雪の日に
自分の意志とは関係なく、空から舞い降りてきた雪は、先に降り立った雪とともに、地面を真っ白に染めていく。
16キロを超えた息子を背負って、窓から降り積もる雪を見ていると、なんだか人間も雪と同じだな、と思った。
自分の意志とは関係なく、ある日突然この世界に降り立って、そして、この世界で過ごしたのち、まるで何事もなかったかのように跡形もなく消えていく。
きっと、以前の自分なら、ここで絶望を感じたり、もしくは、恐怖心を抱いていたに違いない。
でも、このとき、それで構わない、それでもこの世界に降り立って良かったな、そう思えたのは、私の背中にお気に入りの本を広げて寛いでいる自由気ままな可愛い生き物のおかげでした。