カフェ開業前の「思いつき」。開業前にお店をあけてみた
こんにちは。"にゃら"と申します。今は、会社員をしながら土日だけ営業するカフェの開業準備をしています。
ずっとカフェを開きたいと思っていて、これまで間借りカフェ経験してみたり、イベント的に一日店長をやってきました。
でも、開業というお店そのものをつくる経験をするのは、これがはじめて。この先の人生、なかなかもう一回とあるものでないので、こうして綴ることにしました。これが蓄積されていって、同じような志をもつ人や、誰かとつながるきっかけになったらいいなと思っています。
今回は、お店を開くまでの仕掛けづくり(というと聞こえはかっこいいけど)「思いつき」について綴ります。
どういう流れで開業するのか?
「この物件で開業したい!」と物件先行型でぐんぐん進めて、3月中旬頃に内見をしてから、設計士さんと打ち合わせ、5月の頭には物件の契約、6月に鍵の受け渡し、9月中頃に開業目標です。
当たり前かもしれないですが、飲食店などを開業するときは工事期間も家賃は発生します。だから、オープンまでの期間はできるだけ短いほうがいいです。ちなみに、右も左もわからなかったので、この本を紹介してもらって読みました。(読むより先に進行しちゃったところではある…)
よくある開業までの流れと比較すると、自分はちょっとゆったりめです。そのゆったりなスケジュールは、平日フルタイムの仕事をしながら開業準備をするとか、自分の頭の整理や行動をするための時間の確保でもあるし、開業までの時間を周りの人と共有しあったりしたいと思っているからでもあります。普通とはちょっと違った流れであることを先にお伝えしておきます。
開業前にお店をあけるのは、どんな「思いつき」なのか
それから、物件は居抜きではないので、壁も全部張り替えて、水道やガス、電気などの設備工事も全てやらなくてはなりません。「ほんとに同じ場所?」と思うくらい改装する必要があります。大変ではあるけれど、スペースになにか手を加えてしまってもOKという前提があって、色々と実現できそうなことを思いつきました。
「思いつき」でやったことは、工事や改装をする前の物件に、絵を描いてもらうこと。3坪ちょっとの物件の壁をまるごとキャンバスにしてもらいました。
最初は、友人に声をかけてコンセプトを決めてもらい、壁いっぱいの大きな絵を仕上げてもらいました。それから、お店の場所を開放する日を決めて、訪れた人が壁の余白に自由に絵を描けるようにしました。
なにもないところから、アートで人が集まる場所(お店みたいなもの)が作られて、またなくなって、新しいお店ができるという過程をつくったら、面白そうだし、知っている誰かや近所の誰かに参加してもらえるかもしれないと思いました。もともと、自分はひとりが苦手だし、誰か来て欲しい。だから、こういう「思いつき」になったんだと思います。
「思いつき」のはじまり
5月の頭にカフェ開業の決心をしたことを自己紹介も兼ねて、noteに綴りました。それがきっかけになって、いろいろな方から連絡をもらいました。
そのひとりは、会社の同僚で副業イラストレーターをしているいなげくん。「ランチしましょうー」と連絡をもらって、話しているうちに、いなげくんに絵を描いてもらえたらいいなという「思いつき」が頭に浮かんできました。(しかも結果、それにつきあってくれるという…)
そこから、不動産屋さんや設計士さんに電話。
「改装するので、壁に絵とか釘刺しても大丈夫ですか?」
という謎な質問をしつつもOKをもらいました。
そこから、趣味で絵を描いている元上司の柏木さんを巻き込んで、おかげさまで、壁をキャンバスにしたアート空間ができあがりました。
なにもない、事務所スペースだった場所にはなぜか、沢山の画材が置かれ、アートスペースに。「ここは何になるんだろう。」と窓から様子をじっと見ていく人、立ち止まって下さる人もいて、会話が生まれたりもしました。
「思いつき」に参加してくれる人に感謝
絵をある程度完成させてもらって、週末に「にゃらやオープンデイ」と称して、自由に出入りして壁にお絵かきできる会、あわよくば「ここでカフェオープンするよ」の宣伝するイベントを開催しました。ありがたいことに、友人が集まってくれたり、地域の方々が来てくださったりしました。
そして、開業してないのに、開業祝いとかプレゼントとかありがとうございました(笑)
ちょっと立ち止まったり会話をするには、コーヒーやお茶が必要っていうのが自分の考え方で、まだカフェではないけど、来た人に振る舞ってみました。なんだかんだこの時からお店は動き始めていて、カフェ店主です。
大人も子どもも、みんな夢中で壁にお絵かき。「壁紙に描くなんて、悪いことしている気分になるよね」って言いながら、描き始めたら止まらない感じです。来てくださった皆さんが壁の余白を埋めて、時間が経つほどに変化していくアートたちを眺めているのが面白かったです。
絵がなかったら開けていても誰も人は来なかったと思うけど、彩りがあると「なんだろう」と気にしてくれる人がいて、空間の力が強くなりました。開店しても、なんか気になるなって場所にしたいなと思います。
