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にゃるらが読んで面白いと思った本15選 2022

 ↑去年の。

 2022年に読んだってだけで、去年の本でないのも混じっていますが、別に面白い本ならなんでもいいよね。

↑こっちは曲。


・人でなしの恋

人気シリーズ「乙女の本棚」第28弾は、文豪・江戸川乱歩×イラストレーター・夜汽車のコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。

人でなしの恋、この世の外の恋でございます。

美男子と結婚して約半年。ある日夫の奇妙な行動に気づき、その後を追ってみると……。

 名作短編小説に、今をときめくイラストレーターの挿絵を足していく『乙女の本棚』シリーズの新刊。今回は江戸川乱歩×夜汽車先生で、とても自分好みの一冊。大満足!

 江戸川乱歩の中でも耽美な短編と、夜汽車先生の美しいイラストの組み合わせがたまらない。もちろん、乱歩の作品は青空文庫でも読めるわけですが、この作品に込められた「美」の部分を存分に堪能するため、ぜひ乙女の本棚シリーズの方でも手に取ってもらいたい。

 大好きな夜汽車先生に、イラストを依頼できて嬉しい!


・哲学と宗教全史

 タイトル通り、哲学と宗教について歴史順に解説してくれている立派な本。
とは言え、このような本は何種類かあるわけで、なぜこの本を特筆するかと言いますと、単純な読みやすさや著者の思考も入っている面白さもありますが、なんといっても著者の経歴。
 著者の出口さんは、あのライフネット生命の代表なのですが、「保険会社の代表なのだから、人間について知っておくべきだ」といった考えから、哲学と宗教を順に語れるほどに学び尽くした経緯となっております。
 これまで、自分は保険会社について「寿命を勘定している者たち」なる偏った認識しかありませんでしたが、人の命に携わる商売だからこそ、哲学と宗教を網羅しようとする精神性に脱帽。
 なるほど。こんな思想の人間であるからこそ、巨大な組織のトップに立てるわけです。そういう視点からも楽しめる、これまた読み応えある一冊でした。


・13歳からの世界征服

「中田先生、なぜ人を殺してはいけないのですか?」「人を殺していけない根拠などありません」子どもたちの抱える普遍的な悩みにイスラーム学者が答えたらこうなった。壊れた社会を生きていく上で、私たちが本当に知っておくべきこと。

 解説文にある「人を殺していけない根拠などありません」の通り、イスラム学者の中田先生らしい、まず「神」の存在ありきな人生相談への返しが刺激的な本。「人を殺していけない」は人間が決めたルールですから、従う必要はない。しかし、現代で人を殺した場合、とうぜん面倒くさいことになる覚悟はしておいてねって補足付き。もちろん信仰している「神」が殺人を咎めているなら従うべきなんですね。
 こういった綺麗事なしの返答でバサッと切っていくのは痛快。将来に悩んでいる子供に対し、「だいたいの人間は役に立たないから大丈夫」という諭し方するのも中田先生ならでは。誰もが優秀じゃないから気にするなと大人にきっぱり言われると、それが希望になる方も少なくないでしょう。
 宗教に人生を捧げてきた方の生き方に対する心得、一度読んでみても絶対に損はないと言いきれます。


・万事快調〈オール・グリーンズ〉

満場一致で第28回松本清張賞を受賞
時代の閉塞感も、小説のセオリーも、すべて蹴散らす、弱冠21歳の現役大学生による破格のデビュー作

このクソ田舎とおさらばするには金! とにかく金がいる! だったら大麻、育てちゃえ(学校の屋上で)。

茨城のどん詰まり。クソ田舎の底辺工業高校には噂があるーー。表向きは園芸同好会だが、その実態は犯罪クラブ。メンバーは3人の女子高生。彼女たちが育てるのは、植物は植物でも大麻(マリファナ)だった!
ユーモラスでオフ・ビートな文体が癖になる、中毒性120%のキケンな新時代小説

