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Jリーグ開幕30周年;これまでの発展について想うこと

陸上競技ではなく、サッカーについて記します。そしてもちろん、陸上競技のことについても、触れたいと思います。

Jリーグ開幕のビフォー・アフター

2023年5月15日に、Jリーグ開幕30周年を迎えたという報道がありました。これまでの30年について、そのビフォー・アフターを知る世代からみると、本当に変わった・発展したと、感嘆します。Jリーグが創設される前、私が10代の頃には、こんな時代が来るなんて夢にも思いませんでした。

私自身はサッカーとの関わりが、それほど深いわけではありませんが、大いに親しんでいました。1970年代・小学生だった頃、当時の子どもは誰でも、学校の昼休みや放課後、あるいは週末に、毎日疲れ切るまで運動遊びをしたものでした。その中でもサッカーはとても人気があり、皆が夢中になって遊びました。周囲が暗くなったことに気づかず遊び続けてしまい、遅くなってから帰宅しても自宅に入れてもらえないことがしばしばでした。また、当時は頻繁に光化学スモッグが発令されました。そうした中でもサッカーを続けてしまい、呼吸ができないほどに胸が痛くなって、皆で苦しんだ記憶があります。

当時、テレビ東京で放映されていた、毎週土曜日夕方の「ダイヤモンド・サッカー」が好きで、必ず観ていました。その頃は、奥寺康彦さんがドイツのブンデスリーガで活躍されて、日本人としては別格の存在でした。しかし世間一般では、その頃の日本サッカーは世界では通用しない、将来も追いつく訳がないというくらいに思われていたと記憶しています。まだキャプテン翼が発表される前の頃です。

Jリーグ創設後

1993年のJリーグ創設については、報道や様々な情報によると、初代チェアマンの川淵三郎さんが、何よりもの立役者であったようです。非常に強引なやり口であったといいますが、それでも川淵氏なくては、今や世界で活躍する日本サッカーはあり得なかったのでは、と思います。

Jリーグで育った選手が、次々と海外で活躍するようになりました。そしてワールドカップ出場と、決勝リーグ進出。日本サッカーのレベルが飛躍的に高まりました。そうした競技のレベルアップに伴う経済効果も、大きなものがあったといいます。

サッカーくじが日本でも認められて、その収益によって日本のスポーツ施設やイベント等が充実していくようになったことも、画期的でした。さまざまなところで「toto助成」のマークを見かけます。サッカーだけでなく、他のスポーツの振興や発展にもつながっています。特に地方の地域活性化に対する貢献度は、様々な競技種目の中でもサッカー・Jリーグが特に優れていると思います。スポーツの価値や意義を大いに高めてくれました。

栃木では、栃木SC=栃木サッカークラブがJ2でがんばっています。今年から、国体を機につくられた「カンセキスタジアムとちぎ」をホームとすることになりました。私は陸上競技との関わりとは異なる接点で、チームや関係者と接する機会があります。皆さんが若く、熱意があり、今後も活躍と発展に期待したいと願っています。

5月15日の開幕30周年報道の中で、現在のチェアマンである野々村芳和さんが「勝っても負けても地域から愛されるチームが理想」と語っていたのが印象的で、まさにそのとおりと思います。栃木SCについても、私個人は勝ち負けにあまり興味こだわりが無いです。地域を賑わわせてくれる、元気にしてくれる今の存在で、十分に価値があるものと思います。

この30年間の経過について、サッカー関係者の中には、厳しい評価をする方もいらっしゃるようです。しかしJリーグは、組織としてみれば現在も様々な課題があるにしても、長い目でみた際の、発展の様子は本当に素晴らしいの一言に尽きます。

陸上競技の振興・発展について

サッカーの成功に続こうと、バスケットボール、バレーボール、ソフトボール、卓球など様々な競技で、興業としての成功を収めようと、取組が展開されています。陸上競技もそうした方向性に進もうとしているように感じられます。国の方針としても、スポーツによる経済循環促進を目指すことが謳われています。

スポーツ産業の活性化に向けて|スポーツ庁(PDF)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/jjkaigou/dai44/siryou7.pdf

日本陸連では2020東京五輪の前頃から、「JAAF VISON」「JAAF REFORM」など、組織の理念や活動方針を明確化し、取組を展開しようとしています。その流れがうまく全国に広まり、日本の陸上競技が社会にとって、より価値あるもの・豊かなものとなるよう願います。

私個人が、今後における陸上競技の振興や発展に関して願うのは、ジュニア期における過度の活動や早期の専門化を抑制したりする面で、より一層、健全化・適正化が図られると良いと思っています。また、ジュニア期ばかりが注目されるのではなく、シニアやマスターズ世代の活動が活発化したり、支える立場の和が広まることを願っています。「ウェルネス陸上」の推進です。

これらの取組を促す上で、自分にこれから何ができるだろうかと考えた際に、若い頃と違って力で押していけない、無理が利かない、限界があると感じています。また、立場や年齢からみて、生計を立てるための本業も年齢的に重みが増しているため、ボランティアに充てる労力・時間が限られてきます。

そうした中でも、後の世代の皆さんに対し、より良い環境を残していくことができるよう願いながらボランティア業務を続けるとともに、様々な想いや考えを、この note を通じて伝え続けていきたいと思います。