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夏の夜の実話怪談 「子どもの頃見た幽霊の正体」

今回のお話は、イラストエッセイ「『オバケ屋敷、神さま屋敷』の後日談その2」の続きでもあるテキストメインの記事です。
が、これ単体としてスピ話・怪談としてお読みになっていただいてもいいかなと思います。

霊感のない焦げ猫も思春期にはよく金縛りに遭い、怖いモノをよく見たモンでした。
それらは悪夢と言ってしまえばそうなのかもしれませんが…。

初めて金縛りに遭ったときに見た人物の正体が40年越しでアタリがついた話です。



初めての金縛りで見たモノ

焦げ猫が初めて金縛りに遭って怖い思いをしたのは小学校6年生のとき。

当時ロボット系のTVアニメ「銀河漂流バイファム」が好きで、その夜は登場人物のケイトさんとおしゃべりしてる夢を見てたんです。
(当時の自分くらいの年代の子どもばっかりで宇宙船に乗ってるロボットモノのテレビアニメ作品。唯一いた大人がケイトさん
そしたら「あっ夢が終わって目が覚める」と思ったと同時に、ケイトさんの顔がみるみるうちに変わり、周りの景色がなくなり…。

閉じたまぶたの真っ暗な中で、中東風のベールをかけたドレスの女性が頭を抱えてぐるぐる回っているんです。

助けてください!助けてください!

…って叫びながら。

自分の身体は、今目が覚めたはずなのに動きません。
目を開けて部屋の様子を見たいのに、ものすごい力でまぶたが閉ざされる感じ。

あとでいろいろオカルト体験談の本を読んだりしたら、金縛りに遭ったときって「部屋になにかいるのが視えるのが怖い」から目を瞑ろうとする人がほとんどなんですね。
焦げ猫は逆に、閉じた目のまぶたの闇の中にいろいろ視えるので、意地でも目を開けようとしてました。

ただこのときは初めての金縛りだったので…。
まぶたの闇にそれが見えたんです。

で、その女性は顔が…腐っているのか、大火傷したのか、なんだかわからないけど血肉や骨がむき出しになっていて生きてる人間の顔じゃないんですよ。
イラストは閲覧注意です(遅いか)。

「ぐるぐる回ってる」というのはこんなふうに天地を回ってる感じ。再現したつもりですが、こんなにはっきりした感じではなくもっと闇に溶けこんでる感じ

ちょうどこないだ描いた日本神話「イザナギとイザナミ」のお話の、復活途中のイザナミみたいな感じですが、頭蓋骨の眼窩は両眼とも落ちくぼみ、何もない闇です。

「イザナギとイザナミのドロ沼離婚」マンガニッポン神さま話 第1話より

ものすごく怖かったんですが、とにかく体を動かそう…目をしっかり醒まそうともがいていたら、ピクッと指が動いて、そこからサァ〜ッと現実に戻ったというか、金縛りが解けて部屋の様子が見えるようになったんです。
怖かったけど寝てる親を起こすのもなぁ…と思ってその日はまた眠りました。

で、翌日、親にそのことを話すと、

「そうか。じゃあ仏壇でお祈りしてあげなさい」

…と言われたので、

「どこのどなたか知りませんが…苦しみが終わりますように、ご冥福を」

…と祈りました。

正直、本当にその人の成仏?を願ってというより、とにかく怖いのでもう出てこないでくださ〜いという気持ちが強かったですね。


速攻でクレーム

ところが。

その3日後くらいに、また金縛りに遭い、またその女性が出てきました。

今度はぐるぐる回っているのではなく、ズームするようにスーッと、右から左からこっちに何度も仁王立ちで迫ってくるんです。

助けてくださいって言ってるでしょ!!

もはや怒りでした。
顔がああなってるので表情がわからないんですが、すごい圧の怒りを感じました。

当然ですがこの2度目のほうが怖かったです。

でも、「助けてください」って言われても、どこの誰だかわからないしこれ以上どうすれば…。
もし本当に中東の人だったら仏壇でお経あげても効果ないのはあたりまえですし、もしかしたらウエディングドレスのお嫁さんかも…?(海外の服飾文化の歴史に詳しくなかったので)
でもベールは白っぽかったけどドレスは純白ではなく、血に染まった色なのか元からなのか…赤黒い色だった印象です。

当時我が家はとくにどこかのお寺の檀家ではなく、実生活に影響はなかったのでお寺に読経を頼むか霊能者呼んでお祓いを…というほどのこともなく。
まぁ、父も母も思春期にありがちな悪夢と思っていたかもしれません。

しかし、何もしていませんが、その後その女性は出てこなくなりました。


40年後

…で、その後40年。
今回、マンガで「霊能者さんに視てもらった過去世があまりにもヒドくて笑える話」を描いてたら、フッと思ったんです。

あれ…コレどっかで見たような?