お店づくりの過程で、必要だと思ったこと
まだ開業もしていないし、この過程がどんな影響をもたらすかもわからないけれど、この「思いつき」を実現してみて、自分なりによかったなと思っていることがあります。
■地域とのコミュニケーションのきっかけになった
知らない人が街にやってきたぞというのが、ふつう思うことです。だから、挨拶にいくというのはもちろんします。でもそこで挨拶から会話にはなかなかならなくて、やっぱりちょっと知らない人のままです。
開業前にお店をあけてみたことで、地域の人と会話ができる時間をつくれたし、少し馴染めたかもしれないという感覚を得られました。そうしたら、お店をやることの勇気みたいなものも同時に湧いてきた気がします。
でも、知らない人がやっている、開業もしていない、店のような店でもない店に入ってこれる人なんてものすごい少ないです。
たまたま相談に行った地元の不動産屋さん「住まいの松栄」さんのローカルメディア「菊名池古民家放送局」で紹介してくださったのがありがたかったです。記事見たよっていう人が来てくださって、ちょっと何者かが伝わった感じでした(笑)
■どんなお店にするのか、直接伝えることができた
物件を決めて工事をして、すぐにお店のオープンだったら心の準備ができていなかったなと思います。プレオープンをやるにしろ、その時にはある程度メニューも固めておかなければならないし、もうそこはお店の形をしているから、お客さまを迎える体制準備万端、なかなか気を抜けないです。
イベントを通して、気楽にお茶やコーヒーの提供もそうだし、会話のテンポもそうだし、予行練習させていただくことができました。
それに、来てくださる方もオープンしたけど「場所どこなのよ!」「どんな店なのよ!」となるけど、カタチは違えども、もう一回来たことがあるお店になっていることで、気楽さもあるんじゃないかなと…(?)。
(Googleのビジネスプロフィール設定しておいてよかった!)
駅からどれくらいなのかもわかる、迷わず行ける場所になる(たぶんw)。そして、どんなお店にするかも、伝えることができている。
お店をやる側としては、知ってもらえている安心感もあるし、「あのときはこんなだったのに、こうなったんだね」なんて、同じ話題を気軽に周りの人と話すこともできるようになるんじゃないかなと思っています。
もう一つの「思いつき」と、来店の約束
もう一つ、このアートイベントという「思いつき」ともう一つの「思いつき」があります。それは、開店前に買っておけるチケットのようなもの「にゃらコイン」を作ってみたこと。コインといっても木製のまるい札ですw。
お店を開くにあたって、資金はもちろんあったほうがいいです。クラウドファンディングで集めるという手段もありますが、リアルで投げ銭してもらうっていうのはどうだろうかとか、ペイフォワードの概念をどこかに盛り込みたかったというのがあります。
■「にゃらコイン」ってなに?
3枚500円(+お気持ち投げ銭大歓迎)、2枚でドリンク一杯飲めます。1枚はおまけでついてくる(1枚で使えるメニューもつくります)。ちょっとオトクな食券みたいなものです。
何をやっているんだと笑われましたが、結構気に入っています。絵を描かせもらってありがとう、と買ってくださった方、開業の応援で買ってくださった方などなど、本当にありがとうございました。
「にゃらコイン」を見たら「にゃらや」を思い出してください。そして、オープンしたらご来店ください。自分としては、来店の約束をしてもらった気持ちです。
▼「にゃらコイン」制作現場
大学の友人で、副業カメラマンを開始した Koki Takaishi が制作してくれました!ありがとうございます。というわけで、たのしく「にゃらコイン」を制作しています。
ところで「にゃらや」オープンの日は?
ひとまず、オープン日を「9/18(土)」に設定してみます。
基本的な営業時間は、週末土曜日、日曜日の15:00頃を予定しています。コロナの状況により、検討していきますので詳細は近くなりましたら告知します。
プレオープンは「にゃらコイン」を持っている方をご招待しようと思っています。追加の「にゃらコイン」の販売は、改装工事の現場を見ていただく会をやろうかなと思っていますので、そのタイミングか、せっせと作ってみた「にゃらや オンライン支店」でと考えています。(あとは「コイン買いたい!」とご連絡ください笑)
今回のnoteは、これでおしまい。
改装中の様子や、開店までの最新情報などは以下のSNSにて。店主のくだらないつぶやきも合わせてどうぞ。
Twitter:@nyara_masu
instagram:@nyara_masu
次回は、改装前「にゃらや」でやった落語の様子と、壁アート完成〜さよなら壁アートの様子をお届けします。
いつもてんやわんやで人生運転中で、まとまらない言葉も多いのですが、お読みいただきありがとうございます。サポートいただける方がいらっしゃいましたら、ぜひ。とても励みになります。