Nobuo Watanabe

1997年以来ライフワークとして、栃木の陸上競技の大会・組織運営にボランティア従事して…

Nobuo Watanabe

1997年以来ライフワークとして、栃木の陸上競技の大会・組織運営にボランティア従事してきた1969年生まれ男性です。これまでの体験や現在の取組などを通じて思うこと・考えることを綴ります(私が所属・関与する組織を代表する意見ではなことをお含みおき願います)。

最近の記事

日本DX考;JAAF-STARTのリニューアルに寄せて

陸上競技の登録システム「JAAF-START」は2023年度にリニューアルされ、会員登録に加えて大会エントリーや料金決済ができるなど、多機能となり生まれ変わりました。 陸上競技の団体・選手を対象として、全国約40万人が利用するサービスです。2024年度の運用が、3月1日から始まりました。 国はDX;デジタルトランスフォーメーションの推進を掲げ、様々な取組を進めています。その目的は「デジタル技術で便利な社会にする」「経済を活性化させる」ことにあるといいます。 しかし、20

    • 投てき囲い支柱の転倒事故を防ぐ

      この記事では、全国の公共施設等に設置されている、陸上競技場の投てき囲い(円盤投・ハンマー投用)を利用する際の「支柱の転倒防止」について記しています。 そばに居た人だけでなく、おそらく囲いから半径50mくらいの範囲に居た人すべてが、その大きな音に驚いて注目したほどだった。 もし、支柱が倒れた位置に人が居て、頭部に直撃したら間違いなく命を落としていた。あとから思い浮かべるだけも恐ろしく、震えてしまう。 投てき囲い設置の際に「軽微な操作ミス」「立ち位置の誤り」が重なった場合

      • NANS21V-Web登録サービスのメジャーアップデート

        NISHI社による陸上競技大会エントリーシステム「NANS21V-Web登録サービス」のメジャーアップデートが発表されました。 これまでExcelベースで処理していたものが、ブラウザベースで処理する方式に変わりました。選手の基礎データも、ExcelファイルではなくCSV(≒テキスト)ファイルを扱います。大変画期的なアップデートです(私にとっては「夢の実現」といってよいほどのものです)。 利用環境に制約があった栃木の公認競技場で扱っている記録処理システムは、NISHI社によ

        • 栃木県郡市町駅伝のこと

          裏方として関わった、2024年1月の「第65回栃木県郡市町対抗駅伝競走特別大会」に関して、感想と意見などをまとめました。65回を数える、伝統の大会。形を変える好機と考えます。 トラックレース積算方式栃木県郡市町対抗駅伝は前回開催の2023年1月、3年振りに公道で実施されました。しかし、2024年1月28日に行われた今回は、コロナ禍で行われていたようなトラックレース積算方式で実施されました。 多方面から伝え聞く内容をまとめると、2024年1月の大会がトラック開催に至った経緯

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          都道府県陸協における組織情報の公開状況

          この記事は、全都道府県陸協のホームページ上で公開されている、組織情報の公開状況についてまとめたものです。 組織情報をホームページ上で適切に公開することによって、組織の健全性を示すことができ、社会からの信頼を高めることができます。やがては組織体制の改善や事業内容の充実など、組織の成長・発展につながることが期待できます。 リサーチについて各都道府県の陸上競技協会のホームページをリサーチし、2023年12月23日現在における組織情報の公開状況をまとめました。 役員名簿 … 主

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          スポーツと情熱

          この記事では「スポーツと情熱の関わり」「行き過ぎた情熱を抑えること」「より良い未来のスポーツ環境をつくること」について、考えるところを記しました。 人を説得するために必要な3要素古代の哲学者・アリストテレスによる著書「弁論術」では、「人を説得するために必要な3つの要素」として、ロゴス・エトス・パトスというものが示されているそうです。 • ロゴス=論理(Logic) • エトス=倫理(Ethic) • パトス=情熱(Passion) これらは「人の心を動かす3つの要素」と

          スポーツと情熱

          未来のジュニア・スポーツ体制

          私は日本におけるジュニア・スポーツの普及・育成・強化の取組や体制について、より一層、適正化が進むことを望みます。そしてなるべく遠からぬ将来に、今現在の状況を『昔のこと』として振り返った際に『今じゃ、あり得ないよね』と懐かしむ日が来ることを願います。そして、そうした適正化の推進に向けて取り組みたいと思っています。 部活動改革の行方国が「学校の働き方改革」を打ち出し、その一環として部活動改革を掲げ、数年が経ちました。「令和5年度から中学校を主体として本格展開」されることとなり、

          未来のジュニア・スポーツ体制

          北関東5大学対校陸上競技大会のサポート

          2023年11月4日(土曜日)に、カンセキスタジアムとちぎにて開催された、第74回北関東5大学対校陸上競技大会のサポートに関するあれこれを綴ります。 北関東5大学という大会この「北関東5大学」とは、北関東に位置する国公立大学;茨城大学・宇都宮大学・群馬大学・埼玉大学・高崎経済大学の5校による対校大会となります。また、5校の部員以外でも、日本陸連登録選手(学連登録選手を含む・ただし高校生以下は対象外)はオープン参加が可能となっています。 今回で74回という歴史ある大会です。