前記事のマンガをお読みのかたはご周知ですが、じぶんの「過去世」として、5年ほど前までお世話になっていた霊能カウンセラーさんに、
500年くらいまえ、黒海沿岸の国で、ドレスを着ていて…幽閉されて狂死してる
…と言われたことがあったんです。

このコマ描いてから気がついた

黒海沿岸といっても広いので、民族衣装はさまざまだったようです。
が、たまたまオスマン朝風のベールつきの衣装でその自分を描いたら…。

コレ、あのときの…


なんで今ごろ…

霊能カウンセラーのM先生にそれを言われたときにはなん十年もまえに金縛りで出てきた女性のことなど思い出しもせず、結びつかなかったんです。
ドレスを着ている…とも言われたので、家に帰って当時の黒海周辺文化圏の衣服をいろいろ調べたんですが、ベールやカフタンドレスに行き当たらずピンときませんでした。
今にして思えば、焦げ猫は世界史に詳しいわけではないので…なぜかルーマニアとかブルガリアとか北のほうばっかり調べてたんで、ドレスっぽくない民族衣装しかヒットしなかったんですよね。

ヨーロッパはいまでも行きたいと思うくらい好きですが(行ったことはありません)いわゆる中東やトルコ・イスラム圏は興味がなかった…というのもあります。

「オスマン帝国外伝」をテレビでやってるのを母がよく観てたのでチラ見したことはありますが、煌びやかすぎてそれもまたイメージが結びつかなかったですね。
服飾デザイナーのかたに言わせると、あれはもっと後世のフランス風ドレスの要素を入れてデザインしているので当時のものに忠実ではないそうです。

実際はこんなもんじゃない鬼畜だったかも

そのように縁がありそうでなかったものが、なんで今ごろになって…。

しかも自分が歴史考証もそこそこにテキトーに描いた絵でですよ。


説は2つある

ひとつは、あの世には時間の概念がないということ。視える人には未来も過去も視えるようです。

それとおなじで、時空を飛び越えて当時の自分が、

あなたが業の清算をしてくれないと困る、じゃないと何度生まれ変わっても苦しい目に遭う

と言いにきた。

もうひとつは、人間の魂は本体と5体の分霊でできているという説があり、分霊の1人や2人が失敗していわゆる地獄落ちになるケースがあるということ。

その、自分以外の分霊も自分の過去世としてカウントされるのであれば…。

たぶんこの人はいわゆる地獄のようなところに堕ちてて、そこから「助けてください」って訴えてたのでは…。
そういう場合自分の分霊に「助けて、助けて」と足を引っ張る傾向があるらしいのです。

当然ほかの分霊は苦労します。
その「分霊」のぶんのカルマ清算をこなしたり、「コレが正しい心の持ち方だ」というのを体現して見せなければならないのだろうなと推測します。

しかも人間、ツラけりゃ生き抜くためによくないこともしなきゃならないケースが出てきます。雪だるま式によくないほうへ転がるリスクが爆上がりです。

いわゆる地獄に堕ちると、地獄から抜け出せるまで生まれ変わってこれないって話も聞いたことがあります。
ただ、そんなに簡単にモノホンの地獄には落ちないともいいます。
手塚作品「ブラック・ジャック」に出てくる「山手線の哲」みたいな、「人はいいけどドロボー」みたいないわゆる「小悪党」は幽界くらいで済むんじゃないでしょうか。

だから、500年経っても「助けてくださいって言ってるでしょ!」と逆ギレするような性格が治っておらず、姿が骨と血肉むき出しってのはかなりヤバい。
もう地獄に堕ちちゃってて苦しみが続くばかりで、また生まれてやり直すことができないから分霊が助けてくれるのを待つしかない状態なのはわかりますが…。
まぁ「助けを求めてる」のは、完全に地獄に染まっちゃってないってことなのでまだ救いはあるのかも?