 編集さんに勧められて読んだ小説。

 上の記事でも感想を書きましたが、やはり「女子高生が屋上で大麻を育てる」というあらすじの時点で面白い。細かい事を抜きにして読んでみたくなる力強い導入ですね。そのうえで、作者が21歳の若者であることが最大限に活かされ、登場人物たちの若い感性にたいへん説得力がプラスされている。
 登場する女子高生や男子中学生の言動や趣味嗜好が現代的で、田舎の若者たちがどのようなサブカルや絶望を経て、アングラな世界へ入っていくかが丁寧に描かれる。それでいて、あらすじの通り豪快な描写が面白く、これは満場一致で賞をとっても当然だとわからされる一冊でした。


・90年代サブカルの呪い

90年代サブカルの呪い
鬼畜サブカルを反省したり反省しなかったりしているアホどもへ
奥崎謙三、『ディープ・コリア』、井島ちづる、小山田圭吾、悪趣味、「危ない1号」、山田花子、死体ブーム、ロリコン、電波系、Quick Japan、金井覚、山塚EYE…
90年代サブカルという特殊な文化を今の価値観で振り返り、怒り狂っているヤバい単細胞が昨今目立ちます。彼らによる考察ならびに反省は、一見まともでも的を射ていないものが実に多く、世間に間違った解釈を広めてしまう害悪でしかないのです。
この負の連鎖を食い止めるべく、誰よりも正しいミュージシャン、そう、ロマン優光が(ぼんやりと)立ち上がった次第であります! ヒット作『間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに』の続編となる、サブカル本第2弾!

 小山田さんの件によって話題になった90年代鬼畜サブカルについて、当事者目線で語ってもらえているなんともありがたい本。
 なぜ鬼畜ブームが起こったか、90年代の空気はどうだったか、鬼畜系ライターと呼ばれた方々はなにを書いてなにを企画したのか、しなかったのか……あの時代の空気が正しく紐解かれる。

 思うに、Twitter黎明期も同じ空気があり、どれだけ不謹慎なことが言えるかなど匿名掲示板の雰囲気を引きずっていたのですね。しかし、それはまだ空気が固まっていなかっただけで、誰が責めることができるかとも思いますし、価値観はつねにアップデートされていきますから。
 ただ、「露悪」の基準の勉強として90年代サブカルが築いたもの、壊したものは知っておくべきだと感じます。


・村崎百郎のパンデミック時代を生き延びろ!②「鬼畜のススメ」誕生編 ~中学生日記からサブカル芸術論まで

2010年に精神を病んだファンを騙る男に刺殺されて亡くなった、
元祖「鬼畜電波系ライター」村崎百郎の処女作にして唯一の単著であり、サブカルチャーのアンダーグラウンドな一冊『鬼畜のススメ』の第2巻!
村崎百郎本人の未発表文(中学生時代~)を中心に、サブカル芸術論や対談、小説で構成された本書は『鬼畜のススメ』第1巻を読んでいても読んでいなくても楽しめる内容となっている。

 ということと関連して、「鬼畜電波ライター」と呼ばれた個・村崎百郎の本を。
 一冊目の方が、ゴミ漁りのレポートなど過激さが強いのですが、今回は若い頃のポエムやサブカル論など、もっと村崎百郎氏の真に迫るような内容。
 上記の「90年代サブカル」と併せると、いかに村崎百郎氏が「こんな人間はにならないように」と細心の注意を払いながら鬼畜を演じてきたかがわかります。
 このあたりの調整は本当に難しいことで、それでも「この電波な内容を真似しよう」と思ったお調子者が登場したら終わりなわけで……。かと言って、穏やかな内容を書いて生きていけるようなライターたちではない。そうこうしているうちに、どんどん若者たちは過激になっていき……と、まだインターネットが人口に膾炙していない時代の、アンダーグラウンドな人間たちの生き様を感じてみてください。

