがると考える。」とお伝えをしておいたところ、当日も担当の方より「教育環境を良くすることで、子育て世代の住民満足度が上がると思います。」という内容のコメントがありました。
教育を、市民満足度の一つとして捉えることで、行政も主体的、継続的に取り組むことができるようになると期待しています。

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前編をお読みでないかた方はこちらもどうぞ


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