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見えなくても健康年齢

北海道のブラインドスキーツアーに参加してきた。

視覚障碍者は女性男性4名ずつで平均年齢はかなり高め・女性は同い年が一人と後の
二人はアラセブ(?)のお姉さまお二人。自分でさえ年寄りの冷や水感満載なのに彼女
たちは大丈夫なのだろうか。

お二人とも40代くらいで見えなくなったそうだ。明るくて穏やかなお姉さま方で、話
をしていても楽しかった。彼女らは見えなくなってからいろいろなスポーツに挑戦し
始めたと言っていた。そして、よくよく聞くと二人とも実はすごい経歴の勇者たちだ
ったのだ!

フルマラソンはもちろん、100kmのウルトラマラソンにも出場歴あり。水泳で国体に
も出場している。お一人はサウンドテーブルテニス、いわゆる盲人卓球と言われてい
る種目で金メダルを取っているとか。

「息子が二人いて、孫が5人いるのよ。」なんて普通のおばあちゃんトークに混ざっ
て「クロール25m24秒以内だったら絶対に国体に出られるわよ。」なんて軽くいって
下さる。
ちなみに私はクロール25mに28秒くらいはかかる(汗)

侮っていました。本当に失礼いたしました。場違いなのは私の方でしたorzzz


そしてツアーの主催者は何と85歳と80歳の素敵なご夫婦。
晴眼者のお二人は競技すきーをやっていて、今年もマスターズのレースに出るそうだ

マスターズは5歳ごとにクラス分けされていて、70代の人より80代の方が速いタイム
を出したりすることもあるとか。
お二人ともエレガントで、街で見かけたら急斜面をすごい勢いで滑っているスキーレ
ーサーだなんて誰も想像できないだろう。

姿勢はいいし、足取りも軽やか。私たちブラインドメンバーにも細やかに心配りして
くださった。

実際スキーで伴走してくれていたのは現地の指導員の方たちだったが、時々様子を見
に来てくれていたのがとても心強かった。

奥様にお聞きしたところ、本格的にスキーを始めたのは45歳くらい。ご主人の趣味に
付き合い始めたのがきっかけだったそうだ。ご主人はと言えば「妻が自分の趣味に何
でも付き合ってくれて」との話。文字通りのおしどり夫婦である。ご主人は「妻がい
なくなったら生きていけない」とおっしゃっていた。お二人とも仙人のように末永く
お元気でカットんでいてほしいと心から祈るばかりだ。


「健康年齢」という言葉が浸透してきた昨今、自分の親を始め、一般的に後期高齢者
と言われる人たちはどのくらいの運動能力があるだろうか。人生100年と言われるけ
れど、誰しもができる限り人の手を借りず、健康で楽しく余生を送りたいと思ってい
るだろう。

今回スーパー70オーバーの方たちに接してみて感じたのは全員目標があって、積極的
で明るい。人と楽しくコミュニケーションできる。それが彼らの共通項。とにかく皆
さん若々しいのだ。まず準備や段取りが面倒なスキーに来ていること自体すごい。


特に見えない人たちは何をやるにも人の助けが必要。だから誰かが蜘蛛の糸を垂らし
てくれた時にそれに捕まらなければ次にチャンスがある保証はない。選択の幅も狭い
ので、やる気のある人は何事も集中して頑張る人が多い気がする。要するにわき目を
振れないので一点集中型になって行く。

垂れてきた糸を掴むも掴まぬも個人の自由。前述のアラセブのお姉さまたちは糸に飛
びついて努力していた結果、選手レベルになってしまった人たちだった。


障害があろうとなかろうと、積極的に楽しむことを忘れなければ、明るい余生が待っ
ているのではないだろうか。素敵なロールモデルがいるのだから、私も健康一直線、
頑張っていこう!!

さあ、次は水泳大会だ!!

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