「母と女性教職員の会」2023全国集会 参加

8月2日に開催されました「母と女性教職員の会」2023全国集会に、「不登校・多様な学びネットワーク茨城(以下、NW)」からも3名参加させていただきました。

この会は、今年で70周年だそうで、全国のPTA保護者さんと教員の方々が集まり、学び合い、話し合われてきています。

今回は、茨城県教職員組合女性部の方からNWへもお誘いいただきました。教職員組合女性部さんとは、昨年の「茨城県PTA連絡協議会子育てネットワーク委員会・茨城県教職員組合女性部主催の学習・懇談会」でNW世話人で不登校について発表させて頂いたご縁からでした。^^

<NWからの参加>
フリースクールつくば空 山元みちよ さん
・戸田周公さん(NWへは個人として参加)
・NW世話人 石田佳織

  • 午前は、憲法についての『檻の中のライオン』の作者である楾大樹さん(弁護士)の講演会(全体会)。
    午後は、12のテーマから選択できる分科会で、NWの3人は「いじめ・不登校」の会に参加しました。

    「いじめ・不登校」分科会では、
    ・不登校経験者の親子さんからの当時の思いや、経験から伝えたいことについてのお話
    ・養護教諭の先生から、多様性を子どもたちが感じ体験できるような保健室環境づくりや読み聞かせの実践についてのお話
    ・数名のグループに分かれて、1)私たちにできる、安心できる居場所・心の居場所づくりに向けて、2)地域ができること、について意見交換+全体シェア
    でした。


参加されたお二人から感想です。↓

【感想:フリースクールつくば空 山元みちよ さん】
「いじめ・不登校について」の分科会に参加させて頂きました。 このような会に参加するのは、初めてで、周りは殆ど教職員の方のようでしたが、とても不登校について興味関心を持っておられ、何か糸口はないかと思い参加されているという印象を受けました。

登壇されていたのは、不登校経験を持つお子さん(20歳前後?)とその保護者(教職員)と養護教諭の方でした。この方々を選択されている辺りも、本気度を感じました。

質疑応答や、グループ毎に分かれて話し合う機会もあり、先生方の発言を伺っても、「今は色々な選択肢があるので学校に固執しないで、子ども達各々にあった場所があるという事がいいのではないか」「将来の選択肢も様々なので数年の不登校は、人生のほんの少しの事で、休憩してもいいのではないか」など、多くの方は随分理解してくださっているなという印象を受けました。

各々がそう思っていても、そう思っている先生方はおそらく、全国的には少数派だと思うので、お互いに確かめあえて、これでいいんだと思える機会があるのは、不登校の保護者の会と似ているように感じました。

こういった会が、活発に行われるようになれば、不登校児、不登校をもつ保護者の理解も深まるのではないかと感じ、大変有意義な会だと思いました。


【感想:戸田周公さん】
「いじめ・不登校」の分科会では、不登校の当事者の方が親子で、その当時のことを語ってくれました。(※当時は中1の終わりから中3になるまでくらい)

ㅤ私が印象に残っているご本人の言葉は、
・不登校になった当初は自分でも明確な理由がよくわからなった。エネルギーが切れた感じ、頭痛、腹痛などの体調不良があった。
母親がマッサージ(手をさする、揉む)をしてくれて、徐々に心と体の緊張がほぐれていった。
地域の第三者的な人達(フリースクールや、家族の友人等)が、フラットな関係で、ジャッジをせずに、ただただ関心を持って話を聴いてくれたことに心が救われた。
・(広木 克行さんの)講演会に行って、自分の中のモヤモヤが言語化されてスッキリしたこと。
などです。

また、不登校とひきこもりを専門に研究している社会学者の工藤宏司(大阪公立大学)さんの話で、
日本社会の仕組みが不安によって人をコントロールしようとしている。「普通」や「(生徒という)役割」から外れたとたん、不安に煽られてしまう。
なので「生徒」という役割から外れたとたん、周りの人がどう思っているのかがとても気になったり、勉強の遅れをとても気にしたり、自分を責めたりして不安な状態が続いてしまう。
そういった時は、周りの大人もいったん役割(先生、親など)を外して、本人と関われるとよい。
というようなことを言っていたのも印象に残っています。
(私の捉え方で、言語化しております。)

全国の学校の先生とグループワークでディスカッションができたのもとてもよかったなぁと思いました。


<NW世話人より>
分科会に参加されていた先生方からは、子どもたちがなぜ苦しんでいるのか知りたい、学校で苦しんでいることがあるなら変えていこう、学校外で過ごすことも含めて支えていこう、という気持ちがたくさん伝わって来ました。

そして、山元さんが書いてくださったように、こうして子どもたちのことを第一に、先生・保護者・当事者・専門家で皆で話し合っていくことは、本当に大事で、こうした機会を積み重ねていくことで、子どもたちにとって、そして先生にとっても、学校や社会が良い方向に進んでいけるのではないかと希望を感じました。


文責:石田佳織

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