↑ 1巻はこっち。こんな超がつくアングラ文化が存在した時代を感じてください。


・キェルケゴールの日記 哲学と信仰のあいだ

キェルケゴールは、実存主義の祖とされる19世紀の哲学者です。合理的な近代の理性だけではわりきれない、「実存」としての人間に注目した哲学者、というのが教科書的な解説です。
ただ、近年、彼の哲学は、それだけではおさまらない深さと広がりを持つことが注目され、再評価されつつあります。
彼は、キリスト教国家であるデンマークに生まれ、生涯、信仰と哲学について、考え続けました。
その思索がなまなましくつづられたのが、彼の日記です。

 キルケゴールの本を読み漁るのにハマっております。

 詳しくは、上の回の日記にも書いておりますが、キルケゴールは特殊すぎる家庭で生まれた敬虔なキリスト教徒です。そんな彼の日記もまた、つねに「信仰」について書かれ、彼がどれだけキリスト教のために生きてきたかが痛いほどに伝わります。
そう、信仰のためであれば全てを投げ捨ててしまうほどに。
なにかと宗教が話題となった昨今、頭ごなしに信仰を否定するよりも、まずは文化としての宗教について知り、敬虔な信徒として生きることの美しさや幸福、その文化を一度頭に入れておくことは「善い」ことであるように思えます。
 僕は毎日日記を書いている身でありますから、そもそも他人の日記を読むこと自体は参考になるという意味でも大好きなのですが、キルケゴールの場合はすべてが「信仰ありき」であり、そこから全くブレないので読書感がたいへん気持ち良い。
 心の切り替えをする時用にでも、一冊本棚に置いておくことを推奨するくらい、純粋な想いのみで構成された本です。


・一私小説書きの日乗


2011年3月から2012年5月までを綴った、平成無頼の私小説家・西村賢太の虚飾無き日々の記録。賢太氏は何を書き、何を飲み食いし、何に怒っているのか。あけすけな筆致で綴る、ファン待望の異色の日記文学、第一弾。

 先日、タクシーの乗車時に気づいたら亡くなっていたという芥川賞作家・西村賢太さんの日記。
 西村賢太さんは、学歴もなく、暴飲暴食に昼夜逆転を繰り返していまして、日記を読めば読むほど、これは早めに対処しないと大変だとわかってくる。しかし、もう止めることは不可能であるし、この人はこういった生き方を自ら好きで行っている。こういう人生もあるんだと分かる。
 文才という大きな才能がありながらも、一人でひっそり生きることを選び、好きな時に寝て食べて飲み、おそらく自分でも気づかないタイミングでコロっとタクシーの後部座席で倒れる。そのような人生を選んだ作家の最期として、安らかで幸せだったのかもしれません。


・キリンに雷が落ちてどうする 少し考える日々/品田遊

ダ・ヴィンチ・恐山こと作家・品田遊が、2018年から毎日欠かさず投稿を続ける日記「ウロマガ」(居酒屋のウーロン茶マガジン)。1642日分の投稿から厳選した記事を全文加筆修正、再構成して、エッセイからコラム、小説まで品田遊の鮮やかな表現をたっぷり味わえる超贅沢な一冊が出来上がりました!
1ページ目から読み進めるも良し、気になる見出しを読むも良し、たまたま開いたページを読むも良しの、読みどころがぎっしり詰まった328ページ。

 元から購入予定でしたが、本人から献本を頂いて嬉しくなった。
 恐山さんは、自分と同じく「ただTwitterをやっているうちに、作家っぽくなった」存在であり、同年代かつ活動の内容も親しい部分があるので、その相手の日記(思考や感情のパターン)を読めるのは貴重なことです。なかなか居ないんですよ、毎日他人も読める想定での日記を書き続ける人。向こうは1600日分で、自分は1000日分ですから、600日分僕が後輩なんですけど。数字インフレバトルか?

