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パパ活嫌いの「ひらまつ 広尾」レビュー/感想 〜おばあちゃんの家の匂いがした〜

飲食店レビューも3件目になりますね。前回の「すしや宣」に続き、今回も広尾。オーナーシェフの平松宏之氏はミシュランで星を獲得した初めての日本人。高級レストランチェーンとして珍しい上場企業グループのレストランですね。今回は友人のバースデー祝いということでランチを嗜みに。

今回は自分一人分の支払いというわけではないので、ケチな私は真ん中お値段のコースを予約。

満足度によっては株主になることも視野に入れつつ、いざ広尾の地に立ちます。広尾駅1番出口から徒歩2~3分の位置に聳える趣ある外観のレストランが見えてきました。これがひらまつ。扉を開けると、アンティーク調の受付が。

建物自体は3階建てでトイレは2階にあるので、席に案内される前にお手洗いへご案内。すっきりしたところで3階のテーブルへ。

テーブルセットもエレガント

銀縁の大皿と可愛いお花ちゃん。手をかざすと上に噴き出すタイプの消毒液がなぞに楽しいテーブルセット。

まずはドリンクのヒアリングをされますが、ドリンクメニューはボトルしか無いらしく、地図のない状態で砂漠を彷徨うことに。まずは乾杯ということでシャンパンを注文。

乾杯のシャンパンDELAMTTE

さて、乾杯のシャンパンが来たところで、ドリンクメニューがないので、とりあえずペアリングコースを注文。そんなフレンチに行きまくっているわけではないのでスタンダードがわからないのですが、ドリンクメニューがボトルしかないってのはグランメゾンでは普通なのかな?

ドリンクを注文したところで、コースが開始。

チーズを練り込んだシュー

1品目はフィンガーフード。チーズを練り込んだシュー。焼きたてのようで、生地がふわふわしている。まずはこちらで胃を動かし始めます。

赤ピーマンのムースと冷製トマトスープ

2品目は赤ピーマンのムースと冷製トマトスープ。赤ピーマンとパプリカの違いがいまいちわからないものの、どうやら旬が赤ピーマンの方が遅めで、夏よりも秋寄りに美味しくなるようですね。

やはりパプリカとトマトの相性が良いのと同様、赤ピーマンとトマトももちろん相性が良い。意外と腹に溜まりますね。

子牛の胸腺のムニエル

3品目は子牛の胸腺のムニエル ~ 秋のキノコ添え。胸腺ってなかなか食べないですよね。ホルモン的な感じで噛み切りにくいタイプの部位かと思いきや、スッとナイフが入ります。味わいはミルキーで弾力の強い食感。

鰆の炭火焼き

4品目は関西の鰆。皮目をパリッと、白身をふわっと炭火で焼いた感じ。ヴァン・ジョーヌといぶりがっこを合わせたソースに和梨を添えたもの。

この辺からひらまつが本気を出してきた感覚。なんか炭火で焼いたり、いぶりがっこ使ってきたり、フレンチの調理にジャパニーズテイストが入ってくるとテンション上がりますよね。

特にいぶりがっこのソースが鰆と相性良く、さっぱりした味わいでした。

鹿肉のステーキ

5品目は鹿肉のステーキ。鳥取で採れた夏の鹿。北海道の蝦夷鹿をイメージすると全然違う。どうやら獣臭さがないことに定評があるという。以前行った「銀座大石」のメインも鹿肉でしたが、今の時期は鹿肉が多いのかな。

フレンチのステーキと言えば鹿肉みたいな感じのイメージが個人的に定着してきてしまいましたが、食べてみると、大石の鹿肉とは少し違う。

大石の鹿肉は獣臭さを減らしつつもやはり野生を感じる感じでしたが、ひらまつの鹿肉は野生を徹底的に排除してきた感じ。

もちろん火入は完璧で、ナイフを入れるとスッと通る柔らかさがありつつ歯ごたえもしっかりとしている。

んまい。

チーズのアラカルト

6品目(アラカルト)はチーズ。メインメニューが終わったタイミングでチーズのカートを押したお姉ちゃんが営業に来る。20種類くらいのチーズから好きなものを選んでハチミツと一緒にいただく。

個人的にはチーズが特に好きなわけではないので、頼まなくてもよかったかなと後悔。以前某レストランでトリュフをおすすめされたときは断れたのに、チーズをつまむ程度のアレだとなんか楽しくなって注文しちゃうんだよね。

アニバーサリーケーキ

コースとは違うのですが、友人のバースデーでと伝えておいたら、アニバーサリーケーキのサービス。これは嬉しいですね。ケーキのサイズ感もこのタイミングで出てくるにふさわしいサイズで、銀の蓋を開ける楽しみも。

ありがとうございました。

デザート

7品目はデザート。長野の洋梨のコンフォート。わたあめにビターキャラメルをかけて溶かすパフォーマンス付き。動画を撮影してみたものの、これはいまいち映えないなと失笑。

こちら、映えはいまいちでしたが、味は美味しかった。甘いアイスと洋梨にビターなキャラメルがマッチ。甘いと苦いの相乗効果♪

ひらまつ 広尾 レビュー/感想 まとめ

お値段   :3万強(コース:13,000円/ペアリング:11,000円/乾杯:3,900円/エビアン:1,200円/サービス料15%)
コスパ   :ドリンクとサービス料が高い!
パパ活注意報:テーブルが分かれていて、テーブルごとの距離も離れているのでパパ活に襲われる心配は無い!

ひらまつ 広尾。料理はもちろん美味しく、接客も気持ちよく、何よりおもてなしの心が素敵でした。とはいえ会計を開いた時の感覚としては「うお!たけーな!」って感じで、感性としてのコスパは悪い。

この手のレストランでペアリング11,000円だったりサービス料15%ってのは、めちゃくちゃ高いってわけではないものの、ドリンクメニューが貰えなかったりしたことから、入店時の想定していた値段(食べログだとランチ10,000円~15,000円くらいの表記)から不意にブレていた事が、サービスや料理に対しては妥当な値段だったとしてもこちらの気持ちとしては渋くなってしまったのかなと思う。

とは言え、本件に関しては俺がまだまだ高級料理店に慣れていないがゆえに起こったエラーなので、お店に非があるわけでは無い。

なので、「これからフレンチや高級料理を趣味にしたい」とか「彼女の誕生日祝いに奮発してレストランを予約しよう」といった心持ちでこの記事に辿り着いた人は、ドリンクのペアリングは1万円前後ってことと、高級店を予約するときはサービス料を確認しておくこと。何より、かっこつけずにドリンクの値段は聞く。

もしくは、ドリンクに関してこちらの予算を先に伝えておくなどのアプローチをしておくことを覚えておくと、サプライズ会計に怯えず料理を楽しめるので、ここは参考にしてみてほしいです。

ペアリングのワイン

さんざん高いと文句言っておきながらもお気に入りだったペアリングのワイン。なんか、子供の頃おばあちゃんの家に家族で帰省するとき、5時間の旅路を経て車から降りた時に感じたあの匂いを思い出した。雨上がりで濡れたアスファルトが乾くようなあのなんとも言えない郷愁。


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