しかし、だとすると自分含むほかの分霊が謎にキャパオーバーの不遇ばかりっていうのも合点がいきます…。

「そんなロクでもない人間で終わってて、よくその後自分生まれ変わってこれたな」
…とは思っていたので、分霊が地獄に堕ちた説が正しい可能性大ですね。
「女王のように振る舞っていた」
…つまりエラソーにしてたようですが、妾とはいえ旦那の死後に幽閉されて気が狂ったという末路を鑑みると、かなり人に恨まれることやらかしてますよね?
気に入らない家臣をいたぶり殺すくらいのことはしてたかもしれません。

そこが、小学生のときに金縛りで見た女性と合致してます。
「助けてください」→仏壇で祈ったくらいでは無理→速攻逆ギレ、という性格の悪さ。あの姿では相当ツラいのはわかるけども…。
「助けてもらう」立場なのにですよ。

でもある意味コレも自分なワケなので、少なからずとも性質や記憶は受け継いでおり、貧しい家に生まれたのにVIP待遇が大好きだった子どもの頃の自分を思い出して猛反省です。
謙虚になろう…。

これ助け出さないと、来世もキツいんじゃないの…と思うと、なんとかしてやらないとなと思ってますが。
「助けてくださいって言ってるでしょ!!」
…なんて逆ギレする人を果たして助けられるんだろうかなぁ…。

ぶっちゃけ、「分霊を見捨てる」というケースもあるそうです。
つまり6体で1グループだったとこから切り離しちゃう。
見捨てられた霊は消滅という最終刑になるらしい?
あくまでも仮説ですよ。

もしかしたらもうすでにそうなってるか、あるいはいいほうに考えれば誰かに救われてかろうじて生まれ変わってやり直せるところまで来ているかもしれません。
なぜならこの1年であれほど生まれてこのかた理不尽だった焦げ猫の運気が変わったからです。

ただ、彼女がもういちどやり直すといってもいまの地球ではリスクが非常に多いので心配ではあります。

まぁ、もう彼女のことで思い悩むのはやめにしときます。
これ以上ものごとを確かめようがないので。
もう地獄にいませんように、平穏でありますようにと祈りはしてますが。


分霊説はある意味気がラクではある

現世がツラすぎるのはぜんぶ生まれてくる前のじぶんのせい…と思ってしまうとやりきれないケースでも、「自分が救いようのない悪人だった」と思うよりは、「分霊のやらかしじゃしょうがないな」と思える部分はあります。
結局ケツ拭きは分霊同士だろうと自分だから自分がやるのですが、今生きてる自分がベストを尽くせばいいことです。

先祖供養も同じところがあって、子孫を呪う先祖はいませんので、本人が「助けてくれ」と救いを求めるあまり生きてる子孫によっかかるとよっかかられた側は大変になります。
でも、子孫が正しい生きかたをしてみせることで、自分の行いが悪かったことを反省して更生するご先祖もいるようです。

ではご先祖が恨みを買っていて、相手に祟られている場合はどうか?

たぶんそれも同じなんじゃないですかね。
必要以上に壺買ったり仏像買ったり高額なお祓いを受けなくても、人の痛みを知ることだと思います。

だって本当に多大なお金で彼らを幸せにできるなら、そんくらいの経済力は残して祟るでしょう(^^;)
財布はスッカラカン、病気で働けない…とどうにもできなくなって失意の中亡くなるかたも多いですが、それじゃ永久に解決しないですからね。

いまのじぶんにできること」でいいと思っています。

焦げ猫の場合は…、
ボランティア活動とか寄付とか、形に見えて「徳を積む」ことはもうできません。
そのかわり、自分のさまざまな経験から、少しでも他人様のヒントになることを命ある限り読みやすいマンガで描いて発信できたらなと思っています。


説教くさい話になりましたね。
また、死生観・死後の世界・スピリチュアル・見えないものに対して、さまざまな説があるうちのひとつでしかありません。

ただひとつ、「死んだら終わりじゃない」が伝わる話のひとつと思っていただければいいなと思っています。


この記事のネタ元というか関連のマンガ作品はこちらです↓

イラストエッセイ・コミックエッセイがメインのシリーズ「オバケ屋敷、神さま屋敷」のマガジンにこの記事も入れておきます。

現在は「カズオの運行日報」第22話を執筆中!
トラックドライバーの仕事に興味があるかた、ぜひいらしてみてください。
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