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【脚本】アイツとソイツと恋ツ


テーマが【ラブストーリー】です。
原稿用紙10枚分になっています



アイツとソイツと恋ツ(仮)

               たらお
【登場人物】

紗奈(17)高校2年 おとなしい
優也(17)高校2年 マイペース
瑠花(17)高校2年 大人っぽい容姿 役員
智樹(17)高校2年 ヤンチャ

他生徒数人



○空(昼)
   手を空に向けている、紗奈(17)。
紗奈「今日も眩しいな」
   振り返ると瑠花(17)がいる。
瑠花「行くよ」
紗奈「うん」

○学校•廊下(午前・休憩時間)
   紗奈と瑠花、歩いている。
   後ろから走ってくる智樹(17)。
   体がぶつかり、よろける紗奈。
   抱き止める、瑠花。
智樹「おっと、ごめんな」
   再び走り出す智樹。
   前方を歩く優也(17)の背中をポンと叩くと一緒に歩いていく。

○学校•階段(午前・休憩時間)
   大箱を抱え階段を降りてくる紗奈。
   階段を上がってくる優也。
優也「ちょっと」
紗奈「(前が見えていない)?!」
優也「落ちるよ」
   箱を持ち上げ階段を降りる、優也。
紗奈「ありがとう」
   箱を渡し階段を上がっていく、優也。

○学校•教室(午前•休憩時間)
   後ろの壁にもたれかかりスマホを見ている紗奈と瑠花。
   優也と智樹他数人が談笑している。
紗奈「いつも楽しそう」
瑠花「これぞ青春の1ページってやつ」
紗奈「いいよね」
瑠花「ウチらもこれから作るんだよ」
紗奈「うん」

○学校•玄関(放課後)
   雨が降っている。瑠花、傘がない。
   智樹と優也、傘を広げ歩き出す。
   智樹、瑠花の方に走って来る。
智樹「これ貸すわ」
   瑠花に傘を渡すと走っていく。
   優也の傘の中に入る、智樹。
   瑠花、傘の柄を握りしめ歩き出す。
   下駄箱から様子を見ている、紗奈。

○教室•廊下(休憩時間)
   瑠花と優也、話をしている。
   紗奈、知らぬ顔で通り過ぎる。
優也「それってアイツの事好きって事だよ」
瑠花「はぁ(ため息)」
優也「恋にルールなんてないからな」
瑠花「アタシより女みたいな事うね」
優也「あ、俺、恋する乙女だから」
瑠花「何言ってんだか」
   瑠花、優也を押す。
瑠花「今の話、アイツにはナイショね」
優也「了解」

○教室•入口(昼休み)
   智樹、紗奈の所に来る。
智樹「あのさー、優也知らない?」
紗奈「いないの?」
智樹「さっきから居ないんだよな。クソでもしてんのかな」
紗奈「(微笑)2人仲いいよね」
智樹「まーな」
   智樹、周りを見渡す。
智樹「お前さ、アイツの事好きなんだろ?」
紗奈「え?」
智樹「ま、がんばれや」
智樹、紗奈の肩をポンと叩くと行ってしまう。

○学校•教室(放課後)
   教室に戻ってくる瑠花。
紗奈「お疲れさま」
瑠花「役員会面倒いなぁ」
紗奈「そんな事、言わないで」
瑠花「変わってよ」
紗奈「無理。瑠花ちゃんが役員だからクラスがこう、まとまってるんだもん」
   瑠花カバンを持ち始める。
瑠花「あのさー」
紗奈「なに?」
瑠花「紗奈ってアイツの事好きなん?」
紗奈「え?」
瑠花「智樹がそう言ってたからさ」
紗奈「え?」
瑠花「実際はどうなん?」
紗奈「いいなって思ってる位かな」
瑠花「ソレ、好きなんじゃん」
紗奈「瑠花ちゃんも誰かいるんでしょ?」
瑠花「まぁね。あ、バレンタイン近いし、告る?場所作るよ」
紗奈「え?」

○ファミレス(放課後)
   紗奈、瑠花、優也、智樹の4人。
紗奈「(緊張)男の人とこうゆうの初めて」
優也「学校で話す感じで大丈夫」
紗奈「うん」
   4人の談笑が始まる。
瑠花「……て事で、スマホのメモ帳に好きな人の名前を書いてせーので、よろし?」
   3人うなずく。
   4人スマホを持ち上げ打ち込む。
瑠花「では、せーの」
   4人スマホの画面を見せ合う。
   紗奈は(瑠花)瑠花は(紗奈)
   優也は(智樹)智樹は(優也)
   の文字。
瑠花「な、なにこれ!」
   瑠花、紗奈の方を見る。頷く紗奈。
瑠花「アイツって、優也だと思ってた」
菜美「瑠花ちゃんは智樹君だと思ってた」
瑠花「んな事ないわ、コイツなんて」
智樹「お前は、同志だ」
瑠花「同志って何よ」
   瑠花、向かいに座る2人を見比べる。
瑠花「ソッチはソッチで何!あーもー意味わかんない」
智樹「俺さ、アイツしか言ってないよな?」
瑠花「そう言えば」
智樹「なんか同じ匂いすんなって、な優也」
優也「あ、俺コイツの知ってた」
智樹「マジで」
優也「ナイショって言われたから」
   智樹、人差し指を口元に置く。
智樹「ナ•イ•ショってか?」
   不貞腐れる、瑠花。
   瑠花の背中をゆっくり撫でる、紗奈。
優也「紗奈ちゃんは優しいよなぁ」
智樹「あー、こうゆう所に惚れたか」
瑠花「だったら何よ」
智樹「俺もコイツの事好きになってなきゃ、紗奈ちゃんの事好きになってたかも」
瑠花「紗奈はアタシのだからダメ」
智樹「なんか俺ら似てんな」
瑠花「何が?」
智樹「相手に対する好きの度合いがさ」
瑠花「何ソレ」
   瑠花と智樹、話が止まらない。
   優也、コーヒーを飲み干す。
優也「こないだの雨の日、俺が瑠花に傘貸してやろうかなって話したら、智のやつ自分の貸すってさ」
紗奈「その話聞いた。アイツちょっといいヤツだなって言ってた」
優也「そのあとアイツ、俺にひっついてくんだよ、それがやりたかったんだろうね」
紗奈「なんか可愛い」
優也「口は悪いけどね」
紗奈「同感。2人とも似てる(微笑)」
   優也と紗奈ドリンクを取りに行く。
   瑠花と智樹、話に夢中で気が付かない。

   ×  ×  ×

○道(昼)
テロップ 数年後
   指輪をはめた手を空に向ける、紗奈。
紗奈「今日も眩しいな」
   振り返ると瑠花、優也、智樹がいる。
瑠花「行くよ」
紗奈「うん」
(おわり)

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