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一口エッセイ:日記で他者の思考を浴びる


 僕の日記が3年目へ突入しました。もう700回以上も休むことなくエッセイを投稿しているわけです。日記をまとめた同人誌も無事に5冊目となりました。よかったら、BOOTHなどで手にとってみてね。
 それとは関係なく、品田遊さん……Twitter上ではダ・ヴィンチ・恐山さんから『キリンに雷が落ちてどうする 少し考える日々』という新刊の献本を頂きました。ありがとうございます♪



 この本は、恐山さんが毎日noteで連載されている日記をまとめた一冊でして、このように毎日日記を投稿している僕も、現在進行形で同世代の他人の日記を読む経験は初めてなので、とても嬉しくなってすぐ読み終えてしまいました。やっぱり、僕は他人の自分語りや感情・思考を覗くことが大好きです。日々、考えたことを文字に起こすだけで人間はこんなに面白いのだ。素晴らしい。
 みなさんも思ったこと・感じたことはどんどん出力していくべきだ。イラストでもエッセイでもいいし、創作の形で物語にして大掛かりにしてもいい、別に140文字内の呟きの形でも素敵なことです。感性とはそれだけ十人十色の重要なものなので、特に10代の方々は、例えくだらないツイートの形であろうとも、掛け替えの無い若い感情を残しておくべきです。それは、10年後には消えているものかもしれないから。
 ネットの情勢や世論が目まぐるしく変化していく現代ですから、特に、他人に影響される前の「自分の意見・感想」を書き込んでおくことで、自我に根を張るのは大切でしょう。インターネットの流れに飲まれて自我を失うと、まとめサイトのような思考や言動しかしなくなる。僕は、それがかなりゲームオーバーに近いことだと感じているので、匿名の意見や掲示板を覗くことは意識して避けています。自我への真の理解者は、自分とその周辺人物であるべきと思う。
 それはともかく、恐山さんの日記で最も共感した部分は、「SNSでは、他人に期待しない生き方を推奨する文が流れてくるが、それは悟りの境地であって常人ができるものではないのではないか(意訳)」です。同じようなことを、僕も「誰にも期待しないのが人生のコツ」的なツイートが流れてくるたびに感じていた。「他者」を必要としない悟り、または超人のような存在へ、そう簡単に辿り着けるわけがない! そんなに一般的な人間が強い存在だったら宗教も哲学も要らないよ! そんなに他者へ、人類へ絶望したフリをするなんてシャアかお前は。これには、ヴィトゲンシュタインを好んで「他者」の概念に興味が強いのであろう恐山さんも思うところあったのではないか。
 ……と、このように共感であったり、己にない考え方の発見ができるのは他人の日記の魅力です。自分は、まだまだインターネットの力に期待しているから、僕らのようにTwitterで文章投稿していたら、いつの間にか作家のような立ち位置で本を出すことになる謎の人間が、これからもSNSというある種のスラムから生えてくることを楽しみとしているのですね。

 毎日の日記をまとめた同人誌(新刊出たばかりだよ)や、商業エッセイ集をよろしくね♪

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