          北関東5大学対校陸上競技大会のサポート

          栃木マスターズ陸上競技選手権の記録処理を終えて

          第23回栃木マスターズ陸上競技選手権が、2023年11月5日(日曜日)にカンセキスタジアムとちぎで行われました。栃木県のマスターズの大会としては初めて、NANS21Vシステム(NISHI社)による記録処理を行い、その業務に携わりました。今回は、その経過と感想を綴ってみます。前回記事の続きとなります。 これまでの記録処理対応栃木県の競技場に、NANS21Vシステムが入ったのは平成14年=2002年のことです。施設に導入されてから21年が経過して、ようやくマスターズの大会で運用

          栃木マスターズ陸上競技選手権の記録処理を終えて

          マスターズ陸上での記録処理システム導入に向けて

          2023年11月5日・日曜日 に予定されている「栃木県マスターズ選手権」では、初めて「カンセキスタジアムとちぎ」を会場として開催されます。 私は、マスターズの運営に直接関わるものではありませんが、登録や記録処理の手続きなどに際して、関係の皆さまとやりとりをしています。 今回の選手権で、初めて「NANS21Vシステムで運営してみよう」ということになり、マスターズの事務局業務を務めるK氏と打合せを行いました。歓談を含め2時間ほど。システム導入に向けた流れと、データ処理の実務を

          マスターズ陸上での記録処理システム導入に向けて

          「前へ倣え・右に倣え」に囚われないこと

          組織内で「こんな取組をしたい」「こういう風に変えたい」と新たな提案をした際に、上司や先代からよく問われます。「前例はあるのか?」「他の組織(あるいは都道府県、市町村など)ではどうしている?」 都道府県庁や市町役所など、いわゆる行政機関では公正と公平を保つために、「過去の前例」=前へ倣(なら)え、「他組織との横並び」=右に倣え が判断の基本となります。その徹底ぶりが日本社会の安定につながっており、同時に停滞の原因にもなっていると思います。 現在の世の中には、過去の前例や慣習

          「前へ倣え・右に倣え」に囚われないこと

          人材の新陳代謝;世代交代を促すこと

          少し前のネット記事に、有名コメンテーターが「高齢者は老害化する前に集団自決、集団切腹みたいなことをすればいい」などと発言し、炎上したというものがありました。 自決・切腹などといった表現は、あまりにも過激であり叩かれるのはやむを得ないことでしょう。ただし発言主旨が「古い考え方や固定観念に固執し、時代遅れの価値観を押し付けるような高齢者は、自らの意思判断で早期にリタイヤしてほしい」ということであれば、その意図には大いに同意するところです。 地方スポーツ団体において、高齢の方々

          人材の新陳代謝;世代交代を促すこと

          人材の新陳代謝;次の世代を育てること・若い世代とつながること

          少子高齢化による生産年齢人口の減少や、働き方の多様化などから、社会の至るところで「人材不足」が指摘されています。多くのスポーツ団体組織も同じです。引き継ぐ人が足りない。 私が長く関わる、栃木の陸上競技界も例外ではありません。前回国体=1980年「栃の葉国体」において大会審判として従事された方々が、42年後となる 2022年「いちご一会」でも多数ご健在であり、大いに活躍されました。裏を返すと後継者が不足しており、固定メンバーが長年にわたり同じ業務を担い続けてきた…という状況に

          人材の新陳代謝;次の世代を育てること・若い世代とつながること

          現場の意見を把握すること、情報を公開すること

          陸上競技の大会運営における「役員と選手」の関係性は、通常では「上意下達」だと思います。選手側=ユーザーサイドの意見をむやみに聞いてしまうと、公正性を保つのが難しくなってしまうためです。とはいえ、選手の要望や意見を上手に集め、耳を傾けることはとても大切なことだと考えます。 2022とちぎ国体開催に向けて、2019年から大会終了時に「フィードバック・アンケート」を実施しました。全国の選手・関係者をお迎えするにあたり、大会に対する参加者の満足度を高めようとする取組です。経緯と結果

          現場の意見を把握すること、情報を公開すること

          支える人材の高齢化と人手不足

          現在、地方スポーツ団体においては一般に、役員・審判の高齢化と人手不足が深刻な問題となっています。そのことについて、栃木の陸上競技界の状況と、今後に向けた私見などを記します。要旨は、以下の通りです。 2巡目の国体を終え、役員・審判を務める現職教員・OBの高齢化が進行。1巡目国体以来、審判に従事してきた地域人材も高齢化が著しい。 慢性的な人手不足の中、高齢化と構成員の固定化などに伴う組織のマンネリ化・危機意識低下、世代間ギャップなどが危惧されるところ。 時代のニーズに合った

          支える人材の高齢化と人手不足

          Jリーグ開幕30周年;これまでの発展について想うこと

          陸上競技ではなく、サッカーについて記します。そしてもちろん、陸上競技のことについても、触れたいと思います。 Jリーグ開幕のビフォー・アフター2023年5月15日に、Jリーグ開幕30周年を迎えたという報道がありました。これまでの30年について、そのビフォー・アフターを知る世代からみると、本当に変わった・発展したと、感嘆します。Jリーグが創設される前、私が10代の頃には、こんな時代が来るなんて夢にも思いませんでした。 私自身はサッカーとの関わりが、それほど深いわけではありませ

          Jリーグ開幕30周年;これまでの発展について想うこと