消えない不安
普段通りの朝
両腕の調子も昨日に比べるとまあまあ良い
いつも通り担当患者のリハビリが終わって夕方になると調子が悪くなる
こんな毎日が2週間ほどたっただろうか
一向に改善されない症状と原因がわからない奇妙さに
周囲の勧めもあって、勤務先の『神経内科』を受診することにした。
神経内科は常勤医師がいなく、J大学から週2回非常勤で来ている医師だった。
「こんにちは。うちの理学療法士さんだってね?今日はどうしたの?」
「えっと、最近疲れが酷くて、特に夕方になると手が震えるんです。」
診察が始まり、これまでの症状を一通り話す。
夕方に診てもらったのもあって、案の定私の手は震えていた。
簡単な脳神経検査や筋力検査をして、医師はこう告げた。
「うーん。今の段階で原因は特定できないけど本態性振戦だろうねえ。
まあ、あまり無理のない範囲で仕事やったら良いんじゃないかな?
震えが気になるようだからインデラルっていうお薬出しておくね。
また、何かあったら来て。精密検査がしたいならJ大学に紹介状も書けるから。」
「そうですか。わかりました。」
仕事を休んでJ大学まで行くのも面倒くさかったので精査は希望しなかった。
そして、処方された薬を飲みはじめたが効果はイマイチ。
でもまあ、なんとか仕事はこなせている。大丈夫だろう。
だけど、症状が続くことで徐々に増していく不安。
【本態性振戦】
果たして本当にそうなのだろうか。
考えるとどんどん不安は押し寄せてくるので、とりあえず一旦考えないことにする。
大丈夫、大丈夫。
そう自分に言い聞かせながら。
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