ぬわい

名前は五世の祖から拝借しました。

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最近の記事

ゆずラガーとサバサンド

GW明けの仕事はつらい。 転職活動が上手く進んでないし、転職エージェントからくる「この度の求人はお見送りとなりました」メールは、どんどん自己肯定感を削っていく。 会社での居心地の悪さも相まって、自分は必要とされてない、という疑念とそっちそうならこっちもだ!という意固地な気持ちはどんどん孤立した状態を作り出していく。 自分の機嫌は自分でとる。 土気色の顔で退社し、東京駅で食事をとる。 黄金色のラガービールと焼き目のしっかりついたサンドイッチを頼む。 ゆずの香りが口腔いっぱいに

    • 三石村長部家伝承話1

      長部家に起こった現象をまとめた民話 小指の爪 長部家16代目承一郎氏の長女はなもさんには左手小指の爪が無かった。 生まれたときから爪は無く皆不思議がっていたが、そういうもんだと納得した。はなもさんは水原家に嫁ぎ、80歳の時、長部家に戻ってきた。 81歳の時に老衰で亡くなられた。彼女が亡くなった日、勝手口に腕輪が落ちていた。よく見ると小豆大からビー玉くらいの爪がびっしり連なっていた。 はなもさんの爪なのかはわからなかった。 かまどの神様が浸水を防いだ話 2058年5月三

      • 左利き雑記

        タイトル通り、私は左利きです。 ある方に「あなたの左利きを指摘する人は、あなたに好意がある人だ」と 言われてから、左利きを指摘する人は「わたしのこと憎からず思ってくれてるんだー!」とうれしくなります。確かに興味がなければわざわざ言うことでもないし、もういい年齢なので躾や育ちについて嫌味を言われる可能性も低いです。ポジティブに受け止めたほうがこちらも相手に好意を持ちやすいですし。 あと、左利き不便あるあるで「自動改札をクロスでタッチ」がよく出てきますが、左利きの人はあれほん

        • ろうそく

          閉店して今は無いその喫茶店は、テーブルの上に1本のろうそくが置いてあった。 ろうそくに火を灯してウェイターを呼ぶのだ。物珍しいので、火を点けたり消したりする客には「火遊びが過ぎますよ。」とウェイターは注意した。 店内は広く天井が高く静かだった。 私はたまにその店で昼食をとった。やわらかい食パンにたっぷりはさまれた卵フィリングのサンドイッチと新鮮なレタスとトマトと自家製マヨネーズのサンドイッチが2つづつ、喫茶店のオーナーが毎年漬けているというアメリカンチェリーの赤ワイン煮2粒

        ゆずラガーとサバサンド

          朝の香り

          平日の朝はドリップコーヒーを淹れて、水筒につめる。 会社へ持っていくため。 ゾンビのような態で目覚め、何も考えずお湯を沸かしコーヒーを淹れる。 コーヒーの粉にお湯が落ち、かぐわしい香りが台所に広がる。 胸いっぱいにコーヒーの香りを吸い込む。 その瞬間、私が生きていた時の感覚を思いだす。 深い呼吸をして、体中に血が巡り頬が薔薇色だったころの記憶がよみがえる。 それはわずかな時間で息を吐いたら忘れてしまった。 呼吸は浅く、青白い顔した私は水筒の蓋を閉める。 カフェインを燃料として

          朝の香り

          Sad scientists

          世の中の怪しい情報・医療・科学などを解明する団体 トレードマークは「悲しい顔をしている髭で白衣のおじさん」 登場人物 Sad scientists代表者 ドクター・モルダー:(イメージ:スティーブ・ ブシェミ)子供のころ、インチキ医療方法で妹を亡くす。家族離散。 たかし少年: 両親がコロナ禍で失職、陰謀論に傾倒し困惑している。 キリシマさん: たかし少年の隣人。トレーダー。ロリコン。 ウェイの者: インフルエンサー Chapter1-11 「たかし少年の話」

          Sad scientists

          かなたからの応援

          東京大丸デパートでは夜7時に嵐の「Happiness」が流れる。 仕事帰りたまに大丸に寄ることがあり、気になっていた。 なぜ、7時にハピネス? 歌詞から推測して、「そろそろ閉店準備の時間だよ。」と 社員にお知らせしてるのだろうか。 気になりすぎて大丸に問い合わせてみた。 返事は以下の通り。 「応援ソングとしてお客様、従業員ともに元気になっていただけたら・・・」という思いでこの曲を流しているとのこと。 明日を迎えにいく は 閉店準備の暗喩ではなかった。 回答へのお礼メ

          かなたからの応援

          動揺のくまさん

          男:今の自分は「もりのくまさん」なんです。 女:「もりのくまさん」 男:そう。 女:童謡の、くまさん 男:そう。童謡のもりのくまさん。 男:あの歌詞、なんかへんでしょう。   あーるーひ、もりのーなか、くまさーんに であーった   はなさーく もーりーのーみーちー くまさーんにー   でーあーぁーったー   ここまでは普通なんですよ 女:はい 男:ここからだ。   くまさーんの いうこーとにゃ おじょおーさん   おにげーなさい。はい、ここからだ。 女:はい。 男:歌う

          動揺のくまさん