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にゃるらが良いと思った曲2022 10選

 2022年の曲で良かったものを10曲書いていきます。よろしくお願いします。

 ちなみに、上記の記事で、今年の曲に限らずに最も再生した曲について触れていますが、ZUNや坂本龍一などのインスト系を繰り返し繰り返し聴いてるだけでした。ボーカルがある曲は、どうしても歌詞に集中してしまって意識を持っていかれるので、一日で楽しめる量が決まっているんですよね。

 余談はともかく、早速発表していきましょう。そもそも毎月5曲ずつ気に入った曲を記事にしてきたので、そこからコピペした文章もあります。面倒臭いからね。


・Ultra Q - Alien Mefilas: the riff segue 〈宮内國郎に捧ぐメドレー〉/鷲巣詩郎

 『シン・ウルトラマン』のサントラ収録のメドレー曲。宮内國郎さんは、ウルトラQやウルトラマンの作曲を担当した方ですね。ネット受けで他に伝わりやすいところといえば、『チャージマン研』『宇宙忍者ゴームズ』なども宮内さんです。
 さて、『シン・ウルトラマン』は、劇伴も主題歌もとても気に入っております。米津玄師さんの歌詞も素晴らしい。「遥か空の星がひどく輝いて見えたから」「痛みを知るただ一人であれ」など、端的かつ詩的にウルトラマンの美しさを表現していて、劇場で最も感動したポイントでした。メインテーマも、昭和風からサビで一気に現代的なグリッチの効かせ方がワクワクします。
 しかし、こればかりは仕方のないことですが、やはり冒頭のウルトラQ部分が衝撃的すぎて、そこでの興奮が頭から離れない。あの瞬間的な盛り上げ方は、シン・ゴジラよりも上回ったなと感じます。僕は、短編ホラー作品が大好きなので、『ウルトラQ』のシン・ウルトラマンでの扱いでもう大満足だったのです。ウルトラQのメインテーマから漂う、恐怖とドキドキのむず痒さが好きすぎる。
 ウルトラマンの話をしすぎて長くなってしまいましたが、そのうえでサントラのみでウルトラQアレンジ→シン・ウルトラマンのメインテーマに繋ぐ構成の曲を見つけた嬉しさもすごかったですね。ウルトラシリーズの歴史が昭和から令和へ繋がっていくような体験ができる。これが劇中で使われたらQ色が強すぎて浮いてしまうと思いますが、だからこそ『宮内國郎に捧ぐ』と副題で置きにいってサントラに忍ばせる見せ方が百点と感じます。
 あと、シン・ウルトラマンのサントラの曲名、キリスト教要素強すぎて庵野さんの趣味全開なのも良いですよね。


・JOLLIE JOLLIE /Kureiji Ollie

 ホロライブインドネシア、クレイジー・オリーさんのオリジナル曲。かわいい。ゾンビをモチーフにしたキャラクターデザインの時点で好きですが、MVでのデフォルメ具合がいいね。

 上の日記で書いたのですが、生活保護の友人が、真っ暗な部屋でプロジェクターのみを用意し、ひたすら壁に映し出されたホロライブの動画を眺めるだけの生活に突入。なので、遊ぶたびに彼からホロライブの話を聞くようになりました。

 そんな中、たどり着いたのが、ホロライブのMMDでイカした映像を作成している海外アーティスト。彼の作ったMVの中でも、上に貼ったものが特に好きで、そこから元のクレイジー・オリーさんのオリ曲いいな……という流れに。
 海外のオタクは、日本人からはあまりでてこない発想で動画を作るのがいいですね。ワードの面白さ以上に、音楽も楽しむMADとしての完成度に拘るような。


