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『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』が最高である3つの理由

今日はシンプルにいま一番読んでほしい本の話を、します!!!

ガブリエル・ゼヴィンの『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』です!!!


なんか、すっっごい好きな小説だった……。というだけでは魅力は伝わらないと思うので、どこが面白いのか? についてしっかり語ろう。

幼馴染だったセイディとサムが、大学生になって再開し、最高のゲームを作り出すまでの物語である。創作者同士の関係の物語でもあり、起業物語でもあり、さらにゲームをめぐる90年代史の物語でもあるのだ。


1 出てくるゲームが最高

初めに言っておくと、私はゲームをまったくできない。本当にできないのだ……反射神経がなさすぎて……。何かが出てきたらAボタンを押すみたいなことができなさすぎて幼少期のマリオで挫折した思い出がある。そんな自分ですら、この小説に出てくるゲームは、やってみたくなる!!! これはすごい。

村上春樹がいつぞやエッセイで「自分の書いた小説を読んでビールを飲みたくなったという感想が一番嬉しい」と書いていたが、この小説を読むと、ゲームができたらここに出てくるゲームをしてみたいなあと思うような興奮に満ちている。なんというか、ゲームのストーリーが魅力的なのだ。善悪の狭間で、成長の過程で、選択の痛みの間で。本書に出てくる「ゲーム」とは人生のメタファーそのままであり、それはもしかするとゲームというものを美化しすぎているのかもしれないけれど、それでも私はここに出てくるゲームという比喩の美しさにぐっときてしまうのだ。

2 成功した後のキャラクターが最高

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