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働くのが辛いワケ~労働力に頼って、教育や設備投資を惜しんでいる日本企業!?~

「日本の設備投資の低迷が20年続いている」今朝の日経新聞で目に留まった記事です。

私たちを日々苦しめている「人海戦術に頼った企業風土」「低賃金な労働条件」「上がらない給与」などに寄与している気がしたので纏めました。

日本の経済成長率は、2001年からコロナウイルス危機前の2019年まで、年平均0.8%にとどまっていた。これは、米国(2.1%)や英国(1.8%)と比較すると大きく水をあけられたかたちになっています。色々な原因が語られますが、その一つに「設備投資の停滞」が考えられるという内容。

新たな機械やソフトウェアの導入は生産性を高める上では無視できません。実際、経済学の成長理論では成長率と資本増加率は一定の関係があると言われています。ただ、設備投資にはお金がかかる。余力がない状況での設備投資は、なかなか難しそうです。とはいえ、それに関していうと、日本企業は稼ぎを減らしてきたわけではありません。

具体的には、財務省の法人企業統計調査によると、経常利益の直近のピークは18年度の84兆円。アベノミクスが始まった12年度からは73%増えている。それでも、この期間の設備投資は42%しか増えていない。

一方、興味深いのが働く人の数。日本は長らく人口減少が進んでいるにも関わらず、働く人の数は10年間で378万人増えています。特に女性や65歳以上の働き手が多くなっている。

要するに「設備投資できるお金がないわけではないが、設備投資への割合は少ない」「女性や65歳以上の活躍により働き手が増えている」状況なのです。それに対し、一橋大学の深尾特任教授は以下のように語っています。

企業は割安な労働力の投入を増やし、労働を節約するロボロボット投入などを遅らせた可能性がある

そこに重ねるように、日本企業は人材投資(教育訓練など)の比率も伸び悩んでいるとのこと。人を成長させて、モノを投入させて成長を目指すという発想に乏しいのかもしれません。なんだか、読むほどに悔しくもなってきます。

実際、業務コンサルに入っていると人海戦術で業務を回し疲弊している方たちを多くみます。前述の通り、経営層は企業成長に向けて、教育やシステム導入などによる雇用の質向上の努力が必須だと思います。見えないものにも、しっかり投資を。

ただ、これを企業側だけの問題にして文句を言って終わらせてしまうほど、私たちの人生は長くありません。私たちも「個」として自分の人生を考えましょう!と言いたいのです。

ExcelやWordの知識を上げるとか、社内でやりづらい仕事を業務改善してみるとか半径5メートルの範囲を変えていく。組織を変えるほどの大変革は起こりませんが、変化は絶対に起こります。その積み重ねが自分の人生を豊かにしてくれます。(実際に転職活動で「社内業務改善を進めました」というのは実績になると聞きます)結果、ステップアップしていくという道も開けるはず。

何が言いたいのかというと、今起こっている問題は、自分が働く企業だけに限らず日本各所で起こっているのです。なかなか大きな問題…。だからこそ企業はその問題に向き合ってほしい。だからこそ、その中で働く私たちは自分でコントロール出来る範囲から少しずつ改善を進められればと思うのです。

その一助となる発信を今後もしていきたいです。

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