・Midnight Pretenders (2022 Restored Version)/亜蘭知子

 昨今のレトロなシティポップのリバイバルブームも、氾濫しすぎて食傷気味ではありますが、それはそれとして、やはり「これはもう絶対に良い」みたいな曲が数曲あり、その中の一つが『Midnight Pretenders』です。いいよね……聴いていて心が落ち着く。
 他に、なにが「これはもう絶対に良い」かと訊かれると、『フライディ・チャイナタウン』『ダンシング・ヒーロー』などでしょうか。このあたりの名曲は、いついかなる時でも良すぎて逆らえない。別に、逆らおうと思った
こともありませんが……。


・逆光(ウタ from ONE PIECE FILM RED)/Ado

 『FILM RED』が、そもそも今年でも強く心に残った映画で、まさかワンピースがここまでサブカル方面で猛威を振るうとは……と恐怖すら感じました。こんな大きな力でおもいっきりサブカルやられたら、世のサブカルクリエイターたちは戦々恐々ですよ。

 特に、今回の作曲陣は尾田先生自らの指定ですからね。それを可能とするネームバリューやワンピースのIPとしての大きさも驚きですが、なんといっても尾田先生があの仕事量でも、こんなにセンスあるアーティストたちの曲を聴き込んで選ぶことができる事実。あんだけ働いておいて、現代のアーティストたちも聴き漁るほどの好奇心や感性。バケモノすぎる……。
 『逆光』の作曲家はVaundyさん。ちなみに、僕は最近まで恥ずかしながらVaundyさんを存じていなかったので、「おまえVaundy知らないの!?」とキタニタツヤに弄られたことがあります。
 作詞もVaundyさんですが、数あるウタの曲の中でも、この『逆光』が最もウタの心情が現れているように感じます。「そりゃあ愛ある罰だ」「そりゃあ愛への罰だ」、いいよね……。愛への罰なんだよな……。

・World's End Valentine/Omori

 ネタバレになるので詳しくは避けますが、去年Switch版が発売したゲーム『OMORI』のボス、スイートハート戦の曲。全体として、めちゃくちゃカッコいいけれど、曲名の時点でもう良すぎますよね。『World's End Valentine』って。

 二ディガ開発中にプレイしなくて良かった……。絶対引っ張られてしまっていましたもん。開発後のご褒美として、ずっととっておいてのです。そうしたらやっぱり、めちゃくちゃハマりました。精神状態をテーマにしたシステムと、ポップでサイケデリックなゲーム画面の調和、完璧だ……。


・青春コンプレックス/結束バンド

 ぼざろアニメ、演奏シーンはもちろんですが、それ以上に背景美術の描写が好きです。

 特に、5話で描かれた夜の自販機の光り方。いいよね……。それまでも勿論いいアニメだなーと思いましたが、下北沢の夜の空気感を丁寧に再現しようとする気概や、動かすために簡略されたキャラクターの色や線。すべてが良い……。これも、作画監督であるけろりら先生のセンスの賜物なのでしょうね。
 さて、主題歌ですが、なにより歌詞がカッコいい。2番が特に好きなんですよ。

悲しい歌ほど好きだった 優しい気持ちになれるから
明るい場所を求めていた だけど触れるのは怖かった

 ぼっちちゃん(陰キャ)を通して見える世界を抽象的に、そして詩的に表現されていてカッコいい。陰の人間からしか見えない視点の連続が気持ちいい。

私 俯いてばかりだ
それでいい 猫背のまま 虎になりたいから

 ここは一番カッコいい。猫背(マイナス要素)も見方や極め方によっては虎(ロック)になる。まさに、この作品らしい素晴らしい主題歌だと感じます。素敵なアニメーションをありがとうClover Works……。


