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分身ロボットカフェDAWNに行った帰り道の電車内で嗚咽してしまった話

2022年4月19日、心の中は驚き、悔しさ、今まで他人が施してくれたあたたかさと社会の冷たさの間に吐き気がして、私が大切にしていた親友が孤独でなければ…と、突然思い出してしまったり。ここまで気持ちがいっぱいになるとは予想もしていませんでした。

なんとなく誘われて入った店内は驚くことばかり

東京・日本橋にある分身ロボットカフェDAWNへ私が現在所属するePARA加藤代表の勧めで同僚数名と一緒に行ってきました。
分身ロボットOriHimeの存在とそれを誕生させた吉藤オリィさんを始めとするオリィ研究所については事前に情報を少しは入れていたつもりではありましたが、店内に入るとそこは落ち着いた雰囲気にロボットが人に接客をしているという、まるで映画のような空間が広がっていたのです。

生き生きと動くOriHime、誇りを持って働くパイロットのみなさん

私達の席で接客をしてくださったのは牧野美保(みぽりん)さんでした。とても明るく気さくで、食事のメニューについてもテキパキとわかりやすく話してくださったので「じゃあ、これ食べてみようかな!」と思える素晴らしいトークスキルをお持ちの車椅子女子でした。

みぽりんさんのOriHimeがバンザイをしているところ
OriHimeの衣装もお声もとってもキュートな「みぽりん」さん

辛いものが大好きだ!と私が話したら「スパイスチキンカレー」がオススメとのことでオーダーしました。

本当にスパイスがききまくっているスパイスチキンカレー

みぽりんさんはお店から遠方なのでなかなか来れないとのことでしたが、このカレーの辛さは同僚やスタッフさんの間では有名らしく、確かに普通の人(私が辛さ耐性高すぎなだけ)にはとても辛くてなぜか止まらない病みつきになるスパイスがいい感じで配合された美味しいカレーでした。

ePARAメンバーとみぽりんさんとで記念撮影をしている所
みんなで記念撮影をしました

カフェは大変人気なのと接客をするパイロットの方のシフトのご都合などもあるので、OriHimeでの接客を希望がある場合は完全予約制になっていました。店舗の奥の方に見えたバリスタ研修を受けたパイロット、テレバリスタ(Tele-Barista)もすごく気になっているので個人的に行ってみたいと思いました。


と、ここまで行ってきて楽しい!という話題だったのですがこれから先は私の大切な親友についての悲しい表現がありますので苦手な方は読み進めることをお辞めになることを強くおすすめします。


電車に乗った途端にあふれた涙、止まらない涙、思い出すのは亡くした親友のこと

ここからが本題のようなものなのですが、時間になって解散となり帰路につこうと電車に乗り込んだ私でしたが、ここまでで突然の展開で申し訳ないのですが…思い出したのはなぐり書きのようにnoteにも書かせて頂いた自ら死を選んだ親友の存在(※閲覧注意)でした。

居場所があれば、孤独でなければ、今も親友は生きていた

どうして瞬時に亡くしたあの子のことを思い出したかというと「居場所」と「孤独」がキーワードでした。
こんな言い方をしてしまってすごく色々と後で言われてしまうのも覚悟の上ですが、OriHimeのパイロットの皆さんがすごく誇りを持って働いていて職場がきちんと楽しい居場所となっていたこと。それがすごく心に刺さったからです。正直にいうと私も含めてうらやましいの一言に尽きました。

パイロットの皆さんが障害、難病などを抱え人生の紆余曲折がありそこまでたどり着いたことも知ってはいながらもそう思ってしまった自分に対して激しく自己嫌悪しました。
私の大切な親友は能力が非常に高いのにも関わらず新卒で就職した所でメンタルの持病を抱えてしまってからは結婚、離婚があったもののなんとか生きようとはしがみついていました。でも、最後は働く場所というよりかは研究職につきたいと言っていた人間だったので自分が自分でいられる場所とでもいうのでしょうか?そういった所もなくなってしまい、家での居場所を様々な不運や不幸が重なって無くしてしまったことに絶望してこの世界からいなくなることを選択したのです。
相談を受けていた、自死の手前の手前まで連絡を取り合っていたので、そのほとんどを私は知っています。もし、あの子がOriHime自体と出会って御縁があってパイロットになれていて居場所があれば自死を選ばなかった、もしくはかなりの確率で防げたのではないかと瞬時に想像ができてしまったことで何ともいえない気持ちになり人目がありながらも涙が溢れて止まらなくなってしまいました。涙が出たというより他人の目など無視して嗚咽してしまいました。只々、悔しくて、悔しくて。

吉藤オリィさんはたくさんの悲しみ(だけじゃない入り混じった感情も)を経験したのだと知った

その後、インターネットでオリィ研究所の取り組みや、吉藤オリィさんがどのようにOriHimeの開発に至ったのかを自分ながらに情報を集めました。ネットに載っている情報だけが全てじゃないとは思いながらも、御本人のnoteやTwitterなどで発信する文言から、ご自身のひきこもりの経験と、親友や分身ロボットを開発するにあたって関わってきた難病、障害当事者の皆様(もう仲間や家族と言っても過言ではない存在だとは思うのですが)そういった大切な存在を亡くしておられることを知りました。
これだけ悲しい思いをしても、研究に全てを注ぐ姿勢を見ると私もまだ生きようと思えるし亡くなった親友のことをたまにこうやって思い出させてくれたきっかけをくださって感謝しています。
うまく言えなくて申し訳ないのですが、命ってなんだろうって本当にあの子が亡くなってから自分の心と体のどこか一部が欠落して今も埋まってはいないのですが、こうした経験を何度もして涙を流し彼女を思い出すことで埋まっていくのかなと思いました。
オリィさんがOriHimeを通じて障害者就労に心血を注いでおられる理由も、たくさんの悲しいことがあってそれでもそれを次につなげようと、孤独を解消しよう、将来も生涯も一人じゃないということを工夫やテクノロジーで解決して突き進んでいく姿はとても力強く、彼の存在を知っただけで私も生きる希望をもらった気がしました。

言ってしまえば私もパイロットになりたい

私は双極性障害Ⅱ型という持病があり、年間を通して抑鬱状態の方が多く実は外出が困難な日の方が一年で多いかもしれない年もあったりします。保健師さんにもヘルパーさんの利用を勧められたりするほど最低限の買い物が困難な時期もあるほどです。できる期間の方が少なく一般枠の就労が困難となったため障害者手帳を取得しました。
公共交通機関に乗るととんでもなく疲れてしまい、通勤ラッシュなど巻き込まれると寝込んでしまう、そんな体質の私にはOriHimeでパイロットになる働き方がもしかして一番なのでは?と思い、それ相応のサイトを見たのですがやはり人気のようで現在はパイロットの募集がありませんでした。残念…。
でも、これだけたくさんの衝撃(?!)と希望を与えてくれた機会を分身ロボットカフェDAWNでできたことを本当に感謝しています。ありがとうございました。また、夫や友人とプライベートで行きたいです。

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