 ↑詳細な感想は、上でも書きました。

 ちょっとだけ真面目な話をすると、こうして自分の考えを投稿するだけでも、もはや偉いことだなと感じます。どこで誰に叩かれるか分からない世界ですからね。「それが世間的に間違っているかはともかく、自分はこう思っているんだよ」って前提、インターネットでは通じない。すぐに思想を矯正しようとする人間や人格否定マンが現れます。なんなら、どんなに気をつけて書いても、必ず曲解して叩いてくる/傷つく方もいます。そんなリスクが目に見えてなお、自分の意見を発信することはカッコいい。
 どんどん、それだけのことが難しくなっていく世界はイヤだな~と感じつつも、子供の頃からスマホを持っている世代は、どんどんネット慣れして強くなっているので心配ないかもなって嬉しくなる気持ちもあったりする。


・中野ブロードウェイ物語

《竣工55周年記念出版》
来る者を拒まず、去る者を追わず――
その存在は常に変わりゆく時代とともあった。
1966年から変転を続けるNBW(中野ブロードウェイ)の世界へようこそ

 中野ブロードウェイについての歴史について書かれた、これまた中野に住んでいる人間しか、その真の魅力が伝わりにくいニッチな本。だがそれがいい。

 読んで改めて感じましたが、やはり特異点ですよね中野。表向きの「オタクの街」を秋葉原が担っているおかげで混沌としたサブカルチャーの街を中野が形成できている。なぜそんなことになったのかの歴史を紐解く一冊として良い本だと思います。


・失われた未来を求めて

資本主義の〈外部〉を見据え
アリスのようにウサギの穴から落ちること——
カール・マルクス、サイバーシン計画、L S D、反知性主義、再魔術化、そしてアシッド・コミュニズム。
過去と現在を行き来し、亡霊のように彷徨う〈ありえた未来〉を幻視する旅は、やがて60年代サイケデリクスとカウンターカルチャーの可能性を再び蘇らせる。
世界の変容を志す新たな覚醒のために捧げる16篇。

 表紙が綺麗! まず、これがとても素晴らしい。木澤さんも編集さんもすごくセンスが良い!
 内容はひたすらサイケデリック! 不思議の国のアリスからLSDまでなんでもござれで、淡々と語られていくアンダーグラウンドでサブカルな文章の嵐が小気味好い。帯文にある「アリスのようにウサギの穴から落ちること」と書いてある通り、アリスについての不思議な話から始まるこの本は、まるでサイケな世界へ迷い込んでいくような味わい。
 これは説明するのが本当に難しく、今回紹介した中でも特に人を選びますが、この世界全体の資本主義を巨大なバッドトリップと解釈する大胆さに惹かれた方には是非読んでもらいたい一冊でした。

・横井軍平ゲーム館: 「世界の任天堂」を築いた発想力

任天堂で数々のヒット商品を生み出した天才開発者・横井軍平。知られざる開発秘話とクリエイター哲学を語った貴重なインタビュー

 初期の任天堂を支え、『ドンキーコング』『バルーンファイト』『Dr.マリオ』『ファイアーエムブレム』『マリオペイント』『パネルでポン』『ヨッシーのクッキー』をプロデュースしたすごい人。もちろん、それ以外にもたくさんの任天堂製品に携わり、他社ではワンダースワンの開発陣としても活躍。だから『グンペイ』なんですね。
 横井氏の考え方として、『枯れた技術の水平思考』が有名でして、要は「最新技術に頼るよりも、古臭くても今ある技術を応用して面白い発想で勝とう!」のような思考がありまして、実際に横井氏が手掛けた作品を見てみると、たしかに発想の勝利なんですね。上に引用したタイトルを参考にしてもわかりやすいですね。『ラブテスター』などのオモチャの方がわかりやすいかな。

 二人で手を握にあったらメーターが揺れる……説明するとただそれだけの仕組みを、ここまで大ヒット商品に昇華するアイディアマンっぷりに感服。
 そんな横井氏に関する本は長らくプレミアムで手が出しづらかったのですが、最近見てみたらなんと新しく編集されていました! 単行本だと1万3千円なのに、文庫サイズなら800円! これは買わない手はない……。
 あまり内容に触れておりませんでしたが、そんな横井氏の思想がふんだんに収録された名著ですので、この値段で買えるのならば絶対に損はないと言い切れる一冊であります。