・MASK/浜崎あゆみ

 小室哲哉すぎる。
 開始10秒で小室サウンド全開。令和でも小室哲哉さんは既に何曲も作曲してきましたが、だいたい最新のボーカルがついていたので、「90年代の概念のような曲を今のボーカリストが歌う」面白さがあったのですが、この曲は歌唱も浜崎あゆみであるため、90年代後半がそのまま令和にスライドしてきたような錯覚を覚えます。
 たまたま起きていた小学生時代の深夜、親に隠れてそっとテレビを点けると放送されていたカウントダウンTVでランキング3位くらいに入っていて「あー、あゆだ~」ってボケっと呟くような存在しない記憶まで連想しますもん。
 好きか嫌いかで言えば、好きな曲ではあるんですけど、それはそれとして「小室哲哉すぎるだろ!」が真っ先に来ておもしろい。

 MVの映像めっちゃかっこいい。


・アミ feat.和ぬか / ayaho

 たまたまCMで流れて気に入っただけで、実は詳細を知りません。テレビドラマの曲なようで、MVが4:3なだけはあって、いろいろ拘りがあるアーティストの作品なのでしょう。作曲の和ぬかさんはTikTokから人気になったそうで、もう僕は時代的についていけません。

現代社会のお零れが
あなたに振り回されたなんて
胸の内秘めたい出来事で
馴染の援助で海原へ

 特に、この曲で好きな点は変わった歌詞でしょうか。このワードセンスは正しく令和な感じがします。単語から連想するフレーズが来ず、「こういう語彙のチョイスがあるのか!」とビックリ。若者によるボカロ曲の歌詞を聴いている時も同じ感覚になりますが、こうして世代差の感性で殴られるのは気持ちが良いですね。

・嗚呼、我が浪漫の道よ/PelleK

 『骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中』のOP。タイトル通りのなろう系作品。

 良い意味で、最高にB級していて好感……。
 かわいらしい女性声優でなく、あえて男性ボーカルを起用し、OP中にはうるさいばかりにSE鳴らしまくり! 「こういうの男の子は好きでしょ?」を露骨にだしすぎて、最初は「うお……」となったのですが、これくらいわざとらしい方が、逆に男らしいんじゃないか? とだんだん癖になり、いまでは今期アニメで最もリピートしている映像に。
 映像を観てもらえばわかるのですが、のほほんとしていて和むんですよね。サビ前に骸骨騎士が強大な炎を放って敵を倒すと思ったらそうでもないし、なんなら全力で逃げているだけの映像が流れるし……基本的にはおマヌケだけど、きっとキメるときにはキメるんだろうなって安心感が『スレイヤーズ』時代の視聴感がある。モチーフ的に、『黄金バット』も入っていると思われ、本編の展開も、わかりやすい安心感に溢れている。水戸黄門ですね。
 なにより、歌詞がちゃんとヒーローでいいんですよね。SEも合わせてめちゃくちゃクサいのですが、ここまでクサいと、じゃあ骸骨騎士様に一度世界を任せてみようかな……ってワクワクしてくるみたいな。節々から「悪人じゃない」ってことが伝わるのが嬉しくなるんですよね。


・ Don't Boo!ドンブラザーズ/MORISAKI WIN(森崎ウィン)

 去年で最もクリエイティブな学びとしては、ドンブラザーズでのEDで「めっちゃいいイントロを流しながら最後の1分で話をまとめたら、どんなカオスな本編でも視聴感が爽やかになる」という、井上敏樹が何十年もの脚本家経験で培ったのであろう技術の結晶を何度も体験させられたことでしょうか。スーパー戦隊に興味のない方でも、あの脚本の構成力を一度は味わってもらいたい。

 この記事も、最後にドンブラザーズのEDさえ流れれば、なんだかいい感じのチョイスを満喫した気になりませんかね。

 2023年も、いっぱい素敵な曲が聴けると嬉しいです♪


オマケ


 この記事で書いた『Just The Two Of Us』も、まともに聴いても、当然のように名曲過ぎて何度も再生しています。曲が良すぎて何十年越しにミームになる、そういうこともあるのですね。

 
 中島みゆきの曲がサブスク開始されたので、中島みゆきと松任谷由実の好きな歌詞の話を書いています。よければ、読んでみてね。


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