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一口エッセイ:ワンピースで一般層とネット住民が手を取り合う時代

 満を持して、『ONE PIECE FILM RED』を観ました。


 端的に言えば、めちゃくちゃ良かった……。映像美、楽曲、戦闘シーン、サブキャラクターのチョイスに見せ場、すべてに大満足。
 なんといっても、100巻以上続く作品に、突然「幼馴染キャラ」を発生させた胆力がすごい。急に主人公であるルフィの人格形成に関わるエピソードが挿入されるわけですからね。その上で、急に現れた幼馴染ヒロイン・ウタの存在に納得させられるストーリー構成と演出力。これもう日本一の漫画家でしかできない大胆さだろ……と、ただただ圧倒されておりました。
 今作が素晴らしいおかげもありますが、ワノ国編が終わってからの最終章の導入が最高に盛り上がっていることも含め、一般層もネット層も手を取り合ってワンピースに大ハマりしている現状が信じられないほど嬉しい。

 ワンピースは、超長期連載ゆえに色んなことがあった、アラバスタや空島で離れた人も多かっただろうし、一時期はヤンキー層が読む漫画としてオタクが避けていた時期すらあった。自分も頂上決戦の後は若干熱が引いてとりあえずジャンプで追っていただけでしたが、ドフラミンゴの最後の技が『16発の聖なる凶弾』という最高の技名であったことから、「やっぱり尾田先生のセンスは凄いな」と驚き、そこからホールケーキアイランドでの「厄災」としか言いようがないビッグ・マムの暴れっぷりで完全に再燃し、この漫画は絶対にもう一度大きなブームが発生してネットでの評価も爆上がりするだろうと信じていたのです(見聞色の覇気)。


 それからしばらく、シャンクスや敗北者がネタにされるようになり、ネタ枠といえどもじわじわワンピースの話題が増え始め、何度かの無料公開を重ねるたびに正当な読者が語り出すようになり、今作のREDでようやくシャンクスが真っ当に四皇らしい「格」を見せつけ、完全に一般層もネットもひっくるめて話題をかっさらった。この事実がとても嬉しいのです。
 これからも原作はどんどん佳境に入って盛り上がっていくでしょう。映画が絶賛上映中でも休載を挟む尾田っちの「王者の風格」も痺れる。
 もうじき間違いなく第三次ワンピースブームが訪れる。みなさんもワンピースを今一度読み直す時ではないでしょうか。シャンクスやルフィとともに「新時代」を目撃していきましょう。



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