・モンドリアンと抽象絵画

モンドリアンの絵画を中心に、カンディンスキー、マレーヴィチの三大抽象画家、そしてフランスの抽象画家ドローネーの作品を収録しています。
モンドリアンの「灰色の木」→「花盛りの林檎の木」→「花盛りの木コンポジション(木2)」→「コンポジション9」と
林檎の木のモチーフが、次第に抽象的に描かれていく過程や、
代表作「コンポジション」の見方について解説しています。

 最近、モンドリアンの絵をよく眺めるようになりました。

 なにが好きでどうとかは、上の記事で書いたので読んでみてね。
 というか、紹介している本にすべて書いてあり、しかもこの本、108円です。ジュースより安い! とりあえず買って、パラパラめくるだけでも面白いと思います。飲み物我慢して、ちょっと美術鑑賞してみる時間があっても良いのではないでしょうか?
 惜しむらくは、そこまで多くの絵を収録しているわけでないことですね。代表作は網羅していますし、108円では十分な程ですが。後半では、近い感性の印象派の作品も紹介されていますので、次はそこを漁っていくと楽しいかもなってガイドもされていて良いぜ。


・押井守のサブぃカルチャー70年

「昭和の白黒テレビ」から「令和のYouTube」まで。
監督・押井守がエンタメ人生70年を語り尽くす!
1951年生まれの監督・押井守が、ほぼ初めてふれたエンタテインメントだと語る『赤胴鈴之助』から、現在ハマっているというYouTubeまで――。約70年にわたって親しんできた映画、TVシリーズ、漫画、アニメなどをその思い出とともに振り返りつつ、戦後日本がエンタテインメントを通じて何を表現し、社会を映し出してきたのかを語ります。

 押井守監督がサブカルチャーについて語るだけのニッチな本。僕は、押井守の大ファンですので構いませんが、そうじゃない場合に満足できるかは保証できません。押井さんの口から、宮崎駿・庵野秀明などの名前がでたときに興奮するタイプのオタク向け。

 特筆すべきは、押井守監督が、あの年齢でYoutube文化に明るいこと。さすがオタクとしての年季も違います。最新作『ぶらどらぶ』でもVtuber要素がそこかしこにあり、最近のオタクコンテンツも追いかけている姿勢にニッコリ。

 そういうこと。


・他人が幸せに見えたら深夜の松屋で牛丼を食え


市井のオッサンたち200人が、心の底から語る人生の教え
立ち飲み屋や大衆酒場に足を運び、そこで出会ったオッサンたちに尋ねてみる。

「長年生きてみて知り得た人生の教訓とは?」

アルコールが入ってるからこそ聞けた本音。
中には愚痴や後悔のようなものも少なくない。
が、ひとつ確実に言えるのは、酸いも甘いも噛み分けてきたオッサンたちの言葉には、
とてつもなくリアルな説得力があるという事実だ。

 なにかを成し遂げた偉人たちでなく、そのへんの飲み屋で酔っ払っているおっさんから、無理やりなんらかの教訓を聞き出して一冊の本にした凄いコラム集。

 一般人から、だからこその意味というのは確実にある。
 成功した人間の言葉は、それだけ才能と実力を持つ者の言葉であり、それらに共感するのは同等の才能がある人間だけ。アルコールをグビグビやりながら心底美味しそうに焼き鳥を頬張る、そんなどこにでもいるおっちゃんだからこそ、妙な説得力があったり、トンチキすぎて面白い教訓が繰り出せる。無責任な立場だからこそ、本音が吐き出せるのでしょう。

 そういった点では、普通の人のTwitterアカウントも好きだ。何気ない日常や、ちょっとしたヤンチャな行動が連ねられ、その人間の飾らない価値観や人格が見えてくる。なにも、意味性の強い発言だけが世界を構築しているわけではない。一見、無意味な思考が重なっていくからこそ、人生には彩りが生まれていくと思います。


 終わりです。
 今年もいっぱい本を